All Chapters of 婚約者を寝取られた夜、財閥御曹司に溺愛されました: Chapter 151 - Chapter 160

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第151話 まだ行ったことのない場所へ連れて行く

第151話 まだ行ったことのない場所へ連れて行く 蓮は、昼に美月と食事をする約束をしていたので、早々にやって来ていた。 美月の視線は、まず彼の手にしたバラの花に留まった。 「どうしてこれを買ったの?」 「途中で花売りのおばあさんに会ってな、気の毒に思って買ったんだ。ほら、やるよ!」 バラの花束を差し出す仕草は、とても軽いものだった。 目の前に差し出されては、美月も受け取るしかなかった。 蓮は彼女がバラの花を手にしているのを見て、上機嫌だった。「こっちはもう片付いたか?片付いたなら、先に飯を食いに行こう」 美月は颚いた。「ええ!」 二人は連れ立って外へ向かった。 エレベーターに乗る時、蓮が言った。「その花、……やっぱり俺が持ってやろうか?」 「……」美月は言葉を失った。 だから、どうしてわざわざ上まで持って来たのよ。車に置いておけば良かったんじゃない? まるでバカみたいじゃない。 黙って花を差し出し、返してやった。 「どこで食べるの?」 「まだ行ったことのない場所へ連れて行ってやる!」——つまり、瑛士と行った場所ではない、ということだった。 ……そこまでしなくても! 飯を食うだけなんだから、近場でいいじゃない。 …… 
last updateLast Updated : 2026-08-16
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第152話 よく言うよな、その口

第152話 よく言うよな、その口 道中、美月に向けられる視線は実に多かった。 幸い、美月はこういう場に呑まれるような女ではない。そうでなければ、これだけの人にじろじろ見られては、足がすくんでいたかもしれない。 言うまでもなく、体育会系の男たちは……一人ひとりが実にいい身体をしている。しかも若くて活力に満ち、歩くフェロモンだ。 本当に目の保養になる。 ここに来たのは正解だったと思う。何しろ、これほど目の保養ができたことはないのだから。 ちょうどその時、彼女の顔は——無理やり向きを変えられた。 美月は思わず仕掛け人を見た。「何するの?」 それに、首を両手で挟まないでほしいんだけど。 「お前が見ていいのは、俺だけだ」声には、隠しもせぬ強い嫌悪が滲んでいた。 美月は一瞬、呆気にとられた。すぐに額に青筋が浮かんだ。「……先に離して!」 それに、大勢の人が興味津々の目で見ているんだから!猿みたいに見られるわ。 「見たいなら俺を見ろ。俺が奴らよりカッコいい!」蓮は手を離すと、彼女の耳元に近づいて、もう一言付け加えた。「俺の身体がいいかどうかは、お前が一番よく知ってるだろ?」 美月の顔が一気に熱くなった。 この人……どうして何でも口にするの? 「ご飯を食べるんじゃなかったの?レストランはどこ?」 「二階だ。今から連れて行ってやる!」再び彼女の手を掴み、指を絡めて繋ぎ、自分の主権を宣言した。&nb
last updateLast Updated : 2026-08-16
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第153話 何に合わせるって?

第153話 何に合わせるって? 食事中も、美月に声をかけに来る人が多かった。彼らは蓮を恐れる様子もなく、一人ひとり笑顔で美月に挨拶をしてくる。 蓮は、美月をこんな場所へ連れてきたことを、少し後悔し始めていた。 そして心に決めた。こいつら全員に始末書を書かせたうえで……ボーナスを減額してやろう、と。 三十分後、二人は食事を終えた。 「せっかく来たんだ、少し回ってから、俺のオフィスでも見て行くか?」 蓮の提案に、美月は反対しなかった。彼女は頷いた。 「ええ」 正直なところ、彼女もここには少し興味があった。 美月が承諾したのを見て、蓮は明らかに嬉しそうだった。 自分が持っているものを、少しずつ全部彼女に知ってもらうつもりなのだ。 今回も翔太が相変わらず二人の後ろについてくる。蓮はこいつを鬱陶しく思っていた……自分の仕事はないのか? まあいい。ついてきたいなら、好きにさせておこう。 クラブ全体はかなり広く、この建物自体も蓮の所有物で、会社に貸しているものだった。 二時間ほど見て回ったところで、美月がようやく帰ろうと言い出した。 車の中で、蓮が言った。「今度は、海外に連れて行ってやる」 ここは小さなものにすぎない。本当の主戦場は海外にある。 だが、美月は正直なところ、あまり興味がなかった。これ以上、深く関わりたくないと思っていた。 家のことは別として…&hel
last updateLast Updated : 2026-08-17
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第154話 金持ちって、みんなこんな遊び方をするのか

第154話 金持ちって、みんなこんな遊び方をするのか 三十分後、恒がやって来た。しかも、一人ではなかった。 「若奥様、こちらをご覧ください」 美月は怪訝に思いながら書類を受け取った。そこに不動産売買契約書と書かれているのを見て、驚きのあまり言葉を失った。 「これ……?」 「若奥様、こちらは社長からのサプライズです。このビルを買い取って、若奥様へのプレゼントにするそうです。新会社の開業祝いの前祝いだとおっしゃっていました」 「……」美月は言葉を失った。 あまりにも重すぎる贈り物だった。 このビルが安いはずがない。 それなのに、こんな大きなことを……彼は一言も漏らさなかった。 「ちょっと待って。まず、蓮に電話するわ」 美月はスマホを取り出し、少し離れたところへ移動して蓮に電話をかけた。 相手はすぐに出た。 「恒がお前のところに来たか?」 「ええ、着いたわ。で、ビルを買い取ったっていうのはどういうこと?」 「開業祝いだよ!恒が言わなかったのか?」 「……こんな高価なもの、受け取れないわ……」 少額ならまだしも、これほど大きなビルとなれば市場価値もかなり高い。そう簡単に受け取れるようなものではない。 「こんなボロビルのどこが高価なんだ?大した金額でもないだろ」 
last updateLast Updated : 2026-08-17
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第155話 転がり込んできた儲けは断らない

第155話 転がり込んできた儲けは断らない 「すみません、契約書を作り直していただけますか?一年以内に返済する、という一文を追加してほしいんです」 「……?」賀来は絶句した。 せっかく贈られたものを受け取らず、わざわざ金まで払うのか? 賀来は少し戸惑った。 夫婦なのだから、そこまできっちりしなくてもいいだろう。 それとも……今どきの金持ちは、みんなこんなやり方をするのか? 思わず恒に視線を向けると、彼が小さく頷いた。それを見て、賀来は口を開いた。「承知しました。具体的なご要望をもう一度お聞かせいただけますか?」 美月は自分の考えを改めて説明した。 賀来弁護士は納得したように頷いた。 その時、恒が口を開いた。 「こちらは金銭消費貸借契約書として別途作成すれば、ビル購入に関するこちらの契約書には影響しません。先にこちらへご署名ください。残りの手続きは私と賀来先生で処理いたします」 「それならいいわ」 手間が省けるのなら、美月に断る理由はなかった。 彼女は差し出された書類と契約書に署名した。 恒は署名済みの書類を受け取った。 「それでは失礼いたします」 美月は何かを思い出した。「恒、ちょっと待って。一つ聞きたいんだけど、今の賃貸契約が満了したら、私が新しく契約を結び直すことになるの?」 恒は頷いた。 「はい。所有権移転の手続きが
last updateLast Updated : 2026-08-18
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第156話 おばあさまの褒め殺しに、蓮もタジタジ

第156話 おばあさまの褒め殺しに、蓮もタジタジ 蓮は、美月が顔を赤らめる姿が大好きだった。 その姿を見るだけで、心を奪われてしまう。 彼女の頬を両手で包み、そのままずっとキスしていたいくらいだ。 特に、彼女が拗ねたような顔を見せると、まるで電流が走ったように頭がくらくらする。 蓮は深く息を吸い込み、気持ちを落ち着かせた。 自制心なんて、彼女の前では微塵も役に立たない。 このままお互いに煽り合っていたら……最後に恥ずかしい思いをするのは、決まって自分だ。 これ以上、危ない話題を続けるのはやめておこう。 蓮は慌てて尋ねた。「一度家に寄ってから行くか? それとも、このまま直接行くか?」 その一言で、車内に漂っていた甘い空気が一気に消えた。 蓮がいつもの調子に戻ったのを見て、美月の頬の熱も少しずつ引いていった。 「一度家に帰るわ。着替えたいから」 「いいぞ!」 実のところ、蓮はあまり行きたくなかった。 遅くなったら……雅が、俺に料理を作らせようと待ち構えているんじゃないか? そのまま二人は家へ向かった。 「まだ時間はあるから、そんなに急がなくていいぞ。熱い風呂に入る時間だってある」 美月は蓮の言葉を無視して、そのまま二階へ上がっていった。 ただ、風呂にはちゃんと入った。もともと入浴は早く、さっと体を流す程度で済ませるタイプだ。
last updateLast Updated : 2026-08-18
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第157話 ちょっと褒められたら調子に乗りそう

第157話 ちょっと褒められたら調子に乗りそう 美月は頷いた。 「ええ。今年は忙しくて行けなかったんです。この二日間、時間ができたので、行ってきます!」 「それなら、行ってあげなさい。ちょうど蓮と結婚したばかりなんだし、お父さんにも顔を見せて安心してもらいなさい」 美月は照れくさそうに笑った……今の気持ちを隠すために。 実のところ、少し言葉に詰まっていた。自分と蓮の関係は……とても一言では言い表せないものになっている。 もはや、単なる契約結婚とは言えない。入籍しただけでなく、何より……二人は本当の夫婦になってしまったのだから。 ここ数日の蓮の様子を見ていれば……どれだけ鈍くても、蓮が自分に何か仕掛けているのではないかと気づく。 彼は、単なる契約相手なんかじゃない。もしかすると……自分に少し好意を持っているのかもしれない。 この結婚は、もはや最初に交わした契約だけでは収まらないものになっていた。 この瞬間、彼女は蓮がここにいてくれたらと思った。 「あなたの郷里は、きれいなところだと聞いたわ。いつか機会があったら、ぜひ行ってみたい」 郷里の話になると、美月の表情がいくらか柔らかくなった。 「ええ、きれいなところよ。空気もすごく澄んでいるし」 雅はその表情を見て、胸が痛んだ。 どうやら、お嫁ちゃんは郷里に深い思い入れがある……いや、実のお父さんへの想いが強いのだろう。
last updateLast Updated : 2026-08-19
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第158話 着いた

第158話 着いた 夕食を終えると、蓮と美月は本家に長居しなかった。 雅が、二人は明日出かけるのだからと気を利かせ、早めに帰らせたのだ。 「美月ちゃん、戻ってきたら……来週の金曜日、一緒に宴会に出席しましょう」 その言葉に蓮が反応した。 「金曜日? 白井家の当主の誕生日祝いか?」 「そうよ。あんたも出るの?」 もともと蓮は、こういう場にはあまり出ない主義だった。 だが、雅が美月を連れて行くというのなら、自分だけ行かないわけにはいかない。 「ああ、俺も一緒に行く」 雅は息子を一瞥した。やっぱりな、と言わんばかりに。 だが、その目は明らかに嫌そうだった。 「一人で動けないの?わざわざ私たちについてくる必要ある?」 「……」蓮は言葉を失った。 「家族は一緒に行動するのが一番だろ。俺だけ別行動したら、どう見える? どうしても嫌なら、それでもいい。俺は美月と、お前は父と行けばいい」 ――俺の嫁には、近づくな。 雅は相手をするのも面倒で、聞こえないふりをした。 「それなら、早く帰って休みなさい。気をつけてね!」 美月は頷き、蓮と一緒にその場を後にした。 車が神崎家を出てしばらくすると、彼女はようやく口を開いた。 「白井家の当主って、あの白井靖の実家のこと?」 
last updateLast Updated : 2026-08-19
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第159話 俺こそが彼女の夫だ!

第159話 俺こそが彼女の夫だ! 美月はその言葉に、思わず蓮のほうを振り向いた。 冗談を言っている様子ではない。美月は首を振った。 「いいえ。夜は町の宿に泊まるわ」 蓮が戸惑ったような顔をしているのを見て、美月はさらに説明を加えた。 「掃除してもらってるのは一階と庭だけで、二階には……掃除の人も入れてないの。とても住める状態じゃないから、町の宿に泊まるの」 「宿は設備が少し劣るけど、我慢してね」 「もちろん、どうしても無理なら、午後のうちに帰ることもできるわ。その場合は、運転手さんに少し頑張ってもらうことになるけど」 長距離の運転は疲れるが、幸い、どの車にも交代で運転できる者が乗っている。 「宿に泊まるよ! 明日出発だ!」 蓮がそう言うと、美月は頷いた。 「分かったわ。じゃあ、あなたの言う通りにする」 その言葉を聞いた蓮は嬉しそうに口元を緩めた。 「それじゃ、今からどこへ行く?」 「まず宿に行って……」 美月が言い終える前に、聞き慣れた大きな声が響いた。 「美月、帰ってきたのか?」 美月が答える間もなく、その人物はすでに中へ入ってきていた。 「おじさん」 その呼び方で、蓮はこの人物が、例の叔父さんなのだと分かった。 彼もすぐに声をかけた。 
last updateLast Updated : 2026-08-20
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第160話 社交上手な蓮様

第160話 社交上手な蓮様 美月は、叔父をここまで楽しませている蓮を見て……彼がこんなにも話上手だとは、今まで一度も知らなかった。 この男の社交力は、本当に驚くべきものだ。 もう三十分近く話し込んでいるというのに、二人はいまだに楽しそうに話し続けている。 彼は以前から、こんなにも人付き合いが得意で、話好きだったのだろうか? ちょうどその時、蓮の視線がこちらに向いた。彼は立ち上がると、美月のもとへ歩み寄ってきた。「さっきおじさんが、今からうちに来いって言ってたぞ。昼飯は向こうで食べるらしい」 正人は美月を見て、笑いながら言った。「美月、行こう! おばさんが家で待ってるよ。先に電話して買い物を頼んでおいたから、今頃は家で料理を作ってるはずだ!」 美月は頷いた。 「はい!」 一行は外へ向かって歩き出した。 蓮が美月の隣に並び、尋ねた。 「車で行くか? それとも歩く?」 「車で行きましょう!ここからおじさんの家まで歩くと五分くらいかかるし、車のほうが楽よ。おじさんの家で食事を済ませたら、そのまま宿に行けるし」 「いいぞ、全部お前に任せる!」 美月は彼を横目で見た。 何もかも「お前の言う通りでいい」と言わんばかりの態度に、美月の心は複雑になった。 ――演技……? 彼ほどの男が、わざわざこんな演技をする必要なんてあるのだろうか。 まさか……彼は自分
last updateLast Updated : 2026-08-20
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