第191話 俺の嫁、どうして付いてこないんだ 詩穂はますます腹を立て、さらに言い募った。 「それに瑛士兄さんもよ。病院で寝てるっていうのに、まだあの女のことを考えてるんだから! いったいあの女、兄さんに何を盛ったの?」 あの女は、綺麗な顔だけが取り柄よ。それ以外は……誰かと釣り合うようなものなんて、何もないわ! ふんっ! 優香は、詩穂の義憤を否定することはなかったが、心はずいぶん軽くなっていた。 その顔に、再び穏やかな笑みを浮かべた。 「おじいさまが、もうすぐケーキを切るわ。行きましょう!」 ほかの者たちもそれを聞くと、その話題を打ち切り、頷き合って連れ立ってその場を離れた…… 彼女たちは他愛もない話を交わしながらも、心の中では同じことを考えていた。いよいよ宴会も本番だ。あの玉緒は、うまくやってのけられるだろうか? 彼女たちはひそかに期待を寄せ、あれこれと思いを巡らせた……もし玉緒が頼りなければ、陰から手を貸してやろう、と。 とにかく、今日こそあの美月という女の面目を、必ず潰してやる。 「みづきちゃん、こっちにおいで!」 蓮は、雅が少し離れたところから手を振っているのを見て、すぐにでも妻の手を引いて踵を返したくなった。 わざわざ人の少ない道を選んだというのに、まさかこんなところで鉢合わせするとは……考えるだけで、たまらなく気分が悪い。 どうしても、この二人を会わせたくない。 だから蓮は、雅の声も聞こえなければ、姿も見えないふりをする
Last Updated : 2026-09-05 Read more