All Chapters of 婚約者を寝取られた夜、財閥御曹司に溺愛されました: Chapter 191 - Chapter 200

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第191話 俺の嫁、どうして付いてこないんだ

第191話 俺の嫁、どうして付いてこないんだ 詩穂はますます腹を立て、さらに言い募った。 「それに瑛士兄さんもよ。病院で寝てるっていうのに、まだあの女のことを考えてるんだから! いったいあの女、兄さんに何を盛ったの?」 あの女は、綺麗な顔だけが取り柄よ。それ以外は……誰かと釣り合うようなものなんて、何もないわ! ふんっ! 優香は、詩穂の義憤を否定することはなかったが、心はずいぶん軽くなっていた。 その顔に、再び穏やかな笑みを浮かべた。 「おじいさまが、もうすぐケーキを切るわ。行きましょう!」 ほかの者たちもそれを聞くと、その話題を打ち切り、頷き合って連れ立ってその場を離れた…… 彼女たちは他愛もない話を交わしながらも、心の中では同じことを考えていた。いよいよ宴会も本番だ。あの玉緒は、うまくやってのけられるだろうか? 彼女たちはひそかに期待を寄せ、あれこれと思いを巡らせた……もし玉緒が頼りなければ、陰から手を貸してやろう、と。 とにかく、今日こそあの美月という女の面目を、必ず潰してやる。 「みづきちゃん、こっちにおいで!」 蓮は、雅が少し離れたところから手を振っているのを見て、すぐにでも妻の手を引いて踵を返したくなった。 わざわざ人の少ない道を選んだというのに、まさかこんなところで鉢合わせするとは……考えるだけで、たまらなく気分が悪い。 どうしても、この二人を会わせたくない。 だから蓮は、雅の声も聞こえなければ、姿も見えないふりをする
last updateLast Updated : 2026-09-05
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第192話 嫁を自慢しまくり

第192話 嫁を自慢しまくり 雅は、わざわざ貴婦人たちの輪の中へ連れて行く必要すらなかった。彼女ほどの身分ともなれば、向こうから進んで付き合いを求めてくる者など、いくらでもいる。 彼女のいるところには、自然と人が集まってくる。 やって来た名門の貴婦人たちは、たちまち三人を取り囲んだ。 彼女たちが何よりも興味を引かれたのは、蓮と雅の間にいる美月だった。 あまりにも整った美貌を目にすれば、女に興味がないことで知られていた蓮が結婚した理由も、これなら納得できる。 確かに美しすぎる。 こんな女を目の前にして、心を動かされない男などいるはずがない。 正体に気づいている者もいたが、それでも誰かが笑みを浮かべて尋ねた。 「雅さん、こちらは……?」 雅はにこにこと微笑み、さらに美月に寄り添って言った。「この子は、うちの嫁、美月ちゃんよ!」 「まあ、神崎家の若奥様でいらっしゃいましたか。なんてお美しいのでしょう!」 「お幸せですね。こんなに綺麗なお嫁さんをお持ちで」 …… 次々と飛び交うのは、どれも持ち上げるための美辞麗句ばかりだった。 それを聞いて、雅はますます嬉しくなった。 普通なら、こんなに褒められれば、謙遜の一つくらい返すものだ。 だが、雅は違う。 彼女にこにこと頷きながら、得意げに言った。「ええ、うちのみづきちゃんは本当に綺麗なの。綺麗なだけじゃなくて、性格もとってもいい
last updateLast Updated : 2026-09-05
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第193話 ついにチャンスが巡ってきた

第193話 ついにチャンスが巡ってきた 雨子は、雪乃のあからさまな不機嫌さを見て取り、すぐさま胸の内で算段を始めた。 「そういえば、優香ちゃんは大丈夫だった?」 雪乃は彼女を見た。「優香が、どうかしたの?」 「大丈夫ならいいんだけど……さっき、優香ちゃんが蓮を出迎えに行ったでしょう? まさか、あんなふうに恥をかかされるとは思わなくて。優香ちゃんは、ある種の人たちみたいに図々しい子じゃないから、きっと傷ついてしまったんじゃないかと思って。慰めてあげようかと思っていたところなのよ」 雪乃は、その言い方に少し眉をひそめた。 「優香は、おじいさまに言われて、来客の出迎えをしていただけよ。あの子はおおらかな性格だから、そんなこと、いちいち気にしたりはしないわ」 「それもそうね。優香ちゃんは名門のお嬢様ですもの。市場育ちの人たちと一緒にされては困るわよね」 雨子はふと何かを思いついたように、目を輝かせた。 「優香ちゃんには、今、お付き合いしている方はいらっしゃるの?」 帝都中の名門を見渡しても、優香ほど名門の嫁にふさわしい娘はいない。 家柄も申し分ない。海外の名門大学を卒業しているうえ、本人も非常に美しい。 まさに、自分の息子にふさわしい相手だ。 雪乃はその言葉に、ちらりと雨子を見た……その瞳の奥に込められた意味を、瞬時に悟った。 胸の内で、何かが動いた。 瑛士も、婿として申し分ない。 雪乃の口元に浮かんだ笑みが、わずかに深くなった。&nbs
last updateLast Updated : 2026-09-06
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第194話 行く手を塞いだ

第194話 行く手を塞いだ 「本当に、付き添わなくていいのか?」 蓮は、どうにも心配で仕方がない。 美月はその言葉を聞いて、思わず口元を引きつらせた。 ――トイレに行くだけよ。あんたが付いてきて、どうするっていうの? 「……いいわ! ほら、翔太があなたを探しに来てるじゃない。早く行ってあげなさい」 一晩中、べったりだったせいで、翔太の顔に浮かぶ恨みがましさは、今にも実体化しそうなほどだった。 蓮は翔太に目をやると、心底嫌そうな顔をした。 「分かった。何かあったら、俺に電話しろ」 美月は頷いた。 さっき、白井家の使用人に公衆トイレの場所は聞いてある。 このまま、まっすぐ行けばいい…… 蓮は、美月が角を曲がって見えなくなるまで見送ってから、ようやく視線を戻した。 「おい、いい加減にしてもらえないか?」 いつの間にか、翔太がすぐそばに立っていた。その声には、苛立ちが滲んでいる。 蓮は振り返って彼を見た。 「何の用だ?」 「……」翔太は言葉を失った。 ――いっそこのまま引き返してしまおうか…… この男――どんだけ俺を邪魔扱いすれば気が済むんだ? ……まあいいや。こいつがこういう奴だって、今さらだし。
last updateLast Updated : 2026-09-06
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第195話 煩わしい

第195話 煩わしい 美月は、斜めに彼を見た。 「何? あなたのトイレでも見物しろっていうの? 私たち、そこまで親しくないでしょう。人違いよ」 「……?」 靖は数秒間ぽかんとした。 それから、突然大笑いした。 「ははっ、まさか、こんなに面白い女だったとはな!」 どうしたものか。 ますます興味を惹かれてしまう。 美月は、彼に構うのも面倒で、余計な視線を向けることすら惜しかった。 目の前に差し出された手を無視し、そのまま横へずれた。 だが、靖はわざわざここで待ち伏せしていたのだ。そう簡単に行かせるつもりはない。 「待ってくれ。少し、話したいことがあるんだ」 そう声をかけられても、美月の足は止まらなかった。 靖はそれを見て、手を伸ばして掴もうとした。 だが、その手が美月に触れる前に、ひらりとかわされてしまった。 「……」 ちっ、まったく、すばしっこい。 もう一度、手を伸ばした時には、美月の顔色が沈んでいた。「白井さん、ご自重ください!」 靖は、片眉を上げ、ふてぶてしく笑った。「橘さん、俺がどこを自重してないっていうんだ? キスでもしたか? 痴漢でもしたか? どっちもしてないだろ? 俺はただ、ちょっと話がしたいだけだ」 美月は、そのまま歩き続けた。 
last updateLast Updated : 2026-09-07
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第196話 必ずあんたを嵌めてやる

第196話 必ずあんたを嵌めてやる 美月は、この男に心底うんざりしていた。 何か言おうとしたその時、少し驚いた声が響いた。「橘さん、偶然ね!」 玉緒は、満面に喜色を浮かべていた。 靖は、突然の割り込みにも不快そうな顔ひとつせず、ただ意味ありげな笑みを浮かべた。 そして口を閉ざし、そのまま美月の隣に立っていた。 美月は玉緒を見て、目を細めた。 玉緒は早足で美月の前までやって来たが、その視線は隣に立つ男に釘付けだった。 その瞳には、隠しきれないほどの感嘆が浮かんでいる。 「こんにちは。私は橘さんの同級生です。烏丸玉緒と申します……」 この男は、女より美しいのに、女々しさが微塵もない。全身から、気高さが滲み出ている。 着ているものは、すべてオートクチュール……何より、彼の手首に嵌めた腕時計は、ちょうど公式サイトで見たことがある。値段は、一億五千万。 つまり、この男、とんでもない金持ちだ。 そう思うと、呼吸まで荒くなってくる。 靖は微笑んだ。「烏丸さん、こんにちは。まさか君が美月ちゃんの同級生だったとはね。よろしく」 玉緒は、彼が美月を親しげに「みづきちゃん」と呼んだのを聞いて、顔に浮かんでいた笑みが固まった。 この男は、美月と何なの? 一方の美月は、靖の言葉に、心底吐き気がした。 彼女の顔色がたちまち冷え込み、鋭い視線を靖に突き刺した。「白井さん、ご自重ください!私はあ
last updateLast Updated : 2026-09-07
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第197話 若奥様が危ない

第197話 若奥様が危ない 「おやまあ、これは橘美月さんじゃないの? ちっ、ずいぶんと無様な姿ね。やっぱり、たとえ鳳凰の羽をまとったところで、骨の髄までカラスなのよ」 詩穂の顔には、嘲笑が浮かんでいた。 美月は彼女を一瞥し、声に冷たさを滲ませた。 「どこからか、犬の遠吠えが聞こえてくるわね」 詩穂はその言葉に、顔を真っ青にした。 「誰を犬だって言ったの?」 美月は、まばたきひとつせずに答えた。 「私は、どこから犬の遠吠えが聞こえてくるのかって聞いただけよ。あなたが返事をしなければいいのに」 詩穂は悔しさで頭に血が上った。 ――ここで言い返せば、自分から犬だと認めるようなものだ。 だが、この女が明らかに自分を罵っている。 美月は、もう彼女に構う気にもなれなかった。 自分の身体に異変を感じたからだ。 体がふいにだるくなり、芯までぞくぞくするような、掻きむしりたくなる痒さが襲ってくる。 それに、体の熱も上がっていく。 彼女の心は沈んだ。 ――やられてしまったのか? 詩穂の仕業なのか? そう考えると、彼女の目は剣のように鋭くなった。 詩穂は、どう罵り返してやろうかと必死に言葉を探していた。 だが突然、殺気すら感じさせる美月の目とぶつかり、思わず一歩後ずさった。 
last updateLast Updated : 2026-09-08
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第198話 蓮に助けを求めて

第198話 蓮に助けを求めて 靖は、美月の怒りなど気にしなかった。 その目は、美月の顔の上を行ったり来たりして、もう離せなくなっていた。 怒りで眸が輝き、いつにも増して生き生きしている。それが、彼には致命的なほど魅力的に映った。 喉仏が、知らず上下する。口の中がからからに乾いていく。 それだけではない。胸の奥には、これまで感じたことのないほど強烈な渇望が湧き上がっていた…… ――この女が欲しい。 ちょうどその時、突然の声が響いた。「若奥様、社長がお迎えに行くようにと」 靖はその声に顔を上げた。 黒い服にサングラスをかけた男。 ――見覚えがある…… 確か、蓮のそばにいた護衛だ。 それが、またしても彼を苛立たせた。護衛を見る目に、わずかに冷たさが走った。 ――ふん、まさか蓮も細かい気配りをするとは。 帰ったのに、護衛まで残していくとはな。 美月も、その護衛の姿に気づいていた。 ほっと息をつくと、小さく頷いた。 「行きましょう」 「橘さん……」靖は、なかなか諦めきれなかった。 ――彼女の様子が明らかにおかしい。 先ほどまではただ面白がっていただけだ。 だが、今は違う。 この女、
last updateLast Updated : 2026-09-08
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第199話 全速力

第199話 全速力 蓮はバーを出ると、自分の車の前までやって来た。 「降りろ」 運転手は慌てて車を降りた。 蓮は身をかがめて運転席に座り、片手でシートベルトを締め、もう片方の手でエンジンを始動させた。そして、一気にアクセルを踏み込むと、車は弾丸のように飛び出した。 車のスピードは、ただならなかった。 この時間帯は、本来なら帰宅ラッシュに重なる頃だが、蓮のドライビングテクニックは、それはもう凄まじかった。 毎回、極めて鋭いテクニックで、車と車の間をすり抜けていく。 それに、彼はこの辺りの地理に詳しく、渋滞している道があると、いとも簡単に細い路地を走り抜けた。 その速さで、本来なら三、四十分かかる道のりを、たったの十分にまで短縮した。 邸宅が近づいたところで、彼はもう一度電話をかけた。 相手が出た途端、彼は急いで尋ねた。「もう着いたか?俺は、もう着いたぞ」 「……ま、まだ……」美月は、苦しさで意識がもうろうとしていた。 電話越しでも、美月の声が尋常ではないことは、蓮にはすぐに分かった。 回線越しでもはっきり伝わってくる、艶めいた掠れ声。 その瞬間、蓮は美月が何を盛られたのかを悟った。 すぐに電話を切ると、今度は運転手へかけ直した。 相手が出るなり、冷たい声で問いただした。「今、どこにいる?位置を送れ」 しばらくすると、運転手から位置情報が送られてきた。
last updateLast Updated : 2026-09-09
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第200話 忘れたんじゃないでしょうね

第200話 忘れたんじゃないでしょうね とっくに待機していた家庭医が、素早く駆け寄ってきた。 「早く、診てくれ……」 薬を盛られたことは分かっている。 それでも、身体に害がないかどうかは、きちんと確認しなければならない。 家庭医は慌てて近づいたものの、視線をどこに向ければいいのか分からず、妙に気まずそうにしていた。 ――何しろ、少々艶めかしい。 それに何より、蓮様が今にも自分を引き裂きそうな目で、じろりと睨みつけている。 「これは……解毒薬は、どうやらあなたでございましょうね」 こうするのが、いつだって最善の解決策だ。 その言葉を聞いた蓮が、いつまでも待っていられるはずがなかった。 待ちきれないとばかりに、美月を抱えたまま、二階へ駆け上がっていく…… 家庭医は、その背中を見送りながら、これは大一番になると悟った。 何しろ、あの薬の効き目は相当なものだった。 ここまで耐えてきたこと自体、すでに限界ぎりぎりだったのだろう。 案の定、部屋に入った途端……蓮の服は、たちまち剥ぎ取られてしまった。 「焦るな。俺がいるぞ……」蓮の声も、高ぶりに震えていた。 何しろ、美月に対する蓮の抵抗力は、もともとゼロに等しい。 ここまで積極的に迫られて、平静でいられるはずがなかった…&hell
last updateLast Updated : 2026-09-09
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