All Chapters of 夢幻の旅路と二つの世界 〜『夢』に喰われる街で、能力“ブラム”で世界を救う〜: Chapter 41 - Chapter 42

42 Chapters

第四十一話

その後は特に何もなく、夢の中に向かうことにした。「どうやらやってくれたようですね」聞き覚えのある声が聞こえてきた。目を開けると、いつもの少女が座っていた。「あなた方のおかげで、今はかなり不安定な状態です」「すでに相方さんはいらっしゃいます」「夢の住人も迷い込んだ人も一緒にいるようです」「そこまでお送りしますか?」「頼んだ」少女が立ち上がり、歩いて行った。黎慈はそれについてくように歩いていく。「そう言えば、お前の夢の住人ってやつなのか?」黎慈が歩きながら少女に聞く。少女が立ち止まる。「ん~、少し違うかも知れません」少女が歩きながら説明を始める。「認識の違い、ですかね」黎慈はよく分からなかった。「現実の人間と、夢の住人と言う二つの括りで決めるなら、そこの違いはあります」「ですが、ブラムの適性などは夢の住人の方が圧倒的に上です」「夢の世界の適性も高いと言えます」「最初から夢の住人か、そうでないかの違いです」少女は黎慈の方を見た。まだ分からないという顔をしていた。「…まあ、少し難しい話だったかも知れません」話しながら歩いていると、光っている扉が見えた。「ここです」黎慈が入ろうとすると、少女が呼び止めた。「一つだけご忠告を」「不安定な状態で夢の世界に入ると、安定化するまで出られなくなります」「不安定な状態で戦闘不能となると、最悪の場合死ぬ可能性もございます」黎慈は覚悟を決め、固唾を飲み込む。「くれぐれもご注意ください」「あぁ」黎慈は少女の言うことを了承し、扉を開けて中に入った。「ご武運を」そう言葉が聞こえると、視界がパッと明るくなった。意識がどんどん薄れていった。「よっ、遅かったな」目を開けると、そこには景佑と夢の住人がいた。二人はいたが、もう一人いるはず。周りを見渡しても、朱音が見当たらない。「朱音はどこに?」「この中にいるよ」景佑が指を刺した先は、なんの変哲もない住宅街に佇む一軒の家だった。「安全のために、夢の核からはかなり遠い場所に隔離しました」「ここなら、化け物に襲われる心配もないかと思いまして」確かに、化け物たちの気配が全くしない。夢の中のはずだが、妙に現実味が強い場所だ。「呼んできます」夢の住人が家の中に入って行った。すぐに家の中からは朱音と夢の住人が出てきた。
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第四十二話

「では、とりあえず夢の核まで向かいましょう」四人は夢の核に向かって歩き出して行った。「とりあえず着いたが…」ただならぬ雰囲気が出ている。空気も先ほどとは打って変わって、どこか甘ったるくなっている。頭がクラクラするくらいだ。屋敷の外周にあった城壁も、ほぼ半壊で無くなっている。「黎慈さん。ここからは一人行動でお願いします」「ああ、分かった」黎慈は深く深呼吸をした。そして、景佑の方を見て一言。「生きてたら、また会おう」「縁起でもないな」二人は冗談混じりで笑った。「朱音を現実に返したら、俺もすぐに向かう。それまでくたばるなよ?」「フッ、どうかな…」「待ってるぞ」黎慈はそう言うと、夢の核の中に向かって行った。半壊していた城壁の内部に入ると、中は化け物が無数にいた。ただ、襲ってくる様子はない。まるで感情を失い、無気力になったような状態で彷徨っている。黎慈はそれを横目に、中に入れそうな場所を探し始めた。屋敷の外側を色々と見ていると、壁が豪快に破壊されている場所があった。「ここからなら…」黎慈はその穴から、屋敷の内部に入って行った。幸い、穴の先は小さな部屋になっていた。ただ、誰かの話し声が聞こえる。「こんな事態は初めてだぞ!主人はなんと?」「…まだ情報が回ってこない。しばらくは待機だろうな…」二人が話している様子だ。壁越しから聞こえてくる。「あーもう!むしゃくしゃする!ちょっと行ってくるわ!」「ば、ばか!待て!」二人は動揺しているように感じた。『今しかない!』黎慈は部屋の扉を最速で開けた。扉を開けると、案の定兵士のような格好をした化け物がいた。「だ、誰だおま…」声を出させる間もなく、一人を倒す。もう一人も、連鎖反応の如く始末する。あまりに早い身動きに、自分でも困惑していた。「いつもより、体が軽いな…」手を何度か握りしめる。ブラムを使っても、全く疲れない。『これも、不安定が故の影響なのか?』とにかく、黎慈は先を急ぐ事にした。黎慈と別れた頃。「それで、これから向かうところなのですが…」黎慈が夢の核に向かったのを確認し、夢の住人が話し始める。「景佑さん、前に夢の主人である和寿の記憶を見た場所って、覚えてますか?」現実だと、あの大きな公園だ。ここからそう遠くないことも覚えていた。「もち
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