その後は特に何もなく、夢の中に向かうことにした。「どうやらやってくれたようですね」聞き覚えのある声が聞こえてきた。目を開けると、いつもの少女が座っていた。「あなた方のおかげで、今はかなり不安定な状態です」「すでに相方さんはいらっしゃいます」「夢の住人も迷い込んだ人も一緒にいるようです」「そこまでお送りしますか?」「頼んだ」少女が立ち上がり、歩いて行った。黎慈はそれについてくように歩いていく。「そう言えば、お前の夢の住人ってやつなのか?」黎慈が歩きながら少女に聞く。少女が立ち止まる。「ん~、少し違うかも知れません」少女が歩きながら説明を始める。「認識の違い、ですかね」黎慈はよく分からなかった。「現実の人間と、夢の住人と言う二つの括りで決めるなら、そこの違いはあります」「ですが、ブラムの適性などは夢の住人の方が圧倒的に上です」「夢の世界の適性も高いと言えます」「最初から夢の住人か、そうでないかの違いです」少女は黎慈の方を見た。まだ分からないという顔をしていた。「…まあ、少し難しい話だったかも知れません」話しながら歩いていると、光っている扉が見えた。「ここです」黎慈が入ろうとすると、少女が呼び止めた。「一つだけご忠告を」「不安定な状態で夢の世界に入ると、安定化するまで出られなくなります」「不安定な状態で戦闘不能となると、最悪の場合死ぬ可能性もございます」黎慈は覚悟を決め、固唾を飲み込む。「くれぐれもご注意ください」「あぁ」黎慈は少女の言うことを了承し、扉を開けて中に入った。「ご武運を」そう言葉が聞こえると、視界がパッと明るくなった。意識がどんどん薄れていった。「よっ、遅かったな」目を開けると、そこには景佑と夢の住人がいた。二人はいたが、もう一人いるはず。周りを見渡しても、朱音が見当たらない。「朱音はどこに?」「この中にいるよ」景佑が指を刺した先は、なんの変哲もない住宅街に佇む一軒の家だった。「安全のために、夢の核からはかなり遠い場所に隔離しました」「ここなら、化け物に襲われる心配もないかと思いまして」確かに、化け物たちの気配が全くしない。夢の中のはずだが、妙に現実味が強い場所だ。「呼んできます」夢の住人が家の中に入って行った。すぐに家の中からは朱音と夢の住人が出てきた。
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