さらに奥まで進んだが、周りの景色は一向に変わらない。無機質な鉄格子と丸石の壁だけがまだまだ続いている。「なあ、これ同じところ行ったり来たりしてないか?」歩いていると、景佑が話し出した。「まあ、こんなに同じ場所ばっかりだとそう思うよな」「いや、これ見てくれよ」景佑は壁に書かれている名前を指さした。『3ーA 竹中夏美』入り口で見た名前と同じで、番号もまるっきり同じだ。「同じ名前…」「一体どう言うことだ?」黎慈は周りを見渡し、難しい表情をした。だが、解決になりそうなものは何もない。奥の道もまだまだ続いている。「大抵、ゲームとかだとギミックがあってそれをこなすと解ける、ってのがテンプレなんだが…」「…」二人は考え始めた。だが、黎慈は何も思いつかない。ループしていると仮定して、何がきっかけでなっているのかすらも検討がつかない。そもそもここから抜け出せるのかすらわからない。そう考えていると、景佑が徐に壁を触り始めた。「何してんだ?」「もしかしたら、壁はあるようで無いのかもしれない」訳のわからないことを言い始めた。遂に頭がおかしくなったかと思った。だが、壁を触っている景佑は何かに気づいたらしい。「黎慈、ここの壁…」景佑に変わり、黎慈が壁を触る。他の壁とは違い、少しだけ奥に押せるような感覚があった。「もしかして…?」黎慈はその部分を力強く押した。「ガシャン…」装置が動くような轟音が空間へと響く。すると、後ろにあった鉄格子の部屋が開いた。それと同時に、それまで無限のように続いていた奥の道が、消えるようにして壁になった。二人は息をのみ、その鉄格子の部屋の中に入って行った。とは言っても、特に何の変哲もない刑務所のような空間だった。だが、この部屋に何かがあるのは間違いない。二人は隅々まで探すことにした。黎慈が今にも壊れそうなベッドの上に登り、上の方を見ていた。ベッドの上には木製の棚しか無かった。ベッドから降りようとした時、体勢を崩してそのまま背中から地面に落ちてしまった。「いてて…」「何してんだよ…」ベッドは大破していた。ただ、ベッドの下に何かがあるようだ。毛布や鉄筋を除ける。すると、そこに現れたのは開きそうなドアだった。黎慈はドアを開けた。下には梯子が続いており、さらに地下へと続いているよ
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