夜になり、拓海はいつものように雪乃の隣に横たわった。彼女を腕の中に抱き寄せ、いたわるようにお腹を優しく撫でた。お腹の子の話になると、二人の会話も自然と弾んだ。ふと、雪乃は生まれてくる子の顔が気になり、尋ねてみた。「ねえ拓真、この子は大きくなったら、どっちに似ると思う?」拓海はお腹を撫でていた手を少し止めてから、こう言った。「どちらに似てもいいさ。雪乃が気に入ってくれればね」そう口にしたものの、拓海の頭には突然、青葉の姿が浮かんできた。もし、将来青葉との間に子供ができたら、どちらに似るのだろう?女の子なら、青葉にそっくりだといい。そうすれば、二人まとめて思いきり可愛がってあげられる。男の子なら、自分に似てほしい。息子に背中を見せて、二人で青葉を守っていけるから。子供が甘えてまとわりついてくる姿を想像すると、拓海の険しかった表情は一気に和らいだ。口元には、自然と笑みがこぼれていた。拓真の優しい様子を見て、雪乃の身体は甘く火照り、ますます胸元へとしがみついてきた。その細い指先が、拓真の服の中へと潜り込んでいく。「拓真……」見下ろすと、潤んだ瞳でこちらを見つめる雪乃がいた。その仕草一つひとつが、拓真の理性を狂わせるには十分だった。しかし、拓海は理解していた。雪乃の妊娠が分かった時点で、自分の役目は終わっている。今こうして寄り添っているのは、ただ無事に出産を迎えてほしいからだ。元の家庭に戻る準備はできているし、もう二度と、兄の女に手を出すつもりもなかった。拓真は深く息を吐き出し、込み上げる衝動を抑えつけながら、雪乃の手を優しく退かそうとした。しかし、妊娠中の雪乃は人恋しさが勝っているのか、簡単に離れようとはしなかった。雪乃はただ、夫が強がっているだけだと考え、紅潮した唇を自ら彼に近づけた。「拓真、私たちは夫婦でしょ?もう安定期に入ったんだし、大丈夫よ……」ドクン、と心臓が跳ね上がった。夫婦という言葉が、重いハンマーのように拓海の胸を打ち、その現実を嫌でも突きつけてきた。そうだ。青葉の待つ家に早く帰りたい一心で、自分の今の状況を見失いかけていた。自分はまだ、兄である「拓真」であり、雪乃の夫なのだ。まだ、夫としての義務を果たさなければならない。覚悟を決めたように目を伏せると、拓海は突然、雪
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