「姉さん……」エドナが姉と再会した翌日のこと。もうすぐ昼という時間になっても、彼女は部屋の中でぼんやりとしていた。昨日は結局、部屋に戻っても混乱のあまりろくに眠れず、明け方になってようやく……と、起きたのはついさっきのことだ。そのタイミングで使用人がやって来て着替えさせられたのだが、その時も彼女はぼんやりとして心ここにあらずと言った様子であった。「はぁ……これからどうしようかしら……?」姉自身がこの状況を受け入れて……むしろ望んでここにいるのなら、自分はどうすれば良いのか?このままここにいては、いずれは自分自身が王に求められるのも時間の問題だろう。そうなる前に何らかの行動を起こしたい……と、彼女は考えるが、どうにも考えがまとまらない。「……でもあの人、別に姉さんのこと好きなわけじゃないよね?姉さんは救ってあげたいなんて言ってたけど……や、やっぱりそういうのって良くないと思う」昨晩二人が何をしていたかに思い至って、彼女は顔を赤らめる。二人ともお互いだけを見つめて愛し合っているなら、口を出す事はできない。しかし、バルドは多くの女性を集めて手当たり次第に手を出している……彼女にとってそれは、不誠実で許せない事である。彼が王で、世継ぎを残す責務がある……なんてことは彼女にとっては関係のないこと。不幸な出来事に同情する点があるのだとしてもだ。「……うん。やっぱり姉さんを担いででもここを出たほうがいいわね。もしバルド王が姉さんだけを……と言うなら、私は何も言えないけど」そう彼女は決断する。なにはともあれ、こんな状況がまともであるはずがない。姉もどこか感情的になってると思うので、いったん落ち着いて欲しいという思いもある。「っと、その前に……ジスタルの様子も確認したいわね」姉のために王に直訴して囚われてしまったという彼の事も、何とかしなければと彼女は思う。彼と会うたびについ憎まれ口をたたいてしまうが、それが照れ隠しであることを彼女は自覚してるだろうか?少なからず恋心を抱いてる事も。彼女にとって大切な人の一人なのだから、当然このまま放って置くという選択肢はあり得ない。しかし彼女は知らない。その彼も同じ気持ちを抱いているが故に、既に行動を開始したと言うことを…… ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆数日ぶりに牢を出たジスタルは、物陰に身を潜めながら
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