風呂から上がると、怜はキッチンに立った。(今日も仕事だと言っていたから、あと二時間は寝ているな) 凛は、仕事の日は十五時に起きる。起きて飯があれば食べるだろう。 怜は、米を研ぎ、青菜と鶏肉を炒めた。 雲城市によくあるアパートの、よくある夕暮れ時のように、凛が住む四〇七号室から夕餉の煙が上っていった。(さて、そろそろ行くか) 野菜炒めを皿に盛り、ラップに手を伸ばしたとき、背後で布団の擦れる音がした。 凛が寝返りを打ったらしい。 怜は手早くラップをかけ、まとめておいた荷物を手に取った。 玄関へと向かうと——凛が腕を組んで立っていた。「ご飯、作ってくれたのね」 凛は、怜を真っ直ぐに見据えて言う。 出会った頃から変わらない、本質だけを見つめるような、透明な瞳。「…&h
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