入り組んだ隠し通路の先に、佐伯のアジトはある。「世話になったな」怜は佐伯に声をかけながら、身体に巻いていた爆弾を外した。「爆弾……」凛は固まったように呟く。「こんなもの巻いて……どうするつもりだったのよ……」その声は震えていた。顔は青ざめている。(まただ。いつも、オレは、一条凛に、こんな顔をさせている)自分の不甲斐なさを自覚すると、怜は、舌打ちをした。「想像の通りだよ」「危ないじゃない!!」「君の方こそ、危ないだろう!!トラックで事務所に突っ込むなんて、正気の沙汰じゃないぞ?!」怜は凛を怒鳴りつけた。(違う。そういうことが言いたいのではない)怜は眉根を寄せて、訂正した。「……もっと、自分を大切にするべきだ」「はあ?! その言葉、そっくり返すわ!!」凛はドサリとソファに腰掛ける。青い顔に、目をくりくりとさせ、全身で怒りを表している。「……何をそんなに怒っているんだ?」そう問いかけてから、怜は気付いた。(まさか、久世との会話を一条凛も聞いていたのか?そうだとしたら、また、失礼なことを言ってしまった……)本心ではないと、弁明するつもりはなかった。彼女は、自分のことなど、どうとも思っていないかもしれない。それでも「利用していた」と聞けば、嫌な気分にもなるだろう。凛は、めいっぱい怜を睨みつけていた。「だから言っているでしょう? あなたが、自分を大切にしないから怒ってるの
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