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第11話:夏の終わり

あのすさまじい夏合宿から2週間ほど経ち、8月も後半に入ったある日のこと。圭太は自宅でのんびりと過ごしていた。(あの夏合宿の出来事は……見事に誰にも話せない内容ばかりだったなぁ……)普通の高校生の夏休みといえば、一夏の体験に憧れたり、甘酸っぱい初恋があったり、友人たちで集まってちょっとHな話や好きな子のコイバナで盛り上がったり……と、とにかくキラキラしたものだよな……と、いささか盛り過ぎではあるが、普通の高校生の夏の青春を夢想していた。沙由美たちが絡まなければ、圭太はごく普通の少年だった。(でも俺の青春はそんなものを望むこともできないぐらい、欲望まみれになっちゃったなぁ……)そんなことを考えながらベッドでゴロゴロしていると、飼い猫のモモが圭太の上に乗ってきた。モモを抱き上げながら「モモちゃん、俺の青春は何なんだろうな」と力なくつぶやく……。モモは当然「にゃー」と鳴くだけだった。「まぁ、ネコに聞いても分からないか。『吾輩は猫である。まだ何にもわからニャイ』なんちて……ってああああっ!」この猫に対して言った文学作品のタイトルで、圭太は夏休みの読書感想文の宿題を思い出したのだった。***翌日――圭太は学校の開放図書室に来ていた。夏休みでも生徒が利用できるよう、休み中でも定期的に図書館を開けてくれる日である。(まいったなぁ、すっかり忘れてたよ……今からでも何か借りて何とかしよう。)とりあえず、手ごろなジュニア小説を手に取ると、受付に向かって歩いた。しかしその途中、ふと気になる棚を見つけて足を止める。それは「心理学」だった。以前、沙由美から自分の一人称が女装中やある種の興奮状態にあると「俺」から「僕」に変化していると指摘されたことがあったので、ずっと気にしていたのだ。(先生はよくある二面性とか言ってたけど、何か心理的なものがあるかもしれない……)とりあえず何かの参考になればと本を手に取ろうとするが……棚が高すぎて届かない。それでも何とかしようと、背伸びして手を伸ばして必死に取ろうとしているところに、後ろからひょいと本を取ってくれた人物がいた。「あ……」圭太が振り返ると、それは服飾文化研究部の部長であり生徒会長の一条葵だった。「会長さん!?」「白石くん、こんなところで会うなんて奇遇ね。そんなに頑
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