All Chapters of 野良猫、御曹司に拾われる: Chapter 21 - Chapter 30

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野良猫、夢を見る

夜斗は念願の回らない寿司に舌鼓をうち、それはもうたらふく食べた。ついでに、高級白ワインも飲んだ。こんな贅沢が許されるなんて玲央さまさまだ。そしてタワマンへと戻ってくると、玲央は部屋へあがろうとはしなかった。「レオどうした?」 「ごめんよ、ヨル。僕はまだ仕事が残っていてね」 「それでオレがいくら勧めてもワインを口にしなかったのか」 「そういう事。ヨルの仕事も出来るように整えてくるから少し遅くなる」そう言うと、玲央は夜斗の身体を引き寄せた。「いい子で待っていておくれよ?僕だけの猫ちゃん?」 「早く帰って来てね?ダーリン?」そんな軽口をたたいて夜斗は玲央お見送る。さて、いい気分だし、またジャグジーにでも浸かるとするかな。夜斗は浴室へと行き浴槽にお湯をためる。たまっていくお湯を見つめながら、夜斗は今日一日を振り返った。まさか、ヨウタに仕込まれた技術が本当に役立つ日が来るなんて、思ってもみなかった。そして、まだ彼を忘れられていない自分にも驚いた。「......ヨウタ......」彼の名前を小さく呟く。もう完全に吹っ切れたと思ったのに、いまだに夜斗の心を占める。今、どうしている?オレの事忘れた?少しは探してくれた?「ハッ。......自分から逃げ出したくせに。女々しいの」夜斗は服を脱ぐと、冷水を浴びて自分の心を静める。熱く火照った身体に冷水は心地よい。そして、少し冷えてきたかな、と思った頃にジャグジーに身を沈める。あぁ、いい湯だなぁ。現実にこんなセリフをつくとは思わなかった。ダメだ。ヨウタの事は忘れよう。今、オレを飼っているのはレオだ。そう思い夜斗はジャグジーから出ると。バスローブに身を包み、あの大きなベッドへとダイブした。酒が回ったかな。眠気が襲ってきた。玲央が帰って来るまでひと眠りだ。ここは病院?あれ?どこかで見た光景だ。「夜斗......お願いだ。早く目を覚ましておくれ......。君がいないと僕は......」ヨウタ?なんで泣いてるんだ?大丈夫。オレならここにいるから。だから泣かないで。「夜斗......せっかく自由になったのに......。こんな事になるなんて......」自由になれたのは全部ヨウタのお陰だろう?何言ってるんだよ。あの雨の夜にオレを拾ってくれたのはお前なんだから。だからそんな顔しないでくれよ。「そうだ!退院したらまた
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野良猫、決して一人にしない

「ヨル。仕事が出来るように整えてきたんだけれど......。もし無理そうなら......」 「オレは大丈夫だよ?安心して仕事させてよ」 「しかし......」玲央は夜斗の泣き腫らした目を壊れ物にに触れるかのようにそっと手をやる。玲央はあまりにも痛々しい顔をしている夜斗に気を使うが、夜斗は何でもない様子を見せる。一体何の夢をみたのだろうか?夜斗の心を占めているものはなんなんだ?玲央はなんだか面白くない気分でいっぱいだった。「ヨル。君の心を占めているものはなんだい?」 「なんだよ、急に。今はレオ。お前だけだぜ?」夜斗はわざとふざけた様子を見せたが、玲央は真剣な面持ちで夜斗を見つめた。「レオ。何をそんなに慌ててるんだ?......っておわっ!!」玲央は夜斗をベッドへと押し倒すと、何やらぶつぶつと呟いている。夜斗はそんな玲央に少し不気味さを覚えてしまった。「ヨルは僕だけの物なんだ......。誰にも渡さない。絶対にだ......!!」 「お、おい。レオ?どうしちゃったんだよ?落ち着けって。......んン!」玲央は夜斗の口を無理矢理塞ぐと、夜斗の身体をまさぐり始めた。そして、力任せに夜斗の服を脱がすと慣らしもしないで自身の欲を夜斗にぶち込もうとした。「お、おい!レオ!落ち着けって!......!!レオ!!」 「!ヨル......?僕は一体......?」とりあえず玲央の暴走は止まったが、夜斗は玲央に対して恐怖心を抱いてしまった。しかし、今それを表に出すと玲央を傷つけてしまうと思い、なんとか抑え込むことに成功した。「レオ、今のオレの飼い主は誰だ?......お前だろう?何をそんなに怖がる必要がある?」 「......"今の"、か......。いずれかは去って行ってしまうのだろう?」 「それはどうかな?お前次第だぜ?」そう言うと、夜斗は玲央を抱きしめた。玲央の身体は小さく震えていた。何をそんなに怯えている?所詮気まぐれで拾っただけの野良猫だぞ?夜斗の頭は疑問でいっぱいになっていた。「なぁ。なんでそんなにオレに執着するんだ?オレの知らないところで会った事でもあるのか?」 「それは......。ごめん。まだ言えない。だけど、どうか僕の元から消えないでくれ......」今まで自身に満ち溢れていたと言うのに、こんなに弱った姿を見せられては放って
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野良猫、執着される

玲央は落ち着きを取り戻すと、緊張の糸が切れたかのように眠りについた。スーツのままだが起こすのはしのびない。そっとベッドへ横たわらせた。夜斗は玲央の自分への執着が半端ない事に疑問を持ち始めた。そして、何か手掛かりになるものはないかと家の中を散策し始めた。すると、一つの部屋の前で立ち止まった。そういえば、ここには入った事がなかったな。と思い部屋の中へと入る。そして電気をつけると信じられない光景が広がっていた。「な、なんだよ......これ......」そこには一面に広がった夜斗の写真。そっと部屋の中に入ると、デスクに置かれた書類が目に入る。そこには"調査報告書"と書かれていた。「調査報告書?なんでこんなものが?レオはなんでオレなんかを調べた?」報告書に目を通すと流石に昔の物はなかったが、最近の夜斗の行動が事細かく書かれていた。このままこの部屋にいてはダメだ。そう思い部屋から出ようとした時だった。背後から玲央に抱きしめられたのだった。「れ、レオ......」 「どうしたんだい?こんなところで。あぁ。これを見たんだね?よく撮れているだろう?」 「な、なんでオレなんかを調査したんだ?もしかしてあの夜会ったのは......」 「偶然なんかじゃないよ?ようやく君が入り浸っている酒場を見つけられたから行って見たら......ね」玲央はそう言うと夜斗の耳をペロリと舐めた。夜斗は思わず「ヒッ!」と声をあげる。すると玲央はクスクスと笑い夜斗を横抱きにし、ベッドへと戻ってくる。そして夜斗をベッドに横たわらせると、玲央は夜斗に覆いかぶさってくる。「さぁ、ヨル......いや、夜斗。これから一つになろう?」 「れ、レオ......何でオレなんかを......?」夜斗がそう問うと、玲央は夜斗をギュッと抱きしめた。「夜斗は僕の"神様"なんだ......。だから、どうしても欲しかった。僕だけの物にしたかった......」 「......やっぱりオレ達はどこかで会った事があるんだな?」 「覚えてなくても無理はない......けど思い出してほしい」 「......教えてはくれないのか?」夜斗はどうしても思い出せないので玲央を問いただすが、玲央は頑なに教えてくれようとしない。夜斗は我慢の限界がきて、「あーもー!」と声を上げると夜斗は玲央の身体をどかし、自身が上に乗る。「
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野良猫、昔話1

玲央は今日も1人で公園のベンチに座っていた。自分と同じくらいの児童は皆楽しそうに遊んでいる。「あぁ。いいなあぁ。僕も皆と遊びたい。」そんな気持ちがあっても"仲間に入れて"と言う事が出来ずにいた。そのため玲央はいつも通りベンチに座って本を読む。この時間に家に帰る気はおきない。早く帰っても誰もいない家の中で独りぼっちでいるだけだ。それなら公園で暇を通していたほうがいい。「ハァ。今日はもう帰るか......」玲央がそう言ってランドセルを背負うと、とある少年がぶつかってきた。「あ!悪ィ!ケガねぇか?!」 「だ、大丈夫......」その子供はよれよれの服を着ていて、背格好も玲央よりは低く、ガリガリであった。ちゃんと食べているのだろうか......。そんな心配が玲央の頭を過ったが、面倒事に関わると碌な事がない。そう言われて育ってきたため、そのままその場を去ろうとした。しかし、少年は玲央を逃がすまいとマシンガントークをしてきた。「なーなー。お前、いつもベンチで本読んでるだろ?なんで遊びに入ってこねぇの?皆で遊んだほうが楽しいぜ?」 「......僕の事見てたの?」 「おう!なんか楽しそうじゃないなぁって思いながら見てた。そうだ!お前、明日も来るだろう?」 「う、うん」少年はそう言いながら玲央に笑いかける。「オレ、毎日ここに来てんだ!だから一緒に遊ぼうぜ!!」 「え?いい、の?」 「当たり前だろ!それに公園に1人だけってつまんねぇじゃん?オレの友達もお前の事気にかけてたんだぜ?」少年の笑顔が夕日にさらされて眩しかった。「それじゃ、また明日!公園でな!!」 「う、うん!また明日!」そう言って玲央は少年と別れた。こんなに胸が高揚したのはいつぶりであろうか。明日がこんなに楽しみになるなんてもう来ないと思っていた。そうだ、彼の名前を聞いていなかった。明日、聞こう。あぁ、楽しみが増えていく。今日も静かな夕飯をとっていた時だった。父親が「玲央、ちょっといいか?」と声をかけて来た。「はい。なんでしょう父さん」 「お前には酷な話しだが、母さんと離婚する事になった」どうせそんな事だろうと思った。母は玲央の実母でないため、あまり可愛がられた記憶がない。よって離婚も悲しいと思う事はなかった。「お前からまた母親を奪ってしまってすまないな......」 「本当の
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野良猫、昔話2

今日も退屈な学校生活が終る。そしていつも通り公園へと足を運ぶ。すると、昨日の少年がブランコに乗ってボーっと空を眺めていた。しかし、こちらに気がつくと、パァっと表情を明るくして、こちらへと走ってくる。「よっ!やっぱり来てくれた!」 「約束したからね。......そういえば名乗ってなかったね。僕は京極 玲央。君は?」 「オレ?オレは天ヶ瀬 夜斗!皆はヨルって呼んでくる!だからお前もヨルって呼んでくれ!」そういうと、夜斗は玲央の手を掴みブランコへと戻った。そして、"どちらが高く漕げるかゲーム"を始める。玲央は高いのが得意ではないため、勝ち目のない勝負だった。案の定、夜斗の勝ち。「玲央、お前根性ねーな!もっと頑張って漕がないと!」 「高いの得意じゃないんだって......」 「それじゃあ、次は......」夜斗が次の遊びを考えていると、見慣れない顔の男児が近づいてきた。「おい!お前!ボロボロの格好してる癖にこの公園で遊んでんじゃねーよ!」 「あ?お前、見ない顔だな」 「今日からこっちに引っ越してきたんだよ!せっかくいい公園を見つけたと思ったのにお前みたいなビンボー人がいるとか!お前どっか行けよ!!」そう言うとその男児は夜斗を突き飛ばした。そして、次の狙いを玲央に定める。が、玲央の格好がきちんとした身なりであったため、仲間に入れようと声をかけて来た。「おい!お前はビンボーじゃなさそうだな?オレ達の仲間に入れてやるよ!」 「僕が?君たちみたいな野蛮な奴らの仲間に?冗談じゃないよ。ヨルに謝れ」 「何偉そうに......!!お前もぼこぼこにしてやるよ!」男児はそう言うと、玲央に殴りかかってきた。が、寸でのところで夜斗が男児に殴り返してやった。そしてそのままボコボコにした。「な、なんだよぉ......!痛ぇよぉ......」 「これはせーとーぼーえーだ!お前の方から殴りかかろうとしてきたんだからな!」夜斗がふんっと息をつくと男児とその取り巻きたちは逃げるように走り去っていった。そして、夜斗は玲央に手を差し伸べると、笑顔を向けてきた。「もう大丈夫だからな!」 「......まるでナイトみたいだったよ」 「ハハッ!じゃあ玲央は王子様だな!今度からオレが玲央を助けてやるよ!」そんなやり取りをしていると、夜斗の友達がわらわらと集まってきた。夜斗は
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野良猫、昔話3

それから季節が過ぎ、3月。夜斗は暗い面持ちでいつもの公園にたたずんでいた。手には卒業証書の入った筒。今日で最後のランドセル。夜斗は玲央が来るのを今か今かと待っていた。「ヨル!!お待たせ!卒業おめでとう!」 「......ありがとう、玲央。」 「中学生になるって事はもうここには......?」 「そうだな。もう来れない」玲央はショックを隠せないでいた。「ヨルは僕の神様だったのに......」 「神様?」 「僕に居場所をくれた!この公園に!......ホントにもう会えないの?」夜斗はじっと黙ったまま下を向いた。「ごめんな、玲央。もうオレは逃げられなくなっちゃったんだ」 「逃げる?何から......?」玲央が問うが夜斗は答えようとしない。むしろ、口を閉ざしてしまった。夜斗は玲央の頭にポンっと手をのせると、浮かない笑顔で優しく玲央に声をかけた「玲央。お前はもうオレがいなくても大丈夫だ。だから......オレの事はもう忘れて、幸せになってくれ。」 「ヨル?どういう事?ヨルがいないと幸せになんかなれないよ!」 「玲央......」夜斗は困った顔をしていた。そして、何かを言おうとしたその時だった。「夜斗!!」と呼ぶ男性の声が聞こえてきた。何やら怒っている様子だった。玲央は夜斗を見ると。顔は真っ青で、身体はガクガクと震えていた。「ヨル?あの人は......」 「ごめん!玲央!もうオレの事は忘れて!!じゃあな!」 「よ、ヨル?!」そういうと夜斗は走って男性の元へと行ってしまった。それから、何日も何日も公園に通ったが夜斗が現れる事は無かった。やがて、玲央も公園に行く事はなくなってしまった。しかし、夜斗の事を忘れた事は一度たりともなかった。それからというもの、玲央の日常はモノクロになってしまったようであった。そして、玲央は高校入学と同時に、父親の会社を手伝うようになり、そして、そのバイト代を使い探偵や興信所を使い夜斗の事を調べた。「......母親の浮気癖、父親からの性的虐待。現在は......行方不明、か。......こっちの報告書は......変わりなし、か」玲央は諦めがつかず、もう何年も何年も調査を続けた。気付けばもうアラサーとなっている。この報告書の情報が最後だ。これでダメなら諦めるしかない。ここは夜斗のよく来る酒場らしい。どうか今日こ
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野良猫、愛を与える

「まさか、あの時の子供がレオ?ごめん、オレあれから自分の生活にいっぱいいっぱいで......」「わかってる。勝手だけど調べさせてもらった。母親の浮気に、父親からの性的虐待。どちらも反吐が出る。中学を卒業してからは行方不明になっていて、調べても調べても出てこなかった」「それでも何年もかけて居場所を突き止めたんだ」そう言うと玲央は夜斗を抱きしめた。「最近になって、再会した路地裏の酒場で"ヨル"と名乗って男達の間を行ったり来たりしている"野良猫"がいると知ってね。ダメ元で行ったら、昔の面影のある君を見つけたんだ」「そうか......。そんなにオレの事探してくれてたのか。でもどうしてそこまでオレに執着したんだ?」夜斗は疑問を持つと玲央に問いただした。玲央は夜斗を見つめると、思い切り抱きしめた。「君は僕の色のない世界に色をくれた"神様"なんだ。きみが困っているなら助けたい。そう思う程に」「じゃあ、この部屋は......」「いつか君を見つけた時のために用意した家なんだ」玲央は夜斗を抱きしめたままベッドに身体を沈めた。玲央は自身の狂気的な愛には気づいている。しかし、このまま夜斗を手放す事はできなかった。「ヨル、いや夜斗。このままオレの物になってはくれないかい?」「玲央......。お前の事は嫌いじゃない。寧ろ好ましく思っている。でも、だからこそ、オレに縛られたらダメなんだよ......」「ダメなんかじゃない!!僕からもう夜斗をを奪わないでくれ......お願いだ。もう離れたくないんだ......」玲央の猛烈なアピールに夜斗はもう折れるしかないな。と思い、ため息をつく。それから夜斗は玲央の背に腕を回した。「!夜斗......?」「お前の気持ちはよく分かった。言ったもんな。"お前がオレをいらないと言うまで、お前のそばにいてやる。"って。その約束は守ってやるよ」夜斗は玲央の両頬に手を添えると静かに口づけをした。すると、玲央ははらはらと涙を流し始めた。玲央はその涙に自分でも驚いていた。「あ、あれ......?なんで僕泣いて......」「大丈夫。大丈夫だからな。もうそばから離れない」「夜斗......愛してる......」そう言うと、夜斗と玲央はそのまま身体を重ねた。玲央はいつも以上に、丁寧に愛撫する。そして身体の隅々まで手を、舌を這わせる。そし
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野良猫、嵐の前の恋模様

2人分の荒い息が部屋に響く。夜斗は玲央の身体を思い切り抱きしめたと同時に彼の口に深く熱い口づけを送る。玲央はそれに驚きながらも夜斗の口づけに応えるように舌を絡めた。「んン......ハァ......ン......」「や、と......愛してる......。もう僕のそばからいなくならないで......」「ハッ、心配性な飼い主様だ。安心しろ。男に二言はねぇよ」そう言うと、夜斗は玲央の頭をわしゃわしゃとかきまぜた。玲央はそれを気持ち良さそうに甘んじて受け入れる。これじゃあ、まるで犬の様だ。夜斗は「ふふっ。」と微笑むと、玲央の頬に手をそっと添える。「お前には愛してもらわなきゃならねぇな」「これ以上にないくらいでも愛すると誓うよ」「それはそうと......、もうあの報告書はいらねぇだろ?処分しろよ」夜斗はそういうが玲央は頑なに頷こうとしない。なんなんだ?と思っていると、玲央はおずおずと口を開いた。「......あれは、今まで夜斗に会えなかった分の記録だから捨てたくはない。お願い、夜斗。捨てるなんて言わないで......?」夜斗はすっかり玲央にほだされてしまって、玲央に見つめられると「ぐぅっ」と言葉につまる。自分でも気づかないうちに、夜斗は玲央の好意に応えたいと思うようになっていたようだ。「玲央。......遠くない未来、お前の気持ちに応えてやれるかもしれない」「!!本当かい?!」「だ、断定ではないけど......。お前のことは嫌いじゃない......と思う......」夜斗の言葉に玲央は感極まって再びベッドの上に夜斗の身体を沈めた。「ちょ......、オレもう無理だぞ?!」「そんなこと言わないで...?両想いになれるかもしれないと知って、この気持ちが抑えられるとは思わないだろう?」「お、落ち着け!ステイッ!!」夜斗の"待て"に大人しく聞く玲央に、夜斗は思わずキュンッとしてしまった。......なんなんだ、この気持ちは?思わず疑問に思っていると玲央が不思議そうに顔を覗き込んできた。「夜斗?どうかしたかい?」「い、いや!何でもない!そ、そうだ、風呂入ろうぜ?今日のお前激しくて汗かいたわ(笑)」「?じゃあお湯溜めてくるから待てて?」玲央はそう言うと浴室へと向かった。夜斗はドキドキする胸に思考が追い付かずにいた。まさか、これが恋?自分が誰
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野良猫、嵐到来

二人でジャグジーに浸かりながら、明日の事について話す。明日は土曜なので仕事が休み。そのため、夜斗の衣服や日用品を買いに行こうという話題になっていた。「でも、お前ここからオレを出す気ないんだろう?別に必要なくね?」「......デートがしたいという願いを叶えてはくれないのかい?」「で、デートって、お前......」夜斗は頬を紅潮させると、玲央から顔が見えないように下を向いた。しかし、その途端に玲央は夜斗の顔を両手で包み込み、自分へと向けさせる。「?夜斗?どうかしたのかい?顔が真っ赤だ。のぼせたかな...早く上がろう」「う、うん」自覚をするだけでこうも見え方が変わるものなのか。玲央がかっこよく見える。...もう好きなのではないか?と思ってしまうくらいに。「夜斗。今日はもう寝よう。明日に備えて、ね?」「あ、うん。じゃあ、おやすみ」そしてベッドにもぐりこむと、明日の"デート"が楽しみで仕方なくなった。"デート"...いつぶりであろうか。夜のお付き合いならいくらでもしたことはあるが、昼間のデートなんて、ヨウタと行って以来じゃないか?そんな事を考えていると、うとうととしてきて、やがて眠りにつく。明日のデートはどんなところへ連れて行ってくれるのか。遠足前の小学生の様な気持であった。「ヨル。こんなのはどうだい?」「オレには派手すぎる。それにもういいだろう?流石に買いすぎだ。」「ヨルが無頓着なだけだよ」「服なんて着れればそれでいいのに......」なんだか、懐かしいやり取りだ...。温かいやり取り。オレは彼に愛を教わった気がする。...彼は誰だ?一体この夢は...?朝日が差し込み、夜斗は目を覚ます。なんだか懐かしい夢を見た気がするが思い出せない。「夜斗!おはよう。朝ご飯できたから食べようか」「ンー。食べる......」夜斗はのそりとベッドから抜け出すと、玲央と共にダイニングへと向かう。「おはよう、夜斗」「んン......ハァ......お前朝っぱらから」「夜斗を見たらつい、ね」そして、二人揃いって朝食をとる。朝食後は洗い物をしたり、あさの支度をしたりと、忙しなかった。支度を全て済ませると、出かけるのに丁度いい時間になっていた。「夜斗。もう出れるかい?」「おう」そして二人は珍しく歩いて買い物へと向かう。たしかにここら辺はショップはた
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野良猫、三角関係

「ヨル?!ヨルだよね?!僕だよ!ヨウタだ!」「......久しぶり」「やっぱり......急に行方不明になるから、心配したんだ。無事でよかった」ヨウタがそう言いながら夜斗の頭に触れようとした。その時であった。玲央がその手を掴んだのだ。ヨウタは怪訝そうに玲央を見ると冷たい声で話しかけてきた。「貴方、なんなんですか?手出ししないでいただきたい。ヨル、やっと会えたんだ。偶然の様な必然に。さぁ。僕らの家に帰ろう?」「......ヨウタ。オレはもうお前の元には帰らない」「何故?この男と関係しているのかい?」ヨウタは玲央に冷たい視線を送る。しかし玲央はそれに屈することはない。夜斗の腕を引き自身の元へと引き寄せると優しく抱きしめた。「おあいにく様。夜斗は僕の"飼い猫"で"恋人"なんだ。貴方の出る幕はありません」「......それは本当かい?ヨル」「あぁ。オレは今こいつの所にいる。......自分の意思で」ヨウタは悔しそうに顔を歪めると、玲央に睨みをきかせた。「貴方、どこかで見た事あると思ったら、京極社の専務さんじゃありませんか。たしか......京極 玲央さん」「そうですが。それがなにか?」「僕の会社とも取引があるんですよ。これからが楽しみですね」「よ、ヨウタ......?」ヨウタは不敵な笑みを浮かべると、「それじゃあ、今日はこれで」と言って去って行った。夜斗は一体なんだったんだ?と疑問を持ち玲央を見る。すると、玲央は怖い顔をしてヨウタの去って行った方を睨みつけていた。「お、おい玲央?そんな怖い顔すんなよ。オレはちゃんとお前との約束を守るつもりだぜ?」「夜斗......すまない。少し動揺してしまったようだ。彼は一体?」「......オレが家出した時に拾ってもらって、色々面倒見てもらった人。いわゆる"最初の男"ってやつ」なるほど、と玲央は納得をした。彼が夜斗に技術を教え込んだ人間なのだと。だからと言って、おちおちと夜斗を手渡すわけがない。手放してなるものか。「夜斗、僕には君だけなんだ。君がいれば他に何もいらない......」「急にどうしたんだよ?随分と弱気だな、オレのご主人様は......っとうわぁ!」玲央は夜斗の腕を引き路地裏へと入る。そして夜斗を思い切り抱きしめると、深い口づけをしてきた。夜斗の口からは甘い吐息が喘ぎと共に漏れ出す
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