All Chapters of 彼女をNTRされ絶望して全てを終わらせようとした屋上で幼馴染に拾われた: Chapter 11 - Chapter 20

39 Chapters

第11話  望月先生と小雪さん

【佐山視点】 始業式の日から、ほのかの元カレ……確か夜霧湊だったか。 アイツが絶望してる姿をもっと見たかったのによ。 学校に来なくなっちまうんじゃ、意味ねぇじゃねぇかよ。 せっかく壊しがいのあるおもちゃを見つけたと思ったのに。「それにしても、夜霧が来ないのはわかるがなんで望月の方も学校に来てねぇんだよ」 なんだかイライラする。 望月先生ならなんか知ってんのか? いや、知っててもあいつは教えてくんねぇな。 公私はしっかりしてるタイプだって聞いたし。「チッ面白くねぇ。あの望月先生の妹を落として夜霧の野郎を更に絶望させたいってのによ」 俺に彼女を寝取られて、次は優しくしてくれた幼馴染を寝取る。 そうなったときにあいつがどんな顔をするのか未だに楽しみで仕方ねぇ。「佐山先輩! 監督が呼んでます」「今行く」 だが、そればっかりにかまけてるわけにはいかねぇ。 もう少しで、冬の全国大会の予選が始まるしな。 それで結果を残せばプロ入り間違いなしだ。 今でも色んなチームから声をかけられてる。 選べる選択肢は多い方がいいしな。「俺がいるこのチームが負けるわけねぇ。後は、どれだけ俺が目立つ立ち回りをするかだな」 所詮、うちのチームのメンバーなんかモブだ。 俺を引き立てるだけのただのモブ。 俺と言う天才を輝かせるためだけの、いわば薪みたいなもんだ。 せいぜいいい感じに燃えて欲しいもんだ。「おい、佐山。早く来いって。キャプテンのお前が来ないんじゃミーティング始めらんないだろうが」「うるせぇ。今行くとこだったんだよ。黙ってろ!」 同じ三年生の田淵に急かされる。 こいつは大した実力もないくせに、俺に指図をしてきて鬱陶しいことこの上ない。 こんなんだから、彼女の一人もできないんだ。【佐山視点終了】「おはよう湊。今日からこの教室で各先生方から授業を受けてもらう。君に不利益が出ないように調整してるつもりだけど、何か不便な事とかがあったらすぐに私に言ってくれ」「ありがとうございます。小雪さん。本当に何から何まで」「学校では望月先生だ。それと、謝る必要は無い。何度も言うけど、今回の虐め騒動をもっと早くに気づいて対応できなかった学校側に落ち度がある。君が責任を感じる必要は無い」「ありがとうございます」 一週間の待機時間を終えて、僕は久しぶ
last updateLast Updated : 2026-06-30
Read more

第12話 動き出す生徒会長

「ふぅ、午前の授業がやっと終わった。結構本気で疲れた」 今まで休んでいた分の一週間を取り戻すために、かなりハイペースで授業が進んでいくからついて行くだけでかなり疲れる。「……って、そう言えばお弁当持ってきてないな。完全に油断してた」 普段は自分で弁当を用意してたんだけど、最近が全く学校に行っていなかったこともあって完璧に忘れていた。 どうしようか。「購買にでも行けば、何か買えるんだろうけど」 悪い噂が学校中に流れている以上、あまり人目に着くような場所に行きたくない。 どんな悪意を向けられるかわからないし。 今日の朝だって、靴箱にゴミが詰め込まれていた。 始業式の日もわざわざ机に落書きをされていたくらいだ。「はぁ、今日はお昼抜いてもいいか」 昼を抜いても死ぬことは無いけど、購買に行って変な視線を集めて多くの人から悪口を言われたら確実に精神を蝕まれる。「生きにくいね」 こんなことなら家から本でも持ってくればよかったかな。 いや、明日からはちゃんと弁当を持ってこないと。 流石にお腹減ってるし。「湊くん、いる?」「日向? どうしたの?」 教室で考え事をしていると、包みを二つ持った日向が教室に入ってきた。 この教室の場所は小雪さんにでも聞いたのかな。 他の生徒にはあんまり知らされてないっぽいし。「いや、湊くんお弁当もってきてなかったでしょ。だから、持ってきたよ」「え!? 日向の手作り弁当?」「そうだけど、私に手作りじゃ不満?」「まさか、むしろ日向の手作り弁当が食べれて凄く嬉しいよ」 日向の料理の腕は知っている。 ここ最近は毎日日向と一緒に夕飯を作ったりしてるけど、この子は本当に手際が良い。 将来は絶対にいいお嫁さんになると思う。「そ、じゃあこの教室で一緒に食べよっか。あんまりこの教室の外には出たくないでしょ?」「うん。まだまだ僕の悪い噂は消えてないみたいだからね」「だよね。きっと、お姉ちゃんが何とかしてくれるから。それまでは私と一緒にお弁当食べよ?」「僕は日向と二人が嬉しいから全然いいよ」 どのみち、教室に居てもそんなに話し相手がいるわけでもない。 話せる相手と言えば、隆介と生徒会メンバーくらいだ。 だから、そこまで嫌なことは無いんだよね。 変な噂が流れていること以外は。「そ、そっか。うん。じゃあ、早速
last updateLast Updated : 2026-07-01
Read more

第13話 浮気女VS生徒会長

「そう言えば、湊くんって生徒会だったの?」「うん。一応広報だね」 うちの学校の生徒会は会長が他の役員を選定するタイプの生徒会で、生徒会長を目指すものはかなり多い。 神凪先輩はそんな選挙で圧倒的一位を獲得して、会長になった。「へぇ~生徒会の人は湊くんに何か酷いことしたりしてない?」「特に何もされてないと思うけど。どうして?」「いや、湊くんの味方は学校にどれくらいいるんだろうって思って」 生徒会は今の所、僕を庇う事もしていないし逆に糾弾することもしていない。 今の所は傍観している感じだな。 きっと、神凪会長の考え方的に事実かどうかわからない状態で動くのは悪手と判断したんだろう。 どこまでも理性的な人だ。「神凪会長はこういった事件だったら、個人的な感情に任せずに客観的に物事を判断するからね。僕が無実だってわかったら協力してくれるかも」「なるほど。凄く良い会長さんなんだ」「うん。いつも助けてもらってたよ」「学校にそう言うちゃんとした人がいて本当に良かった」 隣を歩く日向は可愛く笑いかけながらそう言う。 この子は本当に僕のことを自分の事みたいに思ってくれる。 本当にいい幼馴染を持ったものだ。「だね。早くこの事件が落ち着くと良いな」「だね。私も湊くんがちゃんと学校での立場を取り戻せるように、協力するから」「ありがとね。日向」 彼女の頭を撫でたくなる衝動を必死に抑えて、僕は日向と帰り道を歩く。 もう、学校からはそれなりに距離が離れているから僕のことを排斥するみたいな視線は感じない。「私はなにがあっても湊くんの味方だから。それだけは絶対に忘れないでね」「ありがとう。本当に」 日向がこうして、僕の味方で居てくれるから。 僕は腐らずに前を向いて歩んでいけるんだと思う。 本当に感謝しかない。【雫視点】「本当に厄介な事に巻き込まれたみたいだね。夜霧君は」「ですね。流石に、私たちの立場的に何の事情も聞かずにみなとっちの味方はできないですもんね」「本当にね。個人的な感情としては、彼の味方をしてやりたいんだが」 私の会長と言う立場的に、何の話も聞かないで彼の味方をすることはできない。 まずは錯綜している情報を精査して真実を見つけ出さないといけない。 彼が噂のようなことをする人だなんてこの生徒会で思っている奴はいないと思う。 
last updateLast Updated : 2026-07-02
Read more

第14話 湊と佐山への聞き込み開始

「久しぶりだね。夜霧君。元気にしてたかな?」「まあ、それなりに元気ではありましたけど。神凪会長はどうですか?」「私もそれなりに元気にやらせてもらっているよ。おっと、こんな無駄話をするためにここに呼び出したわけじゃなかったね」 神凪会長は一息ついてから真剣な眼差しで僕のことを見据えてくる。 生徒会の業務中に見せる顔は僕にとっては見慣れたものだ。 見た目とは異なって、彼女は凄く理知的な人だ。「その前に、君の隣に張り付いている凄く可愛い女の子は誰なのかな。一応、呼び出したのは夜霧君だけのはずなんだけど」「私は望月日向って言います。湊くんの幼馴染です」「そうなのかい?」「はい。僕が一番しんどい時に一緒に居てくれた子です。僕がここに呼ばれて不安になったらしくって。付き添ってくれてるんです」「なるほど。そういう事なら追い出すわけにも行かないね。一緒に話を聞いて行ってくれ」 神凪会長は日向の方を一瞥して笑顔でそう言ってから、僕の方に向き直る。 これから真剣な話が始まろうとしている感じがヒシヒシと伝わってきた。「まず、夜霧君。君が金島ほのかに暴力を振るったのは本当かい?」「やってませんね。僕は女性に暴力を振るうクズにはなりたくないので」 女性に暴力を振るう人間はクズだ。 僕はそう思っている。 昔から、両親に女性に暴力を振るうなと言われて育ってきたから僕に根付いた価値観だ。 何があっても女性に手を上げるようなことはしない。「ふむ。まあ、君のそういう所は知っている。だから、この噂は嘘だと思っているから安心してくれ」「ありがとうございます」「それを踏まえて聞くけど、浮気もしていないんだね?」「勿論です。そもそも、僕に浮気するような度胸なんてないですよ」 僕は誰かと付き合っていて、他の誰かに浮気を出来るほど心臓は強くない。 浮気をするなんて考えたこともなかった。「そうですよ。湊くんは凄く小心者なんです」「日向……それはフォローなのかな」「フォローだよ。それ以外の何物でもないでしょ」 ……フォローなのかなぁ。 結構考える余地がある。「おほん。じゃあ、夜霧君は浮気もしていなければ暴力も振るっていないと?」「はい。僕は噂で言われているような行為は全くしていません」「そうです! 湊くんがそう言うことをするはずがありません!」 日向
last updateLast Updated : 2026-07-03
Read more

第15話 私だけはなにがあっても味方だから

「湊、個別の授業はどうだ?」「おかげさまでめっちゃ助かってます。授業も凄くわかりやすくて。まあ、授業速度が速すぎる事だけがアレですけど」「それは仕方がないさ。一週間分の遅れを取り戻さないといけないからね。もう少ししたら授業スピードも落ち着くはずだよ」「ならいいんですけどね」 もう少しで落ち着くというのならありがたい。 正直、かなりしんどかったし。 わかりやすくはあるんだけど、どうしても吸収が追い付かない。「それはそうと、生徒会も今回の件についての介入を決めたらしいね。凄く心強い」「そうですね。神凪会長たちが力になってくれるんなら噂の払拭はかなり早い段階で済みそうですね」「それはどうかな。いくら彼女が優秀でも今回の噂は既に学内に広がりすぎている。長期戦になりそうだから心を病まないようにね」「大丈夫です。日向が隣に居てくれるので」 日向が隣に居てくれるだけで、自然と力が湧いてくるんだ。 だから、僕は折れずにいられる。 腐らずに、前を向いて一歩ずる歩いて行けるんだ。「そうか。それならいい。これからも学校で困ったことがあれば何でも相談してくれ。私は君の担任でもあるけど、昔から知っている姉代理みたいな存在でもあるんだからね」「はい。何かあったら遠慮なく相談させてもらいますね。何から何まで本当にありがとうございます。小雪さん」「良いって事さ。最近は日向と一緒にこの家の家事もしてくれてるらしいし。凄く助かってるよ」「居候させてもらってるんですから。それくらい当然ですよ」 夏休みが明けてからも、僕は小雪さんたちの家に泊めてもらっている。 自分の家は隣だから、帰ろうと思えばすぐに帰れるんだけど。 なんだか一人になると、とてつもない不安感を感じるんだ。「相変わらず君は謙虚だね。まあ、そこが君の美点かな」「ありがとうございます。それじゃあ、僕は部屋に戻りますね」「ああ。わざわざ部屋に呼んでわるかったね。おやすみ。湊」「おやすみなさい。小雪さん」 小雪さんに一礼をしてから、僕は彼女の部屋を後にする。 この部屋で暮らしてからまだ一ヶ月も経っていないのに、なんだか見慣れた景色になった。 物が増えたとか、そういうことは全くないんだけど。「そう言えば、父さんと母さんは元気にしてるのかな」 二人の事だから元気だとは思うけど。 あっちで仕事
last updateLast Updated : 2026-07-04
Read more

番外編1話 佐山の転落 

昔から、何かに苦労するという経験がなかった。 何かをすれば簡単に出来るようになるし、何もしなくても女の方から寄って来る。 そんな俺は高校一年の頃にある楽しみを見出した。 それは、他人が大切にしている女を奪う事。「はは、夜霧の顔は最高だったな」 夏休みに入ったときに見たあの時の顔は本当に最高だったぜ。 絶望に染まり切った顔でさ。 でも、それだけじゃあ物足りない。 もっともっと絶望してもらうためには、噂を広めるしかねぇな。 あいつが浮気したことにして何なら、暴力を振るったってことにしても良いかもしれないな。「さぁて。これからもっともっと絶望のどん底に落ちてもらおうか。俺はそれを見るのが最高に好きだからな」 ◇ 作戦は大方うまく行った。 何故か、一年の望月妹があいつに寄り添ってるのが気に食わないけど。 逆に言えば、あいつから望月妹も奪ってしまえば本当の意味での絶望を味わわせることが出来るかもしれない。「しかも、そうなったら望月妹も手に入る。一石二鳥とはまさにこの事だな」 今後の展開に胸を躍らせながら。これからどうやって望月妹を落とすかを考える。 あいつはかなりガードが堅いからどう行動するか慎重に考えねぇとな。 そう言えば、夜霧の件でこの前生徒会に呼び出されたな。 噂がかなり大事になったから、生徒会まで調査に参加したらしい。 慎重に動かねぇと俺がやったってことがバレかねないな。「佐山、ちょっといい?」「チッまた俺に用かよ。生徒会も暇なんだな」「そんなんじゃないよ~今回は聞き込みなんて生ぬるいもんじゃない。お前が犯人だってほぼ確定したから一度生徒会で拘束させてもらうよ。抵抗しても構わないけど、その場合はこっちも実力行使をさせてもらうかんね」「……は?」 一体どういうことだ? なんで俺が拘束されねぇといけないんだ。 何もへまをしていないはずだぞ?「言った通りだよ。言いたいことがあるなら生徒会室で会長と一緒に聞くから大人しくついてくるんだね」「水無月、てめぇ」 終始俺を見下してきながら、水無月は俺のことを生徒会室に連れて行く。 まだ大丈夫だ。 俺が噂を流した明確な証拠なんか出てくるわけないし、何よりも俺は直接的な虐めに参加してない。 虐めは正義感にかられた馬鹿が勝手にやっただけだ。 俺は関係ない。「はいはい、
last updateLast Updated : 2026-07-05
Read more

第16話 修羅場のちに婚約者

「さて、湊。まずはなんで私の可愛いひなちゃんと一緒に寝ていたのか。ここで八時間くらい説明してもらおうか?」「……八時間も説明したら、僕は学校に遅刻しちゃうし小雪さんも仕事に遅れてしまうのではないですか?」「ほう? ここまで来てうちのひなちゃんよりも学校が大切だと? もう、君を殺すしかないみたいだ。ちょっと待ってくれ。確か、キッチンに包丁が」「待ってください!? それは洒落にならないですって」 本気でキッチンに包丁を取りに行こうとする小雪さんを全力で止めて椅子に座らせる。 この人はシスコンだから本当に僕のことを殺しかねない。「まあ、冗談はさておいて。手は出してないだろうな?」「出してないですよ。ただ、小雪さんに言うか悩むんですけど……」「なんだ!? 言えないようなことをしたのか?」「そう言うわけじゃないですよ。ただ、一つ言っておきたいことがあって」 僕がそういうと、小雪さんは少しだけ訝しむかのような視線を僕に向けてくる。 これは学校での小雪さんの顔だ。 言ってしまえば、望月先生の顔。「なんだ?」「日向は少し、不安定なように見えます。なんでなのか。小雪さんは知っていますか?」 昨日、添い寝をした時に感じた違和感。 彼女はとても不安定だ。 見ていて危うさを感じる。 その原因を小雪さんは果たして知っているのだろうか? そもそも、どうしてあそこまで日向は不安定になってしまったのか。「……湊はひなちゃんから何も聞いていないのか?」「聞いてないですね。何かあるんですか?」「ああ。これを私の口からいうのはどうなのかと思うんだけどね。君に変な不安を与えるのも違うと思うから話すことにしよう」 それから小雪さんは僕の方を真剣に見つめてきて、静かに息を呑む。 空気が変わった。 そう錯覚するくらいに小雪さんは真剣な眼差しを僕に向けてくる。「日向は不安だったんだよ。夏休みの登校日のあの日。君がこの家に来て、眠ってから日向は泣いてたんだ。もう少しで湊が死んでしまっていたかもしれない。あと少し、屋上に行くのが遅かったらってね」「……そうなんですか?」 確かに、日向が来るのが後五分でも遅かったら僕はあのまま飛んでいたかもしれない。そして、僕と言う存在は永遠に消失していたかもしれない。 僕自身、あの時はそれを望んでいた。「そうだよ。日向はず
last updateLast Updated : 2026-07-06
Read more

第17話 日向に流れる悪い噂と神凪会長からの呼び出し

「まさか、安心させてくるって言って婚約者になっているとは思わなかったな」「一番安心させられるかなって思ったんですけど。不味かったですかね?」「いいや。回答としては最適解かもしれないね。くれぐれもひなちゃんを泣かせるような事はするんじゃないぞ」「わかってます。日向を悲しませるようなことをする気はないですから」 あの後、日向と婚約したことを小雪さんに打ち明けると凄く驚かれたけど。 それと同じくらいに祝福された。 本当に僕は周りの人間に恵まれてるな。 そんな事を心の底から思った。 ◇「えへへ。こうやって手を繋いで湊くんと一緒に歩くの凄く嬉しいな」「僕もだよ。流石にちょっと恥ずかしくはあるけどね」 登校中、僕たちは仲睦まじく歩いていた。 登校時間であるため、周囲にはうちの制服に身を包んだ男女たちが歩いている。 その視線は僕たちに集められており、少し居心地が悪かった。『なんで、DV野郎が望月さんと歩いてるんだ?』『もしかして、無理やり?』『いや、でも望月さん凄く笑顔だぞ? 今まで見たことが無いくらいの』『た、確かに』『じゃあ、男の趣味が悪いってことなのかな』 周囲ではヒソヒソと僕たちの方を見ながら何かを話している。 内容が聞こえてきて、正直いい気はしないけど。 でも、隣を歩く日向があまりにも幸せそうだから僕も周囲の陰口なんかどうでも良くなってしまう。「湊くんはさ、私のこと好き?」「もちろん。大好きだよ」 握っている手に力を込める。 すると、日向も手を握り返してくれる。 それだけで、さっきまでの不安感や不快感が無くなっていく。「じゃあ、私だけのことを見ててね」「もちろん。ちゃんと日向だけを見てるよ」 それに、今の僕たちは婚約者。 普通に考えて、僕が他の女の子に見向きをするのなんてありえない。 僕は既に日向にぞっこんだからね。「よろしい。今日のお昼にまたお弁当持っていくね」「ありがとう。凄く楽しみにしてるよ」 日向の手作り弁当がお昼に食べれるってだけで、この完全アウェーな学校でも俯かずに歩いて行ける。 さて、今日も個別授業頑張るか。【ほのか視点】 久しぶりに、湊を見た気がする。 そろそろよりを戻そうかなと考えていたんだけど、湊が他の女と歩いているのを見た。 しかも、凄く仲よさそうに手を繋いで。「意味
last updateLast Updated : 2026-07-07
Read more

第18話 佐山の終わりと日向の問題

【神凪視点】「さて、君が今回の夜霧君の噂の首謀者だね。佐山」 水無月に拘束された佐山は私を睨みつけてくる。 でも、全く脅威を感じない。 それはニコに武術の心得があるとわかっているからかもしれない。「一体なんの真似だ? これは」「なんのまねって、嘘の噂話を流して夜霧君を虐めた件に関する問題で君が糸を引いていたことが分かったからね。こうやって拘束したわけさ」「何の権限があって生徒会がそんなことしてんだよ!」「生徒会の権限だ。この学校は生徒の自主性を重んじる校風だから生徒会には絶大な権力を与えられている。だからこそ、この生徒会長と言う椅子を求めるの物が後を絶たないのだ」 この学校の生徒会と言うのは他の生徒とは比べ物にならないほどの責任が重い。 絶大な権力を与えられている私たちは、それと同じくらいの責任が伴っているのだ。「そうだよ~そう言うわけだから、私たちは生徒会の権限で今回の噂を調査し関係者を拘束した。ちなみに、このまま佐山が何も弁明ができないのなら君はこのまま先生たちの判断で処分が下るよ」 ニコが笑いながらそう付け足してくれる。 私達には生徒を直接裁く権利は流石に有していない。 だけど、問題を教師陣に報告し処罰を求めることはできるのだ。「ちょ、ちょっと待て!? 俺はあいつに何もしてない!」「嘘だな。お前が扇動して噂を流させた証拠は出てきている。バスケ部の連中を使ったこともな」「そんな証拠がどこに!?」「え~バスケ部の人たちに聞いたら簡単にゲロったよ? その録音データあるけど聞く?」 ニコが的確に佐山を追い詰めてくれる。 本当に優秀な子だ。 この子を生徒会に勧誘して本当に良かった。「なっ!?」「そういう事で、君はこれから職員会議で何らかの罰を受けるだろうけど。一つだけチャンスをあげようかな」「ちゃ、チャンス?」「今から夜霧君が来ます。彼に心から謝罪をすれば、今回の件は見逃します。先生方にも話を通します」 先生方も今回の件を調べているだろうけど、こちらが解決したと報告すればそれ以上は介入をしてこないだろうし。 いや、今回は望月先生が積極的に動いてるって話だったから、もしかしたら介入してくるかもしれないけど。 その場合は私の知ったことではないし、佐山の自業自得ね。「は!? 俺があんなゴミに何を謝るってんだよ!」「
last updateLast Updated : 2026-07-08
Read more

第19話 手を出す相手を間違えた

【佐山視点】 なんで、なんで俺がこんな目に遭わないといけないんだ。 俺みたいな選ばれた人間がどうして…… 訳が分からない。 俺のように優秀な人間がこんな風に終わるだなんて世界の損失だ。「おい、水無月。離せ!」「離すわけないじゃん。私は会長にお前を職員室に運ぶように言われたんだよ? 言われたことは遂行しないとさ」「いい加減にしろ!」「抵抗しても良いけど、制圧するよ? 手加減とかはしないからね」 こいつは女のくせに化け物みたいに力が強い。 いや、力が強いのもそうだが俺の動きを的確に封じてくる。 なんで俺がこんな目に遭わないといけないんだ。「うぐ……」「多分だけど、なんでこんな目にとか思ってるんだろうけど全部自業自得だからね?」「……」 自業自得? そんなわけがない。 俺は悪い事なんて何一つしていない。 ただ、あのカスの彼女を奪っただけだ。 噂を流すように仕向けはしたけど、それだけ。 虐めを直接したりしていないはずなのに。「あと、もう一つ言うんならね。手を出す相手を間違えたんだよ。お前は」「は?」 手を出す相手を間違えた? あんな何の力も才能もないカス。 そんな相手を貶めて何が悪いって言うんだ。「みなとっちは色んな人に優しい。彼に恩義を感じている人間はそれなりに多くいるんだよ。それは私だったり。会長だったりね」「なんだよ……それ」「なんだもクソもないよ。ただの純然たる事実。あとは、先生たちに処分を下してもらうといいよ。流石に生徒会にはそこまでの権限が無いからね」 水無月は俺を職員室に放り込んで、教員と何やら話した後に職員室から出て行った。 これから俺はどんな処分を受けるんだろうか。 退学? 停学? 退学はないだろ。俺みたいな才能を潰すような真似学校側はしないはずだ。「どうでもいい。絶対に俺はあのクソ野郎に復讐する。覚えておけよ。絶対にお前の幸せや生きがいを全部踏みにじってやるからな」 その決意を抱いてから俺は、教員たちに話をされるのだった。【佐山視点終了】「おかえり。てっきり湊くんの方が早く帰ってくると思ってたのに。何かあった?」「いや、ちょっと生徒会の人たちに呼び出されてさ。それで帰りが少し遅くなっただけ。連絡してなかったね。ごめん」「ううん。謝られるようなことじゃないよ。それに、私も今帰ってき
last updateLast Updated : 2026-07-09
Read more
PREV
1234
SCAN CODE TO READ ON APP
DMCA.com Protection Status