All Chapters of 彼女をNTRされ絶望して全てを終わらせようとした屋上で幼馴染に拾われた: Chapter 21 - Chapter 30

39 Chapters

第20話 汚名返上のための一手

「落ち着いた?」「おかげさまで。ごめんね。迷惑かけて」「迷惑なんかじゃないよ。むしろ頼ってもらって嬉しかったから」「ならよかったけど。湊くんって少し大人びた感じになった?」 あれから、しばらく抱き合った後に僕たちは隣り合ってリビングのソファーに座っていた。 この子は昔から、たまにあんな風にナイーブになることがある。 それを慰めるのもなんだか懐かしいような気がしなくもないし。「どうだろう。僕はそんな自覚はないんだけどね」「そうかな~結構大人びて見えるんだけど」「まあ、最近色んな経験をしたからね。そのせいで少し思考が成長したのかも?」 自分ではあまり自覚がない。 でも、言われてみればそうなのかもしれない。 いい経験じゃないのが残念なところだけど。「なるほど。確かに湊くん、この一ヶ月でいろんなことがあったしね」「だね。だけど、あんまり悪い気はしてないんだ」「それは、なんで?」「だって、あの経験があったおかげで僕はこうやって日向と一緒に居られるわけだし。僕にとってプラスマイナスで言ったらプラスなんだよ」 あのまま、ほのかと付き合っていたら。 いつか同じような結末になっていたかもしれない。 その時に僕はきっと一人だっただろう。「湊くんってそういう事凄く当たり前みたいに言うようよね」「本心だからね。僕はこうやって日向と一緒に居られて凄く幸せだよ」「あ、ありがと。えへへ」 日向は顔を赤らめながら、僕の肩に頭をのせてくれる。 ドキドキするけど、それ以上に安心感が湧き上がってくる。「どうする? もう少しくらいゆっくりしとく?」「いや、夕飯作ろっか。もう少ししたらお姉ちゃんも帰って来るだろうし」「わかった。じゃあ、準備しようか」 こうして、僕たちは夕飯を作り始める。 夕飯を作っている時には、先ほどのような表情の陰りも無くなっていて安心した。 でも、あんな風にいきなり不安になるという事は何かあったのだろうか? そんな事を考えながら、日向の隣で夕飯づくりに勤しむのだった。 ◇「最近はこの部屋で君と話すことが多いような気がするね」「ですね。何かあったんですか?」「ああ、今日佐山が職員室に連れてこられてね。彼が湊の虐めの首謀者であることが分かって追々処分を決めることになったんだよ」「そうですか」 あの後、本当に水無月先
last updateLast Updated : 2026-07-10
Read more

第21話 頭のおかしい元恋人

翌日、学校に登校してからすぐに僕たちは……というか全校生徒は体育館に集められていた。 あまりにも突然の招集に戸惑っている生徒が大多数いる中、僕はどんな話がされるのか。 その予想がついていた。「ええ~わざわざこんなに朝早くから呼び出してしまってすまない。今回君たちに集まってもらったのは、最近学校内で流れている噂の件に関してだ」 壇上に立った小雪さんがそう言うと、体育館内がざわつき始める。 みんな、何の話なのか即座に理解したのだろう。 そして、僕の方に一斉に視線が集まる。 ……あんまり注目を集めるのは好きじゃないんだけどな。「結論から先に言うが、あの噂は全てデマだ。首謀者の佐山要は一か月間の停学処分。関連した生徒も一週間の停学処分だ。そして、今回の件に協力をしたバスケ部は三か月の活動停止処分は下ることになった」 瞬間、ざわざわと体育館内が騒がしくなった。 きっと今回の件がデマだなんて、全く想像もしていなかったんだろう。 だからこその驚愕。「そう言うわけだ。みんな、今回の件を踏まえてちゃんと考えて欲しい。その噂の発生源がどこなのか。信憑性があるのか。ちゃんと考えて行動をして欲しい」 小雪さんは真剣に体育館にいる生徒全員に語り掛ける。 あまりの真剣具合に僕も息を呑んでしまうほどだった。「そうじゃないと、今後君たちは犯罪に巻き込まれるかもしれない。犯罪に巻き込まれるどころか、自分が加害者になってしまうかもしれない。そのことをちゃんと考えてこれからの学校生活を送ってほしい」 真剣に、僕たち生徒を見ながら小雪さんはそう言った。 本当にカッコいいな。 僕にもあんな風になれるかな。「いや、これからの努力次第か」 小雪さんは一礼をして、壇上を後にした。 その後は、今回の件に関しての総評的なことを校長先生がしていた。 体育館の中にいたみんなはその話にあまり身が入っていないように見える。「これから、僕ってどうなるんだろ?」 確かに、今回の件で悪い噂は払しょくできたと思う。 だけど、噂がなくなったからと言って元通りとは行かないだろう。 教室で僕に虐め行為をしなかった生徒たちも所詮は傍観者。 見て見ぬふりをしていたのだから。 ◇「と、こんな感じの決着になったわけだ。言いたい事はあるか?」「ないですね。そもそも学校側の判断ですし。僕と
last updateLast Updated : 2026-07-12
Read more

第22話 とんでもない元カノ

「私の恋人に何か用ですか?」 僕が呆然としてその場に立ち尽くしていると、その時一つの声が僕の耳朶を打った。 最近は常に聞いている声だけど、こういう状況で聞こえて来ると凄く安心感がある。 最愛の恋人の声。「だ、誰よあんた」「望月日向と申します。今は湊くんの恋人です。そう言うあなたは?」「わ、私は湊の元カノでこれから今カノになる金島ほのかです」「……」 自信満々にそんなことを言って胸を張るほのかに流石に絶句してしまう。 言葉が出ないとはこういう心境だったのかと。「……何を言ってるんですか? あなたは」 どうやら、日向もドン引きしているらしく顔が引きつっていた。 いや、気持ちはわかるけど。「湊はまだ私に未練があるの! だから、早く別れて」「悪いけど、ほのかが何を言ってるのかわからない。あと、日向と別れるつもりは全くないし、君ともう一回付き合うのなんて絶対にごめんだ」 あんな裏切り方をする人間ともう一回付き合いたいと言えるほど、僕はマゾじゃなかった。 日向とは一緒に居て幸せだし、なんの不満もない。 だけど、ほのかは違う。 今思えば、彼女は傲慢で常に我儘だった。 それに付き合うのも楽しかったと言えば楽しかったけど。 もう一度、あの生活をしたいとは到底思えない。「なっ!?」「僕はもう君のことが好きじゃない。一番大切なのは日向だ」 辛い時にいつも助けてくれる女の子。 隣にいると楽しくて、幸せになれる。 そんな子だ。「……湊くん」「な、何言ってるのよ!! 湊は私の彼氏でしょ!」「それは昔の話だ。今はもう君の恋人じゃない」 しっかりと断言する。 僕はもうすでに彼女の恋人じゃない。 今の僕は日向と恋人であり、婚約者だ。「そういう用件なら僕たちはもう行く。これ以上、僕と日向に関わらないでくれ」 これ以上この場に居たくなかった僕は、日向の手を引いてすぐに校舎を後にする。「大丈夫? 湊くん」「全然大丈夫だよ。日向が来てくれたから助かったよ」「ううん。むしろ、遅くなっちゃってごめんね」「そんなことないって。本当に助かった」 日向が来てくれなかったら、もう少し感情的になってしまっていたかもしれない。 感情的に動くのは時に良い事であり、時に悪い事だ。 さっきの場合で言えば、感情的に動くのは良くないことだったのだと思う
last updateLast Updated : 2026-07-13
Read more

第23話 ……あれから一ヶ月

「僕が立候補ですか?」「ああ。三年生が立候補できるわけでもないし。それに、君以外の見込みのある子はあんまりいないからね」「で、でも生徒会長選挙ってかなりの人数が立候補してませんでしたか?」 例年通りで言うのなら、会長立候補者は数人は居たはずだ。 今年はそれが無かったというのかな。「そりゃあ、あれよ。神凪会長が優秀過ぎて他のみんなが立候補したがらなかったんだよね~あはは」「笑い事じゃない気がするんですけど」「そうだぞニコ。本気で困ってるんだ。立候補者がいないんだから、生徒会を降りようにも降りれない」「でも、なんで僕なんですか? そんな目立った能力もないと思うんですけど」 凄く勉強が出来るわけでもないし、かといって頭がいいわけでもない。 そんな僕に生徒会長が務まるのだろうか?「いや、君は優秀だよ。書類仕事とか、いろんな部活の調整役をしてくれたりと。それに人柄もいいからね」「そうそう。私もみなとっちが会長なら安心して任せられるな~」「そう言われても……」「大丈夫。私が推薦責任者になろう。業務については君が良く理解しているだろうから問題ないとして」 神凪会長はふむふむと腕を組みながら何かを考えている。 こうなった会長は思考が終わるまで何を話しても反応してくれない。「ありゃ~会長思考モードに入っちゃったね。こりゃあ、しばらくかかりそ~」「ですね。何かしてます? お茶でも淹れましょうか?」「いいの? 悪いね~」「良いですって。何かしてないと僕も落ち着かないので」 僕は生徒会室に備え付けられている茶器を取り出して、水無月先輩と僕。それから神凪会長の分の紅茶を淹れる。 神凪会長は未だに思考を続けているらしく、何も反応を示さない。「むふ、やっぱりみなとっちの淹れてくれる紅茶はおいしいね~」「ありがとうございます。水無月先輩は相変わらず美味しそうに飲んでくれますね」「そりゃあ、本当に美味しいからね。にしても、大変だったねみなとっち」「まあ、はい。今はこうして普通の生活を出来ていますけどね」 最近は普通とは程遠い生活を送っていたからこそ、こんな風に生徒会室でゆっくり過ごす時間が貴重に感じてしまう。「みなとっちの幼馴染はどしたん? たしか最近付き合ったんでしょ?」「……なんでそんな事知ってるんですか」「そりゃ、私は色恋沙汰に詳し
last updateLast Updated : 2026-07-14
Read more

第24話 僕みたいな被害者を生み出さないために

「……それは中々にしんどい出来事だったんだね。すまない。気づいてやれなくて」「いえ、あんなのに気が付くなんて難しいと思っていますし。それに、おかげと言ってはなんですけど、日向とも出会えたので」「にしても、許せないね! みなとっちをそんな目に遭わせるなんて」「もう大丈夫ですよ。こうやって日常に戻ってこられることが出来ましたし。もう何とも思ってないです」 最初はショックが大きかったけど、今はそんなことは無い。 だって、僕は既に幸せだから。 少し前に味わった不幸なんて見ている暇なんかないんだ。 今は全力で日向と幸せになる。 それだけを考えて生活しているのだから。「やはり、夜霧くんは強いね。普通の人間はそう簡単に切り替えることはできないと思うんだが」「僕だって簡単に切り替えられたわけじゃないですよ。親友た日向の助けがあって何とか立ち直れたんですから」「みなとっちは本当に変わったね。なんだか、少し前よりも思考が大人びた感じがする」「ありがとうございます。それで、本当に僕を会長にするつもりですか?」「もちろん、無理強いする気はないよ。だけど、そうなってくれたら私たちは安心だというだけの話だ」 それはもう、僕に拒否権はないんじゃ…… まあ、神凪会長にはかなりお世話になっているし。 水無月先輩にもかなり助けられている。 だったら、先輩方に恩を返すためにも立候補するしかないか。「わかりました。じゃあ、立候補します」「思い切りがいいね~そういう所結構好きだよ」「ありがとうございます。それで、選挙っていつなんですか?」「今から約二か月後の十一月だ。選挙活動云々は私たちの方で何とかするから安心してくれ」「いや、先輩方も受験で忙しいでしょう。それくらいなら自分でもできますよ」 選挙活動はやったことが無いけど、神凪会長にある程度聞いたら出来るはず。 いや、流石に選挙活度を甘く考え過ぎかな。「いいよ。私の最後の仕事だ。それくらいはやらせてくれ。それに、受験に関してはそこまで心配はいらない」「なんでですか?」 そこまで焦らなくても、私は受かるだろうからね」 凄い自信だ。 でも、神凪会長の事だから確かに余裕そうではある。「会長は余裕でいいね~私はそこまで余裕はないよ~」「そう言うニコだって、大学は余裕だろう。大学に進学したら一緒に起業で
last updateLast Updated : 2026-07-15
Read more

第25話 順調な選挙活動

「そんなの勝手に決めちゃっていいの!?」「会長以外の役員は会長に選任権があるからね。僕が会長になったら日向と隆介は絶対に役員にするよ」「私、ちゃんと巻き込まれるんだ」「嫌って事なら無理には勧誘しないけど。僕は日向が隣にいてくれたら嬉しいかな」 これ以上、僕みたいな虐めの被害者を生まないためにも。 会長として何かをするんなら、僕は隣に日向がいて欲しいと思う。 日向がいれば、どんなしんどい事とか辛いことを乗り切れるような気がする。「そんな言い方されたら、断れないじゃん。わかった。湊くんが会長になったら、私が副会長になってあげる」「ありがとう。そう言ってもらえて凄くやる気が出てきたよ」「頑張って。凄く応援してるからね」 こうして、僕の選挙活動が始まった。 正直、右も左もわからないけど。 そこら辺は神凪会長や水無月先輩に助けてもらいながら進めていくことにしよう。 かといって、二人に任せっきりじゃなくて。 ちゃんと自分でも積極的に動いて行かないといけない。 ◇「か、神凪会長マジ凄いですね」「そんなことないさ。みんな君に多少な引け目を感じているんだろう」「だからってこんなに簡単に票を集めれるんですか?」 今日は選挙の中間発表日。 僕もそれなりに頑張ってきたと思うんだけど、それ以上に神凪会長の人望が凄すぎる。 僕の信用だとか、信頼だとかは全くなかったけど。「君の努力もみんなに認められてるのさ。最近はちゃんと真摯に選挙活動に取り組んでいるらしいじゃないか」「まあ、せっかく神凪会長にも力を貸してもらっているので。自分だけ何もしないだなんてことできないですよ」「君は相変わらず律儀だね。そういう所は好感が持てる」「それはありがとうございます。会長のおかげで中間発表一位を取ることができたわけですけど」「これからは普通にやって行けばいいよ。そもそも今回の選挙はほとんどお飾りみたいなものだからね。他の選挙者も勝てるとは思っていないさ」「それを僕に言うのはどうなんですかね……」 まあ、確かにそんな予感はしてたけど。 それはそうとして、僕はこれからどう動くべきか。「すまない。だけど、君は多分生徒会長になって何かやりたいことがあるんだろう?」「……なんでわかるんですか?」「最近の君は昔と違って少し怖い。だから何かの目的が出来たんじゃな
last updateLast Updated : 2026-07-16
Read more

第26話 神凪会長の狂気と湊の目的

【水無月視点】 「会長も本当に容赦がないね~」 「あら? 何のこと?」 「だって、会長でしょ? 他の選挙者を潰して回ってたのって」 「どうでしょうね。私はそんな事知らないわ」  会長は白々しく言ってのける。  この人は本当に怖い。  みなとっちを会長にするためとはいえ、他の選挙者を潰して回るとはさすがにドン引きだね。 「はぁ、そういうスタンスなのは構わないけど。なんでそこまでするの? みなとっちにそこまでするのはなんでなの~」 「私は、彼がこれからどんな学校を作っていくのかに興味がある。それに、彼の目的にもな」 「みなとっちの作る学校?」 「そう。彼は一度どん底に落ちた。それこそ、一度は自殺を選ぶほどに」  みなとっちは確かに自殺しようとした。  そう本人に聞いたことがある。 「だからこそ、みなとっちのこれからが気になると?」 「そうだね。一度どん底に落ちた人間は更に強くなる。私は彼がどれほど成長するのか。その可能性を見てみたいんだよ」  会長は何も悪びれずに言う。  本当に、純粋に彼の成長を見たいんだろう。  だからこそ、恐ろしい。  目的を果たすために手段を選ばない所とか。 「なるほどね~じゃあ、金島ほのかを放置しているのもそのせい?」 「放置? なんのことかな」 「みなとっちに調べて欲しいって言われてた彼女のことをなんでわざわざ放置したのかな~ってね」 「なに。簡単な話だよ。お姫様を助ける役割はナイト様の役割だ。それをするのは彼であるべきで私ではないからね」 「なるほどね~ありがと。聞きたい事は聞けたよ」 「ならよかった。それよりも、これからニコはどう動くつもりだい?」 「普通に残りの高校生活を謳歌するかにゃ~これと言ってやることもないしね」  今の私にそこまでやるべきことは無い。  選挙に関しても、会長がみなとっちについているなら出来ることも少ないだろうし。  みなとっちの悪い噂も少しずつ無くなってきてるし。  それも、会長が手を回してるのかもしれないけど。 「そうか。なんかあったら教えてくれ。相談でもなんでもいいぞ」 「うん。何かあったら相談させてもらうね~それじゃ」  生徒会室を出てから息をつく。  正直、最近の会長ちょっとこわいんよね~  何考えてるかわからないというかさ。 「でも
last updateLast Updated : 2026-07-17
Read more

第27話 勉強会と様子のおかしい日向

「湊く~ん、勉強教えて」「もちろん。でも、日向は勉強できるほうじゃなかったっけ?」「う~ん、出来る方ではあると思うけど。ほら、彼氏に教えてもらいたいというか。えへへ」 うん、凄く可愛い。 なんていうんだろ、見てるだけで凄く幸せになる。 守りたい笑顔っていうのはこういう事を言うんだろうな。「任せてくれ。僕もそこまで勉強がめちゃくちゃ得意ってわけじゃないけどさ」 高校一年の範囲の勉強であれば、僕でもある程度教えられる。 問題は、ちゃんとわかりやすく教えられるかと言う所ではあるんだけど。「嘘つかないでよ。湊くんめちゃくちゃ勉強できるじゃん」「そんなことないさ。学年順位だってそこまでいいわけじゃないしね」「何位だったの?」「学年で四位だよ。神凪会長とかと比べると全然だね」「……全然頭いいじゃん。めちゃくちゃすごいからね? 学年四位って」 僕以外の生徒会メンバーは大体、学年順位トップスリーには入っているから感覚が少し麻痺しているのかもしれない。「そうかな。ありがと。褒められると嬉しいな」「ううん。湊くんの実力だから。そう言うわけで勉強教えて!」「わかった。じゃあ、何の教科からやる? 苦手な奴をやったほうがいいよね」 今日は休日だし、一日中勉強に費やせる。 そろそろ期末テストも近づいてきているし。 中間テストは選挙活動とかも相まって、たくさん勉強とかはできなかった。 今回はちゃんと真面目に勉強をしよう。「う~ん、じゃあ国語系をお願いしてもいい? どうしても苦手でさ」「わかった。任せてくれ」 そうして、僕たちはテスト勉強を始める。 国語科目は僕の得意分野だし、十分に教えることが出来ると思う。「湊くんは国語が得意なの?」「うん。昔から本とかを読むのは好きだったからね。そのおかげもあってか、勉強はかなり得意になったんだよね。逆に日向は何で国語が苦手なんだ?」「う~ん、なんていうかね。読み取り手によって、答えが変わるからって言うか。絶対的な答えがないわけじゃん? それがかなり苦手なんだよね」「なるほど。確かに、そう言う点で言えば数学とか化学とかとは違うか」 理系の科目と違って、国語は曖昧な点が多いと僕は思う。 例えば、作者がこの時何を考えてこの物語を書いたか答えよ。 とか、そう言った問題は百パーセント確実な答えと言うもの
last updateLast Updated : 2026-07-21
Read more

第28話 日向の絶対的な味方と動き出す悪意

「最近私の変な噂が流れてるらしいんだよね」 「変な噂? 具体的にはどんな?」 「私が浮気してるだとか、遊び回ってるだとか。そんな根も葉もない噂だよ。もちろん浮気なんかしてないからね!」 「それはわかってるよ。そんな時間もないだろうし。日向はそんな不誠実なことをするような子じゃないってわかってるから」 日向は僕の膝の上で寝転がりながら、ポツリポツリと呟く。 多分、噂が流れている事に対して不安に思っているんじゃなくて僕が噂を聞いて勘違いすることを怖がってた感じなのかな? 「あ、ありがと」 顔を赤くして、日向は僕の目を見つめてくる。晴天の空のような澄んだ青色の瞳が向けられる。 やっぱり可愛いな。でも、こんなにも可愛い彼女を不安にさせるような噂を流した人間は許せない。 しかも、嘘の噂で貶めようとするのなんて。 「なんでそんな噂を流されてるのか、心当たりとかあったりする?」 「全然ないんだよね。何か悪い事をした覚えもないし。本当に謎」 「逆恨みとか、そう言う感じかもね。気にしても仕方ないし、小雪さんに相談して一旦放置するしかないか。歯がゆいな」 僕にもっと力があれば、こんな問題すぐに解決できるのに。 今の僕じゃ、何にもできない。何かを成すためにも早く生徒会に入らないと。 「だね。でも、こうやって湊くんが絶対的な味方だってわかって私は凄く安心したよ」 「勿論だよ。僕はなにがあっても日向の味方だ。それだけはこれから先どんなことがあっても変わらない」 「えへへ。ありがと。そう言ってもらえて、本当に、安心した」 「眠いなら少し寝てもいいよ。今日は頑張ったしね」 うとうとと眠そうに瞼をぱちぱちしている日向の頭を撫でる。 すると、嬉しそうに頬を綻ばせて少し経った後に規則的な寝息が聞こえてきた。 その姿はあまりにも可愛くて、天使のように見えた。 「おやすみ。日向。噂の件は絶対に僕が何とかするから。安心してくれ」 サラサラの頭を撫でながら、僕はそう決意する。 【ほのか視点】 「湊、生徒会選挙なんかに出てたんだ。ふふ、流石私の彼氏。副会長は私かな~」 そうなるためにも、湊を洗脳して自分の良いように動かしているあの泥棒猫をなんとかして排除しないといけない。 「噂くらいじゃ、湊の洗脳を解かないんだね。そっちがそのつもり
last updateLast Updated : 2026-07-22
Read more

第29話 違和感に行きつく湊と運命の出会い

「なぁ、湊」 「どうしたの? 隆介」 「お前ってマジで会長になる気なのか?」 「そりゃあ、立候補してるわけだしね」 「そうか。いや、でも案外あってるのかもな」 「案外って何だよ。失礼だな~」 僕が普通に教室で授業を受けるようになってからすでに一ヶ月くらいが経過している。最初の方はみんな僕とどう接すればいいのかと戸惑っていたけど。 今ではそんなことも無くなり、やっと普通の学校生活が戻ってきたと思えるようになった。これも日向のおかげだな。 「悪い悪い。でも、よかったよ。ちゃんと立ち直れてるみたいで」 「あの時は心配かけたね。ごめん」 「謝られるような事じゃねぇよ。で、会長になったらメンバーはどうするか決めてんのか?」 「もちろん。副会長が日向で何らかの役員に隆介を入れる事だけは確定してるな」 それ以外のメンバーについては何も考えてないけど、僕と同じようにこの学校から虐めを無くしたいと思っている人をメンバーに加えたい。 まあ、そんなのを考えるのはちゃんと当選してからになるんだけど。 「巻き込まれることが確定してる……だと?」 「もちろん。隆介が一緒に居てくれたら楽しい生徒会になりそうだしね」 「そんなんで、勝手に加入を決められるのはなんだか癪なんだがな」 「ダメか?」 「ダメじゃねぇよ。俺もお前らと生徒会やってみてぇし」 いつもみたいにニッコリと隆介は笑ってサムズアップしている。こいつと生徒会メンバーとして過ごせるように努力をするとしよう。 結果発表まであと一ヶ月。出来ることはあまり多くないかもしれないけど。 「ならよかった。僕が当選できるように応援してよ」 「当たり前だろ。俺達親友なんだからさ」 「それと、日向に流れてる噂を流してるのが誰か。知ってたりするか?」 「ああ、あの件か。悪いけど、まだわかっちゃいねぇんだ。悪いな」 「謝るような事じゃないでしょ。でも、わかったら教えてくれ」 一ヶ月経っても、神凪会長からの情報はわかっていない。神凪会長でもわからない程巧妙にやっているのか。 それとも、僕には伝えられない理由があるのか。それはわからないけど、本格的に自分でも調べ始めたほうが良い気がする。 「もちろんだ。何かわかったらすぐに教える」 「ありがとう。僕も少し自分で調べてみるよ」 何があった
last updateLast Updated : 2026-07-24
Read more
PREV
1234
SCAN CODE TO READ ON APP
DMCA.com Protection Status