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All Chapters of 不器用な言葉たちへ: Chapter 11 - Chapter 13

13 Chapters

第4話-② 連絡交換

 私たちが出会ったのは、そう──SNS上だった。私たちが同じアニメ界隈を好きになっていなければ、出会っていないともいえる。それだけ貴重な出会いだったと、今も思う。 気が付いたら彼を追ってて、一緒に通話をする仲になって、楽しくて──。 また話したいなっていう気持ちが溢れては消えていった。それを伝えるのはなかなか難しかったけど、通話に誘うと来てくれるのが嬉しかった。 だからSNSは、私たちにとって出会いの場だった。私は消したくなかったから残してたけど、彼は消えてしまった。遠くに行ってしまった。話せない。もう話せないんだ。 それがどれだけ悲しくたって我慢しなきゃ。だって、彼を見つけても本アカじゃなくて、息抜きの為のアカウントであれば見れるかもしれない。って思ったんだけど、全然見つからない。 本当に消えてしまったんだ。どうしよう。 雪菜さんに連絡して、そして、そして……。ええっと、どうすれば? 息をするのも苦しくなってきた。何度も何度も呼吸を整えながら、私は雪菜さんにメッセージを送る。『いないです。全部消えてました』『本当に? あの子が使いそうなアカウントも?』『無かったです』『マジかぁ』 残念そうな言葉に、私も胸の中にぽかんと穴が開いているような感じがした。本当にいなくなってしまったんだと、私は強く後悔した。 もっと楽しく会話していたらよかったのかな。でも、喧嘩ばっかしていたから、仲直りどころじゃなかったんだもん。どうすればいいんだろう。本当に。『じゃあ、携帯会社に連絡してみるとか……』『でも、営業時間は過ぎてたし』『営業時間が過ぎてるタイミングで出ていったんですか?』『そういうこと』『ええ……? じゃあ、本当にどこに行ったのか分からないじゃないですか』『そうなんだよねぇ。困った弟だよ』 本当に困っているようなのか、即座に連絡が入る。それが心地いい。 伊都とは違う。でも、伊都がいなくなったから雪菜さんと連絡が取れるんだ。複雑だなぁ。 すると、突然、着信音が鳴った。相手は雪菜さんからだ。『もしもし、理桜ちゃん?』「雪菜さん、その、そちらのお母さんとお父さんは……?」『ああ、こっちは全然だよ。それより、理桜ちゃんと一緒に来てほしいところがあったのよ』「来てほしいところ?」『そう』 雪菜さんは一息ついてから、話を続ける。
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第5話-① 記憶を書き起こす

 バラバラの記憶を、パズルのピースを合わせていくように、私は小説に書き残していくことにした。机に着席して、新しく買ったパソコンの前で文字を打ち始める。 まずは、そうだなぁ。私たちが告白した時の話を──。 ────── 付き合う半年前。「今日もカラオケ行かねぇ?」「ええ? またぁ?」 キャッキャッと騒いでいる若者をかき分けるように、私はとある人を探していた。 ネットで知り合った人の──伊都だ。彼とは同じ界隈の、オタ活アカウントで知り合った。話していくうちに打ち解けていって、どこかで会いませんかという話まで飛躍したのだ。 そんなこんなで、伊都が『一緒に夏祭りで花火が見たい』と言ってくれた。嬉しかったので、即了解を出した。 別に付き合っていない。付き合う予定もない。なのに、周りからは『お似合い』の言葉が飛び交ってしまった。特に親とか友達とか。 とても迷惑だと言ったけど、私はなぜか悪い気はしなかった。その意味は分かっていなかった。だって今は、伊都に夢中だから。「あの、伊都さん、ですよね?」「は、はいっ」 聞き慣れた低い声。敬語が取れない感じ。伊都本人だと直感した。「えっと、理桜さん、ですよね。俺の我儘を聞いてくれて、ありがとうございます」「もう、堅苦しいなぁ。大丈夫だよ、タメ口で」「悪いです。俺はこのままでいいので……」「うん、そっか。君がそれでいいなら、いいよ。行こっか」 私は伊都の手を引くような形で、夏祭りへ飛び入り参加をした。 こうやって誰かと遊びに行くなんて、私の人生の中では全くなかったから、嬉しかった。その分、自分なんかで楽しいのかなって考えちゃうこともあった。 ちらりと後ろを見ると、伊都は申し訳なさそうに手を引っ張られながら、顔を赤くしていた。(なんだ、可愛いとこもあるじゃん?) ふふっと笑みがこぼれてしまった私は、調子に乗って、いろんな出店《でみせ》をまわった。 これはどう?とか、美味しい?とか聞いてみた。そしたら、緊張が解れてきたのか、少しずつ笑顔が増えていった伊都。 じゃがバターを買った私たちは、近くにあったベンチに並んで座る。箸で簡単にほぐれてしまうジャガイモと熱さで少し溶けているバターに、見るだけでおいしさが伝わってきた。 ジャガイモに箸を通すと、ほろほろと零れていく。そのタイミングで口に運ぶと、優し
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第5話-② 記憶を書き起こす

 印象的に残っているのは、この時だ。 付き合って三カ月経つ頃に、私たちは再会した。久しぶりの胸の高鳴りに、私の恋心は加速していった。 ──────……「俺の事、どう思ってる?」 最初に聞かれた質問は、伊都《いと》自身のことだった。 付き合い始めて、まだ半年。お互いに社会人だからか、会える時間は限られている。数時間だけ、ちょっとだけっていうのもある。 電車で何時間もかけて会うことは、いつもの日課だった。 そんな時、彼からの突然の質問に、私は少し首を傾げて、えーっとねと一言加えながら返事をする。「大好きだよ」「そうじゃなくて」「え?」 真剣な眼差しを向けられると、伊都になんていう言葉をかければいいか分からなくなった。「俺の事、本当の意味でどう思ってる?」「本当の意味で?」「うん」 難しい質問をするなぁ。うーん、どうだろ。 考え込むのも変だけど、ちゃんとした答えを出したくて、首を傾げて考え込んだ。「別に考え込むほどじゃないのに」「だって、不真面目な返事はしたくないじゃん」「そりゃそうだけど」 伊都は少しだけ眉間にしわを寄せながらも、私の話を聞こうと体を向けた。 その姿を見た私も、体を伊都のほうへ向ける。「私はね、伊都のね、真剣に物事に取り組む姿が好き。上手くいかない時、私に話を聞いてってしてくるとこも好き。元気になったらニコニコしてピースするのも好き。でも、なんやかんやで私との時間も大事にしてくれるとこも好き」「当たり前だろ。俺は理桜の彼氏だぞ」「ふふ、そうね」 ふんすっと得意げにする伊都が可愛くて、思わず微笑んでしまう。 不安だったのかな。たまにそういうとこもあるよね。不安がって質問攻めしてくるとこもある。でも、悪い気はしない。だってそれが必要な事だと分かっているから。 すると、伊都はなにも言わずに手を広げてきた。何をしてるんだろうと考えていると、不機嫌になって「ぎゅーってしねえの?」って聞いてきた。 か、可愛い……。いいんですかぁ、私で? なんて思いながら、私は「し、失礼しまぁす」と言いながら、彼の腕の中に包まれた。「捕まえたっ」「ズルくない? 伊都からおいでってしたじゃん」「引っかかるほうが悪いじゃん?」「うわぁ、性格わるぅ」 そう言いながら、二人で「わははっ」と笑いあった。 ある程度、笑いあう
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