ベナード・レイズ。 その名が囁かれるだけで、敵は恐怖に慄いた。スラムの孤児から這い上がり、戦場で王国一の勇猛かつ残酷な戦士となった男。彼には、ほぼ互角の腕前を持つ友がいた。ベナードが黄金の大剣を振るうのに対し、その友は同じく名高い白銀の槍を操った。 ベナードは体格が良く、人並外れて大柄だった。対する友は彼よりは背が低いものの、一般的な人々よりは高く、引き締まったしなやかな体つきをしていた。その友の名はルーカス・ソースホーン。貴族の出であったが、気取ったところは一切なかった。飾らない誠実でまっすぐな人柄と佇まい――それこそが、ベナードが彼に惹かれた理由だった。しかしある時、王国の辺境に位置する、とある街で問題が発生しているようだった。どこからともなく複数の悪魔が現れ、誰がより早く平らげるかを競い合いながら、街の住人たちを貪り喰っているという噂が流れた。悪魔たちにとって、無力な人々のみじめな命など、足元の砂粒ほどの価値すらなかったのだ。この噂を耳にしたベナードは即座に国王のもとへ赴き、王の威光を穢す無礼な悪魔の頭領の首を刎ねる許可を求めた。悪魔たちは元々、かつて追放された荒野の深淵(アビス)に生息していた。通常であれば結界が張られており、下級の悪魔ですら人間界へ足を踏み入れることはできないはずだった。 にもかかわらずヴィルヴェイルの街で惨劇を引き起こしているということは、深淵からその街へ直接つながる転送門(ポータル)が存在するに違いなかった。ベナードには直感があった。何者かがそれを起動したか、自らの手で生み出したのだと。彼は誓った。悪魔の頭領を倒した暁には、そもそもこの侵略を引き起こした過ちの主を突き止め、街の中央広場で逆さ吊りにし、全裸にして市民たちに心ゆくまで鞭打たせてやる、と。もし息絶えたならば、その死体は空の鳥に喰わせ、骨は乾燥させて粉々に砕き、牛の糞と混ぜ合わせてどこかの畑の肥やしにしてやるのだ。フレデリック・アンバート国王はこの戦士の言葉に満足し、即座に思い通りにするよう勅令を下した。ベナードの友であるルーカスも同行した。彼もまた、あの悪魔の統治者を八つ裂きにしてやりたかったのだ。二人は王国で最も脚の速い名馬に跨がり、どちらが早く到着するかを競い合いながら、渦中の街へと急いだ。丸二日近く走り続け、ついにその遠方の街へとたどり着
Última actualización : 2026-08-21 Leer más