本屋まで歩けば、顔の熱さはだいぶ引いていた。欲しい本を探すということで初めは私の趣味の方に付き合ってくれた。「あ、これ続きが出てる」「美少女探偵ステラ……?」 横から覗き込んでタイトル読み上げるライオネル殿下にはっとした。ついうきうきで乙女がよく読むコーナーに彼を連れて来てしまった。ファッション雑誌とかはないにしろ文芸や劇場系の本のところに行くんだった。「女性に人気の本なんです。大丈夫です、レオは中身を知らなくても大丈夫です」「そこまで言われると逆に気になるがな」「恋愛の創作話ですよ。レオは武道の指南書とかそういうのでしょう、読むの」 小説を読むとしてもさすがに乙女向きのがっちり恋愛の話を読むとは思えない。案の定恋愛の創作話で興味は失せたようでそれ以上中身については触れてこない。「たしかに、こういう本が置いてあるところは初めて来たかもしれない」「でしょうね。あ、これ持ってるとお母様に没収されるので黙っておいてくださいね」 もう開き直って続刊を買うことにしよう。と、手を伸ばせばライオネル殿下が先に本を一冊手に取る。「買うんだろ。俺が持つ」「わ、わかりました……では、レオはどんな本買います?」 大丈夫、中身は興味ないって、ただ淑女の荷物を持ってくれただけ。私は話題を変えようと、今度はレオの買う本のコーナーへ移動しようと促す。「ああ、観光がまとまってる本があるそうだ。それを見てみたい」 レオに手を引かれて、観光の本を探す。「どうして観光の本なのでしょう? 情勢をそこから読み解くとか?」「何言ってんだ。デート中に仕事の本を買いに来てどうする」 観光用の本がいくつか集まっている場所で、ライオネル殿下はペラペラと本を見ながら応える。 じゃあ、私用ってことよね? 美味しいものが食べたいとか? 社交として劇場……これは仕事になるかしら。「……次は俺がデートのプランを立てたいからな」 もんもんと考えていたら、ライオネル
Terakhir Diperbarui : 2026-08-28 Baca selengkapnya