Semua Bab 五角関係が世界を滅ぼす!? 恋愛経験ゼロの私、エセ占い師になって恋愛を正す!: Bab 131 - Bab 140

144 Bab

130話 デートコースは本屋

 本屋まで歩けば、顔の熱さはだいぶ引いていた。欲しい本を探すということで初めは私の趣味の方に付き合ってくれた。「あ、これ続きが出てる」「美少女探偵ステラ……?」 横から覗き込んでタイトル読み上げるライオネル殿下にはっとした。ついうきうきで乙女がよく読むコーナーに彼を連れて来てしまった。ファッション雑誌とかはないにしろ文芸や劇場系の本のところに行くんだった。「女性に人気の本なんです。大丈夫です、レオは中身を知らなくても大丈夫です」「そこまで言われると逆に気になるがな」「恋愛の創作話ですよ。レオは武道の指南書とかそういうのでしょう、読むの」 小説を読むとしてもさすがに乙女向きのがっちり恋愛の話を読むとは思えない。案の定恋愛の創作話で興味は失せたようでそれ以上中身については触れてこない。「たしかに、こういう本が置いてあるところは初めて来たかもしれない」「でしょうね。あ、これ持ってるとお母様に没収されるので黙っておいてくださいね」 もう開き直って続刊を買うことにしよう。と、手を伸ばせばライオネル殿下が先に本を一冊手に取る。「買うんだろ。俺が持つ」「わ、わかりました……では、レオはどんな本買います?」 大丈夫、中身は興味ないって、ただ淑女の荷物を持ってくれただけ。私は話題を変えようと、今度はレオの買う本のコーナーへ移動しようと促す。「ああ、観光がまとまってる本があるそうだ。それを見てみたい」 レオに手を引かれて、観光の本を探す。「どうして観光の本なのでしょう? 情勢をそこから読み解くとか?」「何言ってんだ。デート中に仕事の本を買いに来てどうする」 観光用の本がいくつか集まっている場所で、ライオネル殿下はペラペラと本を見ながら応える。 じゃあ、私用ってことよね? 美味しいものが食べたいとか? 社交として劇場……これは仕事になるかしら。「……次は俺がデートのプランを立てたいからな」 もんもんと考えていたら、ライオネル
last updateTerakhir Diperbarui : 2026-08-28
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131話 無邪気な笑顔

 本屋を出ると、騒がしく賑わった声が少し遠くからする。人が集まって、何かしているようだ。「なにかしら?」「どうやら、腕相撲をしてるみたいだな」 気になって近づいてみれば、ライオネル殿下がその騒ぎの中心を指さす。樽の上で二人が腕相撲をしている。どうやら、周囲に客寄せをするイベントのようだ。 ライオネル殿下は楽しそうにその様子を見ている。やってみたいのかな?「挑戦してきます?」「いいのか?」 嬉しそうにこっちを見てくる彼。やっぱりやってみたかったみたい。声かけてよかった。「はい、時間もありますし、私も見てみたいです」 そう言えば、ライオネル殿下に手を引かれて賑わっている中央辺りまで連れて行かれる。イベント主催であろう人物と話がついて、ライオネル殿下が樽の前に立つ。「あんちゃん、彼女に良いとこ見せたいのかよ~!」「そうなるな、手加減してくれると助かる」 野次にも余裕で返す姿はカッコ良かった。彼女と肯定されただけで、すでに心臓の音が早くなってるので、こちらが手加減していただきたい。「くう~、全力で八倒すわ!」 相手は手加減する気はないようだ。けど、その試合はあっさりとライオネル殿下が勝った。商品を受け取ってから、こちらに戻ってくる。「見たか、ミラ!」 いつもと違って、にこにこと無邪気に笑いながら、興奮しているようで頬はほんのり赤い。ちょっと可愛いと思う。そして、この笑顔はどこかで見たことがあった。「その痣、地図みたいでかっこいいな!」 そう言って笑った幼い男の子。その影とライオネル殿下の笑顔が被る。そして、台詞が、映像が頭の中を駆け巡った。この感覚は覚えがある、過去を思い出している、その感覚だ。
last updateTerakhir Diperbarui : 2026-08-29
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132話 全部、全部思いだした!

 記憶の場所は庭園の一部。裏庭のような草木が整えられてる場所に二人で横並びに座っている。「レオ、あたしレオみたいな、獅子の赤い目をした髪飾りがほしい」 隣に座ってる男の子に、あたしは口を尖らせながら言った。 すぐに別の場面で、男の子は少し大きくなっていた。場所は同じ庭園だ。「レオは、あたしとデートしたいの? それならね、あたし、ここから行けないとこ行ってみたい! あれくれ者とかばったばったと倒したり、酒屋で飲んだくれてみたりしたい」「ミラは令嬢には見えないね。でも、そういうとこ好き。荒くれ者は俺が倒すんだから!」 男の子は立ち上がって、パンチしたりキックをしたりして、倒すんだと張り切っている。あたしも負けずに立ち上がった。「あたしには無理だっていうの!?」「じゃあ、一緒に倒す?」 その一言で嬉しくなって、私も男の子もにこにこと笑顔になる。「それいいね。デートはあたしがプラン立ててあげる。その次はレオよ?」「うん。とびっきり面白いプラン考えてやるよ!」「あたしもよ!」 場面は変わる。目の前にさらに大きくなった男の子。煌びやかなパーティは窓の中。子供用のオシャレな服を着て、二人で中庭に立っている。 窓とは反対の方で噴水の音が聞こえる。男の子がこちらを向く。金髪に赤い目、ライオネル殿下の面影がはっきりとわかる。真剣な表情であたしを見ている。「ミラ、俺の婚約者になって――」 その言葉を聞き終わらないうちに私を横から衝撃が襲った。「貴女なんか第二王子にふさわしくないわ!!」 甲高い叫び声と赤い髪が視界に入るも、私は押された勢いのまま噴水に落っこちた。頭を強く打った。 腕を引っ張られて、引っ張ってくれた彼を見て、私は「誰?」と口にする。 全部、全部思いだした!
last updateTerakhir Diperbarui : 2026-08-30
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133話 甘いものが好き

「ミラ……?」 不思議そうに私を見るライオネル殿下に意識を呼び戻される。「嬢ちゃん彼氏頑張ったんだから誉めてやれよ~」なんて野次が聞こえた。思いだしてた時間はそれほど経っていないようだ。「勝って良かった、格好良かったです!」 昔の記憶をとりあえず端に避け、笑みを浮かべてライオネル殿下に言葉を返した。 すぐに昔そっくりな笑顔になって、調子良さそうに「だろー」と応えてくれる。上手く誤魔化せたようだ。 今、胸がずきずきする。レオは、過去の私のことが好きなんだ。って思ってしまって。「ミラが行きたがってたカフェの無料チケットを選んできたぞ」「わぁ、ちょうどいいですね! カフェ行きましょう」 褒めろと言わんばかりに胸を張るので、ちょっとおかしかった。胸の痛さは隠して、私はライオネル殿下の手を取った。今、隣にいるのはあたしじゃない、私。今日を楽しまないと。 ちょっと遅めなせいかカフェは空席が多かった。端の方のテーブルに座る。私もライオネル殿下もチケットでケーキを、追加で飲み物を頼んだ。 思い出した記憶の中で、私と彼はとても仲が良かった。まだ幼さ故の無敵感と前世の記憶を持ち合わせたあたしは、今とは違って活発的だった。だからこそ、仲が良くて婚約者になってほしいと言われたのだ。彼は、昔のあたしが好き。「……ミラ、調子悪いのか?」 どうしても思考の海に潜ってしまう私に、ライオネル殿下は心配そうに聞いてくる。昔のあたしだったらなんて答えてたのかな。きっと――「美味しそうなメニューだったからどんな味がするのか楽しみで、考え込んでしまっただけですよ」 務めて明るく答えてみせた。ライオネル殿下の眉がぴくりと動いて、探るように見つめられる。急に態度を変えるのはあれだったかな。「こほん……ちょっと緊張してたので疲れただけです。甘いものを食べれば元気でますよ」 言い直せば、ライオネル殿下はほっとしたような表情になる。「そうか……ミラは甘いもの好きなのか?」「好きですよ」
last updateTerakhir Diperbarui : 2026-08-31
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134話 食べてみるか?

 話していれば、店員が私の前にチョコレートケーキと紅茶、ライオネル殿下の前にチーズケーキとコーヒーを置いて行った。さっそく食べ始める。「美味しい。チョコが濃厚だわ」「こっちも美味い。酸味と甘さがちょうどいい」 そういえばお茶を淹れたりはしたけど、面と向かって甘いものを食べたのは初めてかもしれない。しかもそういう時は、計画やら報告ばかりだったし、こんな風に笑いあって食べるなんて不思議な気分。さっきまでの萎れた気持ちはなくなっていた。 ライオネル殿下はさすが、きちっとして気品がある食べ方をしていた。でも、どことなく甘いものを食べてる姿は子どもっぽくて、微笑ましい。「食べてみるか?」 じっと見てたのを物欲しそうに見てたと勘違いされたみたい。 自然にフォークでこっちに向けてくるんだけど。戸惑ってライオネル殿下とスプーンを交互に見るけど、彼は首を傾げるだけ。手を降ろす様子はないし、視線が突き刺さってくるので、私は仕方なくおずおずと口をつけた。「どうだ?」「美味しいです……」 自然にやってるところを見ると、慣れているようだ。なんだか私だけが恥ずかしがって負けてるみたいで悔しい。 こうなったら対抗してやるんだからっ。 私はチョコケーキを同じようにスプーンに乗せて差し出す。ライオネル殿下は瞠目してから、口元を抑えて視線を横にずらす。人にやってた行為がどういうことかわかったようで、多少耳が赤くなってる。「すまない、妹や弟たちにしてるようにしてしまった」「私の気持ち味わってください」 手が震えて来たので、にこっと笑って私は強要する。私だけ恥ずかしい思いをするのは許さない。それにデートなのだから、それっぽいことやってもいいでしょう。という半ば投げやりな気持ちのまま私は手を下げない。 腕が辛いので早くしてほしい。と思っていれば、ライオネル殿下はやっとスプーンからチョコケーキを食べてくれた。「甘……苦い……」 それはチョコレートケーキの感想なのか、今の空気の感想なのか。顔を伏せているので、さ
last updateTerakhir Diperbarui : 2026-09-01
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135話 ミラが好きだ

 ケイティのお店でパンを買っていれば、もう夕方になっていた。これでデートもお終いだ。噴水前まで手を繋ぎながら歩く。他愛ない会話、手を繋ぐ体温、どれも惜しいと思った。 朝待ち合わせをした噴水前に到着して、自然と手は離した。寒いはずもないのに、手は冷たさを感じていた。「今日は楽しかったです!」「俺もだ」 本当にデートしたみたいで嬉しかった。でも、ライオネル殿下は昔仲が良かったからよくしてくれてるだけだと、記憶を取り戻した今はわかる。過去、彼はあたしが、あたしが彼を好きだった。でも、私はもう幼いあたしではないし、辺境伯の引きこもり令嬢だ。だから、この思い出だけで十分なの。 でも、足はそれがイヤだと言うみたいに動こうとしなかった。もう、お別れの時間なのに。「ミシェル……」 名前を呼ばれた。さようならを言われてしまう。服をぎゅっと握りこんだ。顔は上げられない。だって、例え今日の別れの言葉だとわかっていても、あんまりに楽しい時間過ぎて「さようなら」と言われただけで泣いてしまいそうなのだ。「ミシェル、顔をあげてほしい」 優しい声色で言われて、私はおずおずと顔をあげた。夕方の光を浴びて、金色の髪は綺麗なオレンジ色に光っていて、赤い目はさらに爛々と輝いていた。ああ、好きだな。 ライオネル殿下はそっと私の手をとって、真っ直ぐに見てくる。「……正式に婚約者になってほしい」 真剣な低い声に、背筋がぞくっとした。聞き間違いかしら? 頭が、理解できなくてエラーを吐いてる。なんて言ったの? 今。「記憶を無くしてても、それでもミシェルがミラが好きだ」 きゅっと下唇を噛んでしまう。あの萎んだ気持ちがまた膨れ上がる。嘘、貴方が好きなのは私じゃない。幼いあたしが貴方の話を聞いて、一緒に遊んで、語って笑いあって、だから好きだったんでしょ? 私、わかってる。「……好きなのは幼いあたしでしょう?」 声が震えた。私は取られた手を振りほどいた。
last updateTerakhir Diperbarui : 2026-09-02
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136話 俺はお前に二度恋をした

「……好きなのは幼いあたしでしょう?」 声が震えた。私は取られた手を振りほどいた。「だって、今日のデートは、全部、幼いあたしと約束したことばっかりじゃないっ!」 叫んだ。心が悲鳴を上げていて、どうにも繕えない。目頭が熱くなって、感情が止まらない。「思いだしたのか?」 目を見開いて私を見る。そう思いだしたの全部。嬉しいでしょう? でも、私は、幼いあたしに嫉妬してしまってどうしようもない。惨めで、苦しい。「…………私のが好きなのに」「ミシェル?」「幼いあたしより、私の方がレオのこと好きだから!」 幼い子どもみたいだ。感情が制御できなかった。頬を伝う涙を温かい手が拭ってくれる。ライオネル殿下が、レオが屈んで私に視線を合わせる。「俺は今のお前も好きだ」「うっ……嘘。だって私何も可愛いことしてないもん」「頑張ってるミシェルは可愛いし、口答えしてくるミシェルと話してると素で話せて楽だ」「でも、昔のあたしが好きでしょ!?」 宥めようとしてくれてるのはわかる。でも、どうしてもしこりが取れない。過去のあたしに勝てない。どうしようもない敗北感。「俺はお前に二度恋をした」 ライオネル殿下はゆっくりとはっきりと伝えてる。その言葉は私の心を揺さぶるのは十分で、私もじっとその赤い瞳を見つめ返した。 あたしと私に恋をしてくれたと、その言葉にさっきまでのもやは嘘のように落ち着きを見せた。期待が、込み上げる。「ミシェルに隣にいてほしい」 涙が止まらなかった。ここに居ていいのだと、私のままでいいのだと言ってくれたような気がして、ほっとした。安堵して、嬉しさが込み上げてくる。 慰めるように抱きしめてくれたから、私もぎゅうっとレオの服を掴んだ。「…………」 レオは幼い頃のあたしの時も、痣を受け入れてくれて居場所を作ってくれた。学院でだって生徒会に入れてくれて私の居場所を作って
last updateTerakhir Diperbarui : 2026-09-03
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137話 報告会―ミシェル

 私は、アウレリア様の部屋へと突撃した。相談した時に、失敗したら慰めてあげるとデート後は異国の文化と称したパジャマパーティーをすることになったのだ。だから、アウレリア様のメイドに寝間着に着替えさせられた後、アウレリア様の部屋へと赴いた。 部屋に入ると二人がベッド横にあるソファの方へ手招きしてくれる。「ミシェル! おかえりなさい、デートはどうだった?」 私が座ると、開口一番、アウレリア様から報告を要求された。何から話したらいいのかしら。でもちゃんと報告しなきゃいけないわよね。プロポーズ……受けたって。「うぅ……正式に婚約者になりました」 言葉にすると恥ずかしくて、顔を覆ってしまった。「きゃー、やるじゃないミシェル!」「ライオネル殿下が、その告白してくれて……」「やっぱりライオネル殿下もミシェル様のこと好きだったんですね」 アウレリア様とケイティが嬉しそうに笑ってくれる。それで、ほっとして肩の力が降りた。涙腺が緩む。「びっくりしたの」 私なんて眼中にないと思ってたのに。髪飾りをもらえただけで良かったのに。「ふふ、想いが通じ合って良かったわね」「……嬉しかったです」 自然と表情が緩んだ。二人も目元を緩めて笑ってくれる。「次は、アウレリア様の番ですからね?」「うっ……ミシェルが頑張ったんだもの、わたくしだって頑張るわよ」 アウレリア様はふんっと鼻を鳴らして胸を逸らした。目的も達成できて何よりだ。「あ、じゃあ今日行った場所についてお話しますね――」 その後、私たちは夜遅くまでたくさん話した。 次はアウレリア様の番。日程はさほど離れていないし、またアウレリア様の家でパジャマパーティという名の報告会をする予定だ。
last updateTerakhir Diperbarui : 2026-09-04
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138話 愛称

 あの日から、久しぶりにライオネル殿下にお会いする。というのも、しばらく学院をライオネル殿下が休んでいたからだ。今日から復学というわけ。 朝の待ち合わせに、いつも通りの顔で挨拶を交わす。平常心、平常心。と思ったのに、ライオネル殿下はごく自然な動作で私の手を握った。びくっとしたけど、顔を見るとダメか? と眉尻が下がってて、可愛かったので許してしまう。 そのまま登校して、席を隣に座る。大して他の人は気にしなかったみたいで内心ほっとしていた。「それで、アウレリアの方はどうだ?」「今度デートするそうです」「また尾行するのか?」 そっか、ライオネル殿下には私がしょっちゅう尾行してるように映ってるのね。でも、今回は別に大きな目的もないし、成功したか失敗したかはその日アウレリア様から報告を受けることになるから、尾行はしなくても良いのよね。「いいえ、今回はアウレリア様とデートの日の夜に報告会をするのでしません」「そうか」 ほっと息を吐くライオネル殿下。まあ、ことごとく覗き見をして見つかってるものね。やりたくないよね。「次の日にライオネル殿下にも報告しますね」「ああ」 話が終わったと思ったら、ライオネル殿下が顔を近づけてきた。何か言い忘れでもあったのかしら? 人に聞かれたらまずい? そう思って私も身を傾ける。「レオって呼んでもいいんだぞ」 小声で言われた言葉に、ささやかれた方の耳抑える。 何を言いたいのかと思えばっ! みんなの前で呼べるわけないじゃないっ。「そ、それはまだ、心の準備がっ」 慌てて小声で対応する。うーんと指を顎に当てながら考え込むライオネル殿下。まだ何か言うつもりかしら。次の衝撃に備えて手にぎゅっと力が入る。「俺はミラって呼んでいいか?」 おずおずと言った伺うような仕草に、ぐっと息を飲んだ。呼ぶのも呼ばれるのもまだ待ってほしい。でも、二度もお願いを断れるのは心苦しい。 二回目のお願いにぐらつきながらも、私はなんとか取り下げてもらえるように言葉を紡ぐ。「で、でもっ……いきなり愛称で呼び合った
last updateTerakhir Diperbarui : 2026-09-05
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139話 報告会―アウレリア

 ライオネル殿下と二人きりになることもなく、アウレリア様のデートの日はやってきた。私とケイティはアウレリア様の部屋で待たせてもらっている。 速足の音が近づいてきて、扉が開かれる。「二人とも!」 甲高い声とともに、体に衝撃を感じた。アウレリア様が私とケイティに抱き着いてきたのだ。「アウレリア様!?」 アウレリア様に半分抱き着かれたケイティが大きな声をあげる。アウレリア様は顔をあげた。目元が少し赤く、頬は紅潮していたけど、表情は満面の笑みだったから肩から力が抜ける。「ふふ、ふふ、二人のおかげよ! こんなに嬉しいことはないわ!」「成功したんですね」 舞い上がってるアウレリア様は私たちから離れると、くるりと一回りしてみせる。「デートも楽しかったし、あのね、あいつにね言わせてやったの」 令嬢とは思えない仁王立ちをして胸を張るアウレリア様。よほどうれしかったのか、興奮を隠さずに話しを続ける。「アウレリアを連れ去るって!」 ぱっと両手を広げて大げさに表現してみせる様子は、本当に嬉しかったのだろうことがわかる。よかったな。とほんわかした。「きゃー、かっこいい!」「ですわよねー!」 ケイティがノッテくれるとアウレリア様は嬉しそうに彼女の手を取った。これほど興奮したアウレリア様は見たことがない。「やっと、言ってくれたの!」 念願だったのだと言い募る。本当に今まで我慢していた分が噴き出たようだ。「それにね、愛してるって……言ってくれて……」 今度は顔を赤くして頬を抑えながら恥ずかしそうに話す。そうして表情をくるくると変えながら、アウレリア様は話をいくつもしてくれた。
last updateTerakhir Diperbarui : 2026-09-06
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