Tous les chapitres de : Chapitre 61 - Chapitre 63

63

番外編 永遠の陽だまり

 桜が散って新緑が顔を出し、少しずつ暖かくなる5月。この頃になるとふと子供の頃を、思い出すんだ。 ――大好きだったばあちゃんのこと。 子供の頃、俺は泣き虫だった。 そんな俺をばあちゃんは、いつも優しく抱きしめてくれた。 変な百面相をしながら、笑わせてくれた。「泣きたい時は、泣いていいんだよ」「我慢する必要はない」 優しく微笑む。「…だけど、俺は男だし」 グッと拳を握る。 そう言うとばあちゃんは俺の手を握って「男の子だって泣いたらいい」 そっと俺の目に溜まった涙を拭いながら、頭に触れる。「我慢するとな?」「我慢すると…?」 ばあちゃんを見つめる。「顔が水ぶくれになるー!」 自分の顔を左右に伸ばしながら、脅かすようにばあちゃんが言う。「なにそれー?それは嫌だー」 泣いてたのが嘘のように笑みが溢れた。 ふふっと笑いながら、ばあちゃんは続ける。「でも…」「誰かを守るために、泣くのを我慢する姿はカッコいいかもしれないね」「そういう男になるんだよ」 頭をポンポンと叩く。「それって、じいちゃんのことー?」 何気に聞いてみる。 ばあちゃんは少し照れくさそうに笑った。 それから5年後―― 突然の出来事だった。 昨日まで話していたのに、急な訃報。 笑ってる顔しか思い出せない。 信じられなくて、ただ走った。無我夢中で。 間違いであってほしいと願いながら―― 家に着くと、何だか空気が重い。 自分の家ではないような感覚。 母さんも、父さんも、じいちゃんですら何も言わない。暗い空気の中、押し黙っている。 目の前の布団に横たわるばあちゃん。 顔に血色がない。 ただ眠ってるだけで、今にも目を開けそうなのに―― そっとばあちゃんの頬に触れる。「……っ!?」 冷たい。 硬い。 まるで人形のように、動かない。 何とも言えない感情が押し寄せてくる。 気づくと涙が溢れていた。 どうしようもなく、悲しくて… 気づけば、母さんも、父さんも泣いている。 いつも飄々としているじいちゃんも、声を押し殺して泣いている。 その姿が、余計に俺に現実を突きつけてくる。 ふとばあちゃんの言葉が頭を巡る。「大好きな自慢の孫だよ」「泣くとブッサイクだねー」「紫音のお嫁さんが見たいねぇ……」「人に優しく、困ってる人を助け
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第61話 謎の会社

〜ログチーside〜「とにかく大地と合流しなきゃ!今日は大地を独りにしたらダメだから、シルバーの家に連行しよう!力づくでも!」 分身が元気よく頷く。「うん!大地くん助ける!」(フンスッ) ログチーが頭を抱えながら呟く。「…シルバーはそんな話し方しない!」「でもぉ……」「でももだってもない!顔もなんか情けないし!」 分身はしゅんと肩を落とす。「とりあえず眉間にシワ寄せて、不機嫌そうな顔してよ!」「う、うん!」 分身は頑張って険しい顔を作る。「よし!それ!それだよ!」 その時、大地がこっちに向かって白石と歩いてくる。「あ!大地だ!」 ログチーは分身の肩に飛び乗った。「オレが言葉を伝えるから、お前はそのまま同じことをシルバーっぽく言え!」 振り向いた大地が目を丸くする。「紫音?」 隣にいた白石も小さく呟く。「黒川くん…」 分身がログチーに言われるがまま話す。「おい大地、ちょっと顔貸せ」「は?」 大地が眉をひそめる。「俺、白石送る途中なんだけど」 白石は慌てて手を振った。「だ、大丈夫だよ?私、家はもうそこだし」 道の先を指差す。「長瀬くん、今日はありがとう……」 そう言って軽く頭を下げ、白石は走って去っていく。残されて、名残惜しそうな大地。 大地はため息をつきながら、呆れたようにこちらを向く。「…何なんだよ、邪魔しやがって…」 下を向きながらブツブツ話す大地。「いいから!今から俺と来い」「は?何言ってんだ?」「来い!」 珍しく強引な紫音に、大地は首を傾げた。「……お前、なんか変だぞ?」 ログチーは焦る。(やべっ!) 背中に貼り付いていたログチーは思わず分身の肩を噛んだ。「いっ!」 分身は再び不機嫌そうな顔を作る。「とにかく、俺の家に来い!」「はぁ?ま…いいけど、さ」 渋々ながら大地は了承した。 紫音の家。「…た、ただいま」(キリッ)  由紀子がリビングかは顔を出す。「おかえり紫音。…あら、大地くんも」「こんばんは、おばさん」 大地は軽く頭を下げる。 由紀子は二人を見ながら首を傾げた。「平日なのに珍しいわね。どうしたの?」 分身は少しだけ間を置いてから答える。「…き、今日、大地泊まるから!」「え?俺、泊まるん?」   大地が分身を見る。 分身は眉間に皺をよせな
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第62話 シルバー絶体絶命!?

 Kurokawa-Project …… 思わず息を呑む。 黒川……俺と同じ苗字。これは偶然か? いや、黒川なんて苗字は珍しくない。  ブラックカンパニーの社長がたまたま同じ苗字なだけ……「キミ、どうした?」 樹さんの声で、我に戻る。「……いや」 そう答えたその時、 ……カツン。 静まり返ったフロアに音が響く。 俺と樹さんは同時に顔を上げた。 ビルの奥。 暗闇の向こうから、ゆっくりと足音が近付いてくる。 カツ、カツ、カツ…… 迷いなく向かってくる足音。 まるで最初から俺たちの場所を知っているみたいに。 嫌な予感がした。俺は反射的にUSBケースを見た。 ケースの裏側。小さな赤いランプが点滅している。「発信機……!」 親指ほどの黒いチップ。 俺はチェーンの先端を引っ掛け、一気に引き剥がし、足で踏みつけた。 バチッ!と火花が散り、赤いランプが消えた。 樹さんの顔が青ざめる。「まさか……追跡されていたのか!?」「……多分な」 背中に嫌な汗が伝う。足音は近くまで来ている。さて、どうする? 樹さんを見る。手が震えて顔が青ざめている。「樹さん」「え?」「今すぐ逃げろ」「なっ!?」「情報を持ってるのはアンタだ。捕まったら全部終わる」「でもキミは!」「いいから行け!」 そう叫んだ瞬間だった。 バンッ!! 奥の扉が吹き飛ぶ。 舞い上がる埃。その中から現れたのは、黒いスーツ、無機質な白い仮面、そして、銀色の銃。「対象を確認」 低い声が響く。 男の銃口が真っ直ぐこちらを向いた。「USBの回収を開始」 冷たい声。 人間というより機械みたいな喋り方。樹さんが息を呑む。俺は一歩前に出た。「樹さん、走れ!!」 男の指が引き金にかかる。 その瞬間、心臓の鼓動が大きく跳ねた。視界が妙に鮮明になる。 男の肩、腕、指、脚、全ての動きが見える。(右に撃ってくる!?) そう感じた瞬間、身体が勝手に動く。 パンッ!! 銃声が響く。俺は床を転がるように飛び退いた。弾丸がさっきまでいた場所を貫く。「……何だ?行動が見える」 いや、弾丸が見えたわけじゃない。 男が撃つ前の動きが妙にはっきりしている。まるでそこだけ時間が遅くなったみたいに。「シルバー!」「何やってんだ!早く行け!」「でも!」「いいか
last updateDernière mise à jour : 2026-09-22
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