銀の怪盗は真夜中に覚醒する의 모든 챕터: 챕터 21 - 챕터 30

73 챕터

第21話 噛み合わない歯車

翌朝——  スマホのアラームがうるさく鳴り響く。  布団の中から手を伸ばし、スマホを寝ぼけながら探す。  手に触れたスマホのアラームを切り、目をこすりながら画面を見る。  時刻は7:02。 「……眠ぃ」  思わず口から言葉が漏れる。  今日は土曜日だけど、中川のおっさんに取り戻したUSBを届けないとな……。 「……ふぅ」  眠い目をこすりながらベッドから起き上がる。  が、それと同時に全身に痛みが走った。 「いってぇー!」  思わず声に出る。 「シルバー、うるさい……」  時計からログチーの声が聞こえる。 「仕方ねぇだろ! 昨日はそれほどでもなかったのに、今日はめちゃくちゃ身体が痛ぇんだから」 「アドレナリンでも出てたんじゃない?」  ログチーが眠そうな声で答える。  ログチーの言葉を無視し、腰を押さえながら ゆっくりと階段を降りる。 「おはよう紫音、休みなのに早いわね」 「……ふわぁ……はよー」  欠伸をしながら答える。  父さんもじいちゃんもまだ寝てるのか、リビングには母さんしかいない。  身体の痛みに耐えながらそろそろと椅子に座る。  テーブルに置かれたトーストをかじりながら母さんに話しかける。 「今日ちょっと出かけてくる」 「夜ご飯は?」  何かの下ごしらえをしながら母さんが返す。 「金欠だし、家で食べる」 「えっ?」 「ん? なんだよ?」  何が疑問なのかわからず首を傾げる。 「あら? あらあらあらあら?」  母さんがニヤニヤしながら近づいてくる。 「な、なんだよ、その顔」 (絶対変なこと考えてそうだな) 「……あれね、昨日使いすぎたのね?」 (デートで奢ってあげたのね!) 「……ん? まあ、たしかに身体は使ったなぁ。腰が痛ぇし」 (打ち身に、スタンガン、筋肉痛……) 「……身体? 腰? やだぁ紫音……意外と肉食なのね」 (お赤飯炊かなきゃ!!)  母さんは何故か照れている。 「何の話だよ?」  怪訝な顔で返す。 「ふふっ! お母さんわかってるから!」 「だから何をだよ?」 「紫音!最初が肝心なんだからね?」  引き出しから出した何かを手に握らせてくる。 「最初? たしかにまあ一応成功したけど?」 「紫音、ついに卒業したのね?」 「は? 卒業? まだ先だ
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第22話 11月8日、朝の再会

 昨日の夜ではなく、11月8日の朝を強くイメージする。  朝は大概眠い……じゃなくて、8日の朝って何があったっけ? たしかSNSの話してた日だ。  頼む! 上手くいってくれ……。  視界が歪み、足元の感覚が少しずつ薄れていった。 「……ルバー」 「シルバーってば!」  心配そうにログチーが叫んでいる。  目をうっすら開けると、日差しが入ってきてとても眩しい。 「シルバー大丈夫? 時間酔いしてない?」 「あ、ああ……」 「だいぶ身体が慣れてきたんだね、良かった!」  俺は日差しを手で遮りながら、スマホで時間を確認する。  11月8日8時20分。 「……戻ってる!」  思わず立ち上がると、足がマントに引っかかり前に倒れた。 「……いたたた」 「シルバー、かっこ悪っ」  ログチーがニヤっと笑う。 「ぐっ……う、うるせぇ!」  埃をサッと払い、立ち上がる。 「ログチー、とりあえず今日着てた服に変えてくれよ……。これじゃあ目立って仕方ないし」 「仕方ないなぁ」  ブツブツ言いながらログチーは俺の服装を変える。  黒い帽子、黒縁眼鏡、白パーカーに黒いアウター、黒いパンツに銀のチェーンがついている。 「チェーンは別にいらねぇんだけど?」 「もう! 文句ばっかり言わないでよ!」  ほっぺたを膨らましながら怒っている。 「まあ、いっか」  小さくため息をつき、ポツリと呟いた。  屋上からエレベーターで12階に降りる。  時刻は8時25分。  会社のドアが見えるところに隠れ、中川を待つことにした。  目の前を何人かが通り過ぎて行くが中川は見当たらない。 「うーん、社長なだけに重役出勤ってやつか? 知らんけど」 「シルバー、また何バカなこと言ってるの?」  ふと視線を上げると目の前を中川が通り過ぎた。 「いた!」  慌ててその背中を追いかける。 「中川さん!!」  中川がゆっくり振り返る。 「……ん? キミは?」 「あの、えーっと、その……中川さんに渡したい物があって……」  上手く言えずしどろもどろになる。  中川が優しく微笑む。 「よくわからんが中で話そうか?」  ……もしかして不審者と思われてる? 中に入ったら捕まる……とかないよな? 「何をしてるんだ? こっちだ入ってくれ」  中川が言う
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第23話 未来への軌道修正?

 中川のオフィスを後にし、再度屋上に向かった。  セントラルビル屋上。まだ時間が早いのか人の気配は全くない。  再度自分のポケットを確かめてみるけれど、やっぱりUSBは見つからなかった。 「……一体どこでなくしたんだろう? ここにも落ちてないし」  屋上のコンクリートに座り込む。    ログチーはキョトンとしながら言う。 「役目が終わったから、消えちゃったんじゃないのかな?」 「消えた? 役目も何もあれは……ん?」  そもそもUSBのデータが外部に漏れなければ、中川が悩む必要もない。三谷をやっつけたからUSBを持ち出せていない。それを俺が持ってても意味がないから? ん? わかんねぇな。 「シルバーは未来を変えたんだよ! 未来への軌道修正みたいなやつ」 「軌道修正ね……」 「まあ、あまり過去に干渉するのはオススメしないけど」 「なんでだ?」 「上手く言えないけど世界線がバグるみたいな? それにシルバーの身体にも影響あったら嫌だしさぁ」 「筋肉痛とかか?」 「そんなもので済むならいいけど、キミの能力はまだ不安定なんだからね! 特に今回何も起きなかったけど、カードが干渉したり、水でバグったりするし」  ログチーが興奮気味に話す。 「わかってるよ」  俺は視線を空に向け、ポツリと答えた。  ログチーは俺をチラッと見て呟いた。 「色んなことが重なった結果……なのかもね」 「……軌道修正、か」  独り言のように呟く。 「中川のおっさんが生きてた」 「俺たちがやったことは……無駄じゃなかったんだよな?」 「筋肉痛になった甲斐もあるよね、シルバー」  ログチーがクスクスと笑う。  つられて俺も笑った。 「でもさ、シルバー」 「ん?」 「あれだけ苦労したのに、助けられた本人は全く覚えてないのは寂しいよね」 「別に、それはどうでもいい」 「欲がないよね、シルバー」  屋上からの景色を眺める。初めてのミッションは、全然決まらなかったけど……誰かを救えたんだと思うと胸が熱くなった。  空に向かって、大きく伸びをする。 「気持ちいいー」  ログチーが俺を呼ぶ。 「……シルバー」 「……なんだよ?」  ログチーを見る。 「……今、いい顔してるよ」  にこにこしながら、ログチーが言う。  視線を逸らし、軽口を叩
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第24話 静寂の迷子

「はぁ……はぁ……」  額から汗が流れてくる。手で汗を拭いながら息を整える。 「ったく、すばしっこい奴だな……ぐっ、身体さえ痛くなけりゃ……」 「ふふん!」  ログチーは俺をチラッと見てドヤ顔をしている。 (さて、どうすっかなぁ?)  俺は両手を挙げて、ログチーに見えるように降参のポーズをしてみた。 「さすがログチーだなぁ(棒読み)」 「ようやくわかったの? シルバー」  ログチーがこちらへ振り向く。動きを止めニヤリと笑った。 (……かかった!)  ログチーに狙いを定め、一気に両手で確保する。  ガシッ! 「わぁっ!!」 「お前、油断したな?」  ログチーが手の中で暴れながら、 「騙すなんてひどいよー!」  ほっぺたを膨らませながら言う。 「俺の勝ちだ……」  そう言ったと同時に、そのまま前のめりに倒れる。 「もう限界だ……体が痛ぇ……腹も減ったし……」 「あっ!」  ふと思い出してポケットを探ると、少し潰れたまんじゅう。 「これ……さっきのまんじゅう」  その場に座って透明フィルムを外す。そのまま一口頬張る。 「……うまっ」 (身体中の疲れが吹っ飛ぶみたいだ……)  ログチーが鼻をピクピクしてこちらを見ている。 「……なんだよ」 「一口」 「は?」 「いい匂いする」  じっとまんじゅうを見つめるログチー。 (……こいつ)  ログチーを横目に見ながら頭を搔く。 「しょうがねぇな」  少しちぎって差し出す。  ログチーは嬉しそうにかけらを握りしめ、パクッと一口で食べた。 「……うまっ!!」 「だろ?」  残りを口に含んだ後、その場に寝転ぶ。 「なあ、ログチー」 「んー?」 「帰れないってマジなのか?」  ログチーは、ちょっと悩みながら言う。 「んー? 行く時はイメージなんだけど、帰る時ってどうだったっけ?」 「俺に聞くなよ」 「Revertって言ってみたら帰れるのかなぁ? 帰れる保証は出来ないけど」  ログチーがポスっと俺の肩に乗る。 「今は『戻れない』ってだけで……」 「今は?」 「うん」 「そのうち戻れるかもしれないし」 「戻れないかもしれない」 「一体どっちだよ! ったく雑だよなやっぱ」 「……まあ、考えてもわかんねぇなら、試すしかないだろ?」  ログ
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第25話 朦朧とした意識の中で

ここはどこだ……? 暑さも寒さも感じない。そして風すらもない。人の気配も音もなく、ただ殺風景な景色が広がっている。 訳がわからないまま前に進む。 歩いても、歩いても景色は変わらない。 同じ景色がずっと続いている。たまらなくなり腕時計に話しかける。 「おいログチー! 一体どうなってる?」 「……」 いつもならすぐ返ってくるのに返事はない。 「おい、無視すんなって!」 「……」 腕時計を軽く叩く。 「なんだよ、寝てるのか?」 「……」 反応はない。 「無視、すんなよ。……もしかして、怒ってんのか?」 「……」 ログチーは答えない。 「ログチー?」 そっと腕時計をなぞりながら盤面を見た。 「……ッ!」 時計の針が止まっている——? 呆然とその場に座り込む。 「なんで? まさか……時間が止まってる?」 ポケットからスマホを出す。表示は圏外。そして時間は腕時計と同じ時間で止まっていた。 足を止め、一人呟く。 「……なんだよ、これ」 「あっ! これは夢か! 」 そう言って自分の頬を思い切りつねる。 「いってっ! ……夢……じゃないのか?」 ログチーがあんなに忠告してたのに、力がバグってるから危険だって言ってたのに、強引に行動した俺が悪い……。自分の能力だってコントロール出来ないくせにさ。 ここは時間の狭間かなんかなんだろうか……?現実だけど、現実とは明らかにかけ離れた空間。何かの拍子に迷い込んだのかもしれない。 「ははは……」 乾いた笑いが虚しく響いた。 ◇◇◇ どれぐらい時間が経っただろうか。ため息をつき、その場から立ち上がる。 「……出口を探そう」 無意識に呟き、前を向いて歩き出す。 とりあえず前へと進むが、相変わらず周りの景色は変わらない。時間の感覚もない。どれぐらい歩いたのかもわからない。 スマホは相変わらず圏外表示。時間は11月8日9時44分から変わっていない。 体力が限界に近い。頭の中で色んな思考が巡る。 腹減ったな……。唐揚げ食いたい、あとハンバーグ、エビフライ、オムライス……。クソッ余計に腹が鳴る……。 「ぐっ……」 身体が……痛ぇ……。足も痛ぇし、腰も痛ぇ。全身が痛だるい。 視界がだんだんとぼや
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第26話 命の恩人は?

ドアが、静かに開いた。 その先にいたのは、クロノスだった。「……クロノス?」 思わず声が出る。「ってことは、ここ……あの店か?」「……アルカだ」 低い迫力のある声で短く答える。「シルバー、クロノスさんが助けてくれたんだよ?」 ログチーが嬉しそうに言う。 クロノスは表情を変えないまま、紫音を見る。「……動けるなら、降りてこい」 それだけ言って、背を向けた。 クロノスが去った後、「……ふぅ」(相変わらず、圧がすごいな……) ログチーを横目で見る。「お前……あの人苦手じゃなかったっけ?」「顔が怖いだけ、みたいだよ」 少し照れくさそうに笑う。「誤解してたかな?って感じ」「……なんだよそれ」 小さく笑いながら、ふと気づく。「てかさ、お前なんでその姿なんだ?」 ログチーは少し考えてから口を開いた。「……シルバーに声が届かなくなって」「怖くなって……動きたいって……」「……そう強く願ったんだ……」「そしたらね」「気づいたらこの姿になってた」 ログチーが嬉しそうに笑う。「……そっか」 つられるように、紫音も小さく笑う。「……さて、と」「……行くか」 ドアを開ける。 薄暗い電灯が、階段をぼんやり照らしていた。足元を確かめながら降りていく。 一番下のドアを開けると―― クロノスが、静かにこちらを見ていた。 特に言葉はない。 ただ、ゆっくりと左へ視線を向ける。 つられて視線を動かす。 そこには、料理が並んでいた。 唐揚げ、ハンバーグ、エビフライ、コーンスープにサラダ。白いご飯と、柔らかそうな白パン。(……これ、俺の好物ばっかりだ)「これ、もしかして……」 クロノスを見る。「俺のために用意してくれたのか?」「……食え」 短い一言。 いそいそと席に着き、手を合わせる。「いただきます」 箸で唐揚げを掴み、口に運ぶ。「……っ、うま」 噛み締めた瞬間、何故だか視界が滲んだ。 クロノスは、何も言わずそれを見ている。「シルバー、泣いてるの?」 ログチーが首をかしげる。 紫音は慌てて顔を逸らす。「……な、泣いてねーし」 手の甲で目元を拭う。「……湯気だよ、湯気」 一口、もう一口と口に頬張る。「……美味いな」「すげぇ、美味い……」「……そうか」 クロノスが短く返事する。 そ
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第27話 図星と代償

クロノス……?」 背中に汗が滲む。圧倒的な威圧感。 クロノスは、後ろを向き、何かぶつぶつ言っている。「クロノス?」 耳を澄ますと、……俺のエビフライ、とっておきのエビフライ……。(まさか、このおっさん……)「ただのコミュ障か……?」 思わず呟く。 クロノスの眼光が光る。「……はは、俺、声に出てた?」 視線を逸らし、笑って済まそうとする。「……ははは、わりぃ」 頭をかく。 クロノスが、その場でしゃがみ込む。ちらっとこちらを見ながらクロノスが呟く。「……なぜ、わかった?」「は?」「……何が?」 クロノスを見ると、何故か身体が震えている。「……もしかして、図星?」「…………」 何とも言えない空気感。(この風貌で?)(ダメだ……顔がニヤける)「……プッ……はははっ」 耐えきれずに笑う。 静かにクロノスが呟く。「……笑うな」「……わりぃ、恩人に対して失礼だよな」 頭を下げる。「……ほんとに助かった!」「ありがとう!クロノス!」「……その、全部食べちゃって……ごめんな」 手を顔の前に合わせて必死に謝る。「……美味かったか?」 クロノスは静かに言う。 顔を上げて、クロノスを見る。「……ああ、死ぬほど美味かった」 思わず笑顔が溢れた。 ログチーがこそっと呟く。「シルバーがいつもこの顔なら、女の子がほっとかないのにね」 クスクスと笑う。「……うっせぇ!」 ログチーを手で捕まえる。 バタバタもがくログチー。 傍目に見ながら、クロノスが何かを持ってくる。小さな箱。 クロノスは無言で、それを差し出す。「……」(何か言えよ!顔怖ぇよ!) 恐る恐る聞いてみる。「……何?これ?」「……」(開けろってことか?) 箱の中には小さな黒いピアスが一つ。 クロノスの顔を見る。「クロノス……俺、ピアス開けてないし」「せっかくで悪いんだけどさ?」 チラッとクロノスを見る。 後ろを向き、何かを探している。 そっと後ろから覗こうとすると、クロノスがいきなり振り返る。「……っ!?」 ログチーが驚いて、俺の顔に貼り付く。「うわあああああっ」「……っ!」 隙間から、クロノスの手を見ると、裁縫箱の奥に眠っていたような錆びかけの物騒な針を握っている。 まさか⸻? 顔からログチーを引き剥がす間
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第28話 対価の正体

「シルバー、血が出てるよー」 さっきまで怯えていたログチーが、ポケットの中から顔を出す。「当たり前だっ!」 耳を手で抑える。 耳たぶがジンジンと痛む。指先に生暖かい血が滲んだ。 クロノスは満足そうに、カウンターにさっきのピアスと、アルコール液を置く。ツンとした匂いが鼻を刺す。「……つけねーから!」「つけろ……」 低い声。その場の空気が一瞬で張り詰める。 すごい迫力で睨んでくる。「……睨んでも、嫌なものは嫌だ!」 顔を背ける。「…………」「なんなんだよっ!」「……黙んな!怖ぇから!」「……つけろ」「……はぁ」「わかったよ!つけりゃあいいんだろ!」 渋々と箱からピアスを取り、左耳につける。チクっとした痛みが走る。 クロノスが、そっと小さな紙を差し出す。「ん?何だよこれ?……説明書?」 クロノスを見つめて呟く。「ってかお前が口で説明しろよ」 クロノスを見ると、こちらをガン見している。 瞬き一つしない。ものすごい圧だ。「……っ」 渋々と小さな紙に目を通す。「えーっと、何なに?トルマリン石のピアス」 普段は黒トルマリンで、黒く輝く。能力発動時は青く輝き、以下のことが可能。※ つけてる本人が触ると力が発動。 ① アルカに行ける、帰れる ② 自身の分身を出すことが出来る ③ 相手の嘘を見破る。(集中度合いによる)「……すげーじゃん!」 さっきまでの痛みが一瞬でどうでもよくなる。 ん?続きか? 手書きで何か書いてある……? ………… アルカ、バイト募集中!!「は?」 クロノスは、また不敵に笑う。「……てか、客いねぇのにバイト募集すんな!」「そもそも店長が、威圧的すぎるんじゃね?」「……そのエプロンも、何か返り血?みたいな変な文字書いてるしさ」「……店名だ」「いやいや、読めねぇし……」 手を横に振る。「……ちゃんと縫った!」「いやそこじゃねぇよ!」(てか、刺繍かよ……) 笑いをこらえながら、クロノスに聞く。「……不本意だけど、ピアスありがと、な」「……でも、交換出来るようなもん、 俺、持ってねーぞ?」 クロノスが、視線をログチーに向ける。 ログチーは首をブンブンと振る。「……ポケット?」 黒いカードを出す。「……これか?」 クロノスは頷く。カードを手に取り、不気味
last update최신 업데이트 : 2026-07-26
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第29話 満身創痍と、約束と

ラウンドワンの前に着いた時には、すでに正面で大地が腕を組んで立っていた。「……おせぇよ!」「悪い……」 軽く手を上げる。「……寝てた」(……忘れてた)「寝てた、じゃねーよ!」 呆れたようにため息をつく大地。「おーい!」 大地の後ろから声が聞こえてくる。 ノブとナオが笑いながら手を振っている。「紫音がおせぇって、大地抑えるの大変だったぞー」「君たちラブラブなんだからぁ」 ふざけてノブが言う。「「ちげぇわ!」」 俺と大地が同時に突っ込む。「息ぴったりじゃん!」 ナオがからかうように笑う。「うっせーな」 軽口を叩きながら、4人揃う。「で、どうする?」 大地が言う。「ボウリングか、スポッチャ」「ボウリングでいいんじゃね?」「賛成」「……どっちでもいい」(正直どうでもいい)「よし、決まりな」 そのまま店内に入る。 店内は週末ってこともあり、すごく賑わっている。受付を済まし、自分達のレーンに向かう。 時計からログチーの声が聞こえてくる。「シルバー、身体もう痛くないの?」「痛ぇに決まってんじゃん……」「全身も痛ぇし、耳も痛ぇよ……」 はぁ……と小さく呟きながら、肩を落とす。 大地達に視線を向けると、やる気満々の顔をしている。「……帰れねぇよな、やっぱ……」 ボソッと呟く。 自分達のレーンにつき、自分に合ったボールを探しに行く。 ボールを持つ。「……今の身体には、キツいなこの重さ」 軽めのにしようと、ボールを吟味していると後ろからふいに名前を呼ばれた。「……黒川くん?」 振り向くとそこには白石柚希が立っていた。「……白石、お前も来てたんだ」「うん!偶然だね」 柚希は少し照れ臭そうに答える。「……あー!紫音!!」 声の方向を見ると大地が硬直している。 白石も振り返る。「長瀬くん?」 大地が俺に向かって口パクで合図をしてくる。(ん?誘ってくれ?た、の、む、だって?) 思わず呆れ顔になりながら、視線を白石に向ける。無意識に首の後ろをかきながら白石を呼ぶ。「……白石」 白石がこちらを向く。「……白石も、友達と来てるのか?」「うん、4人で来てるんだ」 笑顔で答える白石。「……あのさ、良かったらだけど」「俺らと一緒にやらねぇ?」 自分で出た言葉に少し赤くなる。誤魔化
last update최신 업데이트 : 2026-08-02
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第30話 上着の行方

その後は、散々な結果だった。 身体の痛みが思った以上に響く。踏み込むたびに、腰が鈍く痛む。 狙いが全く定まらない。 ガーター。 また、ガーター。「うわ、またかよ!」 笑い声が上がる。(……クソッ) 痛む身体を我慢しながら、投げようとしたが、変に力みすぎて、ボールが指からすっぽ抜ける。 ゴンッ 落ちたボールが、足に直撃した。「っ……!」 声にならない声。 そのまましゃがみ込みたくなるのを、無理やり堪えた。「紫音、最初だけまぐれかよ!」 ノブが腹を抱えて笑う。「紫音、今回は俺の勝ちだなー」 大地も調子に乗ってくる。「オイオイ、あんまり煽んなよ……」 ナオが苦笑いで止めに入るが、場の空気は完全にいじりモードだった。 ふと、視線を感じる。 女子達の視線。 同情と、ちょっとした苦笑い。(……最悪だ)「……ちょっと、水買ってくる」 それだけ言って、席を外した。(マジ帰りたい……) 腰を押さえながら、ゆっくり歩く。 みんなから遠ざかった時、腕時計からログチーが話しかけてくる。「シルバー、散々だね」 クスクスと小さく笑う。「……うるせぇ」「せっかく女の子見てるのに、全然決まらないねー」「……んなもん、どうでもいい」(俺はさっさと帰って寝たいんだよ)ログチーにイラつきながら、時計に向かって文句を言おうとした瞬間、 ドンッ「きゃっ……」 誰かとぶつかった衝撃。 咄嗟に前を見ると、他校の制服、同い年ぐらいの長髪黒髪の女の子が転んでいた。「……っ」 手に持っていた飲み物が、服にこぼれている。「……ご、ごめん!」 反射的に手を差し出す。「……私こそ、ごめんなさいっ」 慌てて起き上がろうとした瞬間、彼女の濡れた服が、肌に張り付いた。「……っ!?」 思わず視線を逸らす。(目のやり場がねぇ……)「……あのさ、服が、その……」 上手く伝えられず、指でそっと示す。 彼女が自分の服を見て、大きな瞳を見開き、一瞬固まる。「……っ」 顔が一気に赤くなる。 慌てて手で胸元を隠した。「……見ちゃった?」「……ちょっとだけ……いや、見てねぇ!」 両手を左右に振る。 彼女の顔がさらに赤くなる。「……ほら」 上着を脱いで、そっと差し出す。「……えっ?」「……着ろよ」 ぶっきらぼうに言う。
last update최신 업데이트 : 2026-08-03
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