江戸湾の沖で、埋立工事が始まった。 土砂を満載した船がひっきりなしに行き来し、もっこを担いだ男たちが威勢のよい掛け声を上げている。「よしッ! 設置場所はここでよかろう。どうかな、大場君ッ!!」「はい、とても埋まってますね」「フハハハハ! そうだろう、そうだろうッ!」 そして最初に出来上がった埋立地に連れて来られたのが私である。この象山とかいう先生は、遠い未来に海から襲い来るであろう大怪獣に備え、江戸湾に砲台を作り上げてしまったのだ。そういえば、お台場ってもともと黒船に備えた砲台の跡地だったっけ……と曖昧な記憶をたどる。 この世界ではアメリカと平和的に開国にいたり、友好的な関係を構築できている。なんならポケニンの影響で日本は超人的な能力を持つサムライとニンジャの国として恐れられてすらいるらしい。巨費を投じてこんな砲台を作るのなんてはっきり言って税金の無駄遣いなのだが……。 ま、私の財布が痛むわけじゃなし、別にいっか。穴を掘って埋めるだけでも景気対策になるのだと、どっかの経済学の先生も言っていた気がする。「では、これより試射実験を開始するッ! よく見ていてくれたまえッ!」「はい、よく見ていてくれたまえます」 そんなことよりも問題は、目の前にある巨砲である。二本の鉄柱が突き出しており、バチバチと青白い電流をまとっている。「ではゆくぞッ! 象山式超電磁エレキテルキャノン、発射ッ!!」 バシュンッと空気が切り裂かれる音。ソニックブームで弾道にコーン状の白い雲がいくつも出来ていく。水平線が爆発し、高さ数十メートルにも及ぶ水柱が立ち上がる。遅れて爆風がここまで届いて髪をバサバサと揺らした。「どうかねッ、大場君ッ! この象山砲の威力はゴメラにも通じると思うかねッ!」「はい、効果はバツグンだと思います」「フハハハハ! そうだろう、そうだろうッ! この象山がいる限り、神州日本の平和は誰にも脅かさせんよッ!!」 私の作り話を真に受けた象山は、とんでもない超兵器を作り出してしまった。彼の説明によるとエレキテルの力を使って砲弾を加速し、火薬式の大砲ではありえない初速と威力を実現しているとのことなのだが……それってレールガンだよね? 現代でも実験段階だった兵器だ。なんでそんなものを開発できるんだよ。頭がおかしいのか? いや、おかしいんだろうな。「いまは大き
Huling Na-update : 2026-07-13 Magbasa pa