「ところで、みなさん」 部室で、ノヴァルナが皆に話しかける。「ワタシ、将棋やってみたいです。ないですか?」「あー、そーいえば、置いてなかったね」「将棋部行けば置いてあると思うけど……」 きいろと歌留奈が、話を受ける。「あー、将棋なら、たまに親父と指すわ。明日、持ってこようか?」「お願いします」 にこが、快く応じてくれた。 そして、翌日。「えーと、まずはルール説明な。王か玉。これを取られると負けで、歩は一マスずつ前進できて……」 にこ先生の、将棋教室開催。真剣に聞くノヴァルナ。「頭入った? わかんないとこある?」「大丈夫です。進めてください」「じゃあ、駒をこういう風に並べて。飛車、これは右、角、これは左ね」 コトンコトンと、置いていくノヴァルナ。まだ、パチンとはいかないようだ。「で……。四枚落ちぐらいで始めるか。……そんじゃー、先手決めよう。じゃんけん……」 ノヴァルナの先手。「えーと……えい」 ノヴァルナ、いきなり真ん中の歩を突く。 にこ、「初手は角筋開けるか、飛車先を進めるかだよ」と言いたかったが、あえて黙っていた。 本格的な将棋盤の脚部には、木彫りのクチナシがあしらわれている。 これは、「余人が口を出すのはマナー違反」という思想から、つけられるようになったものだ。 また、自分のマリオネットになって指しても、楽しくないだろうという、にこの考えでもある。 にこ、まずは居玉を避け、玉を一歩前進。 彼女は、自分が駒落ちで指すのは初めてだが、こちらもまた、試行錯誤。 こうして、慣れない同士の奮闘は続き……。「あっぶ。なんとか勝ったぜ」「お見事です。将棋、難しいですね。でも、捕虜になった駒が寝返る発想、面白いです」「うん、ボクも見てて、それ思った」 きいろ、何しろシステマチックなゲームが大好きである。「ボクも覚えようかなー」「おう。ノヴァっちと、素人同士で指してみるといいんじゃねえか?」「いいねー。今度やろーね、ノヴァ子」「はい!」 下校時間手前を、知らせる鐘が鳴った。「あ、そろそろ帰らないと」 きいろが鞄を持つ。「じゃー、将棋盤は部室に置いとくか」 帰る準備を始める一同。「麻雀もやってみたいです」「麻雀……。誰か、打てる?」 歌留奈の問いに、一同首を横に振る。「でも、超有名卓ゲだもんね
Dernière mise à jour : 2026-07-14 Read More