ザイドハーマから旅立ち一週間目、ついにヴェイヴァルへと到着した。正確にはヴェイヴァルだったと思しき場所と言ったほうが良いだろうか。 風化が進んでおり、城壁や石造りの建築物がかろうじてその一部を残しているような有様で、まさに廃墟という言葉がふさわしい。 世の中には廃墟マニアというのが居るようだが、こうも風化が進んでいると彼らの興味が惹かれるのかどうか気になるところである。 いや、そんなことはどうでもいいな。問題はエテメンアンキが遺っているかどうかだ。 オフィエルが頑張って描いたエテメンアンキの復元図を広げる。……申し訳ないが、非常に前衛的な絵画と言わざるを得ない。しかし、手がかりはこれだけである。まあ、それっぽい物を見つけたら彼女に鑑定してもらえばいいだろう。「各自散開し、エテメンアンキを捜索せよ!」 ベルの号令下、再現図の複製を手に、方々へと散っていく。ヴェイヴァルはかつての大都市であるから、相当広いのだろう。正直一万人で探しきれるかというのも怪しい。もともと分の悪い賭けだが、運に味方してもらう他はないな。 ◆ ◆ ◆「サタン。上から見てどうだ?」「これといって見当たらないねー」 上空からの探索をサタンに任せつつ、こちらはオフィエルとともに地上の視点からエテメンアンキを探す。所々瓦礫が転がっていたりもするが、この下にあったとしたら厄介だな。「いいよねえ、サタンお姉ちゃんは~。オフィエルちゃんもまた飛びたーい!」 いや、待っててもらって良かったんだがな。一緒に行きたいと言い出したのはお前じゃないか。「歩き疲れたのか? 疲れたなら休んでいていいぞ」 実際俺も結構疲れてきたところだが、サタン以外にはどうにも弱味が見せづらいものがある。「そうだ! おんぶしてよお兄ちゃんっ☆」 無茶言うな。召喚当初より体力はついたが、流石にそれは無理な相談だ。「私が運んであげようか?」「やったー♪」 ナイスアシストだ、サタン。両手を挙げて喜びを表すオフィエルを抱え上げ、天使ーズは再浮上しようとする。そんな微笑ましい光景を眺めていると、突然俺を何かが襲った! 一瞬確認できただけだが、それらは雷撃、氷塊、棒状のもの二本、それに大鎌だった。危ないな、おい! 自動ガ-ドがなかった死んでたぞ!「驚いたね! 話に聞いてた以上に硬いや!」 金髪優男風の天使が肩
Last Updated : 2026-07-16 Read more