帝国と共和国の国境に、古い山城がある。その頂上で、隻眼の男と緑髪のダブルシードが話していた。 「ケラック、サルロ・ファージには気を付けろ」 ダブルシードは、立ち去り際に、ケラックという隻眼の男に告げた。 「奴の魔剣は、我々の鎧を容易く斬り裂く。致命傷を負うぞ」「ダブルシードは、随分と弱気になったものだな」 ケラックは低い声で笑った。 「まあ、撤退用の転移魔法は仕込んでおくとするか。ダブルシード、お前の助けは要らん」「ほう? 爆裂魔法を仕込んでやろうと思ったのだがな」「正面から殺し合いたい……そうすれば、俺が魔剣を手に入れることもできる」 古い様式を維持する玉座の間の扉を、彼女は開く。 「死ぬなよ、ケラック」 バタム、と閉じた扉。 「面白くなりそうだ、鉄殻戦団の、試運転としてはな……」 ◆ 『蒼炎だ』 魔剣ゼイドは、サルロにそう告げる。 『汝から、蒼炎の力を奪った。そちらの方が、面白いものを見られそうだからな』 面白い、一体何が。彼はそう問う気力もなく、ガタガタと震える手を止めることすらできなかった。 『取引の条件を精査しなかった汝の責任だ。精々面白い破滅を我に見せてみろ、蒼騎士』 サルロは、壁を殴る。ピシリ、コンクリートに罅ができる。 『が、汝次第で返してやってもい
Terakhir Diperbarui : 2026-08-30 Baca selengkapnya