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11.今度こそ

歓迎会の帰り、私達は会っていなかった期間の出来事を話しながらアパートへ向かっていた。 「愛華と仲直りできたんだ。良かった。」 「ああ。なんだかんだ言って良い奴なんだよ、あいつ。」 「うん。私達が同じ会社だってことは…?」 「今の会社に入ったことはまだ言ってない。けど、そのうち親伝いで連絡が行くんじゃないか?」 「どんな反応をすることやら…」 「あー。ちょっと怖いかも。」 「ははっ。」 そうこうしているうちに、気付いたら私のアパートに到着した。 「あ…ここだよ。」 「へえ、ここに住んでるのか。」 もう着いちゃったのか、と、寂しい気持ちになりながら、私の住む103号室の鍵を開ける。 「送ってくれてありがとうな。じゃあ、また明後日…」 不意に夕也が抱きしめてきた。 「…夕也?」 「ごめん、もう少しだけ…」 寂しそうな声で、夕也はそう言った。 そんな夕也を、抱きしめ返した。 「わかった。もう少しだけ。」 数十秒経って、夕也が私を離し、唇を重ねてきた。 甘くて、切ないキス。 「おやすみ、夕也。気を付けて帰れよ。」 「ああ。おやすみ、あさひ。ちゃんと鍵かけて寝ろよ?」 「分かってるって。」 何度も心配そうな顔で振り返る夕也を、手を振りながら見送った。 「さて、寝るか。ふふ。」 翌日、私は愛華と会う約束があり、地元の喫茶店で愛華を待っていた。 数分すると、ドアの開閉を知らせるベルの音が響いた。 「ごめん、あさひっ、遅くなっちゃった!」 「ううん、さっき来たばっかりだから大丈夫。」 ふたりでメニューを開き、好きなものを選んで注文を済ませた。 「病院の方は忙しい?」 「相変わらず忙しいよ。まあ、冬ほどではないんだけどね。そっちは?」 「ちょっと忙しくなってきてるって感じかな。新人入ってきたし、教育しながらの作業だからさ…」 「そうなんだ…ねえ、あさひ…」 「ん?」 「あの…その新人の中にさ…」 困ったような顔で愛華は問いかける。 「『夕也』がいたかって?ふふっ。」 「…!本当にそっちに行ったんだ!?」 「びっくりしたよ~。よし、工場案内しよ~って新人達見たら夕也がいるもんだから。」 「…話したの?」 「うん。お昼食べてたら向こうから話しかけてきたよ。」 「あさひは大丈夫…だった?」 「いきなり目
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12.初デート

「あさひ、明日デート行かね?」 夕也と付き合い始めて一週間足らずの昨日、お昼を食べている時に突然言われた。 「あ、もしかして、予定あったりする?」 「ん?いや、ない、けど…」 「じゃあ、デートしよ?」 「…いいよ。」 夕也と付き合うまで、年齢イコール非リア歴だった私。 もちろんデートなんかしたこともなくて、どんな服を着るか、どんな化粧や髪型をするか、悩んだ。 悩んだ末に、私は愛華に頼ることにした。 「愛華ごめん、朝早くから…」 「親友の初デートだもん、頼られないわけにはいかないよねっ。」 「よろしくお願いします…」 クローゼットからいい感じの服を選んでもらい、私に似合う化粧を施し、髪を巻いてもらった。 愛華が来て2時間、私は見違えるように変わった。 「すご…自分じゃないみたい…」 「あさひ、自分で気付いてないみたいだけど、すっごく美人さんなんだからね?メイクだってかなり薄くしてあるんだから。」 「愛華って、魔法使い?」 「ふふっ、そんなに褒めても何も出ないよ。じゃ、私帰るね。デート楽しんでね。」 「うん。ありがとう。気を付けて。」 愛華を見送って、夕也が迎えに来るのを待つ。 しばらくすると、夕也から「着いた」という連絡と同時に、チャイムが鳴った。 「来た…!」 愛華と会う時にいつも使うお気に入りのパンプスを履いてドアを開けると、いつもとは違う、モデルのような格好をした夕也が立っていた。 「待たせてごめんな。あさ、ひ…え…?」 私が一瞬誰なのか分からなかったような顔をしている。 「おはよう…や、やっぱり、変…か…?」 「ここまで可愛くなるとか、ずるくね?」 一気に顔が熱くなるのを感じた。 「あさひ、プライベートの時はこんな感じなの?」 「いや、愛華と出かける時以外はこんな格好しない…けど…ゆっ、夕也に、少しでも可愛いって思われたくて…愛華に可愛い服選んでもらったり、髪も巻いてもらって…」 「あいつ、やるなぁ…でも、なんかやだなぁ。」 「えっ…」 グサリ、と、夕也の言葉が胸に突き刺さった。 「ここまで可愛くされたら、他の男が見惚れるじゃん。あさひは俺のなのに。」 どこか不安そうな顔をしている夕也に、私は言った。 「わっ、私は、ちゃんと夕也だけが好きだから、な…?」 一瞬驚いたような表情をすると、す
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13.束縛

水族館に入って、どこから回るか話し合っていた。 「11時半からイルカショーがあるらしいから、ペンギンコーナーのところから回ろうか。」 「私もそれでいいと思う。」 ヨチヨチと歩くペンギンのあまりの可愛さに、私は本音を出さずにはいられなかった。 「やばい…可愛い…なんでこんなに可愛いんだ…」 「ははっ、楽しそうでなにより。」 「あっ、ごめん。私ばっかりはしゃいじゃって…」 「俺もペンギン可愛いと思うし、あさひが幸せそうだから俺も楽しいよ。まあ、あさひがいちばん可愛いんだけど。」 「なっ…こんなとこで恥ずかしいこと言わない!」 パシッと夕也の腕を軽く叩いた。 「はははっ、ごめんごめん。でも本当の事だから許してくれよ。」 「もう…」 その後、ヒトデのコーナーや甲殻類のコーナーを回ったりして、気付けばイルカショーの時間が近付いていた。 「あと30分くらいで始まるから、そろそろ行くか。」 「そうだね、席も早めに取りたいし。」 イルカショーの会場へ向かい、いちばん見やすい席に座った。 15分ほどすると、ショー開始のアナウンスが流れた。 「わあっ、始まる…!」 飼育員さんの合図に合わせて弧を描くイルカたち。 人間でも息をぴったり合わせるのが難しい水場で、完璧なパフォーマンスを繰り広げるその姿に、ただひたすら感動していた。 「思ってたより迫力すごかったな。」 「うん。息ぴったりだし、何より可愛かった…連れてきてくれてありがとうな、夕也。」 「喜んでくれて嬉しいよ。…そろそろ昼飯にするか?」 「どこで食べる?」 「水槽があって綺麗な魚が見れるレストランがあるらしいからそこで食べようか。」 「えっ、行きたい!」 「決まりだな。」 私たちはそのレストランに向かった。 「わあ、綺麗…」 青く光る水槽の中で、鮮やかな色の魚達が優雅に泳いでいる。 それを見ながら食べるランチは、有意義なものとなった。 レストランを出たあとは、深海魚、アザラシ、クラゲを見て回った。 気付けば日が沈み始める時間になっていた。 「もうこんな時間か…他に見たい所はある?」 「あ…お土産買いたいかな…」 「じゃあ行こうか。」 グッズショップに行き、私はぬいぐるみやストラップなど、色々見ていた。 「えっ…!ミズクラゲのぬいぐるみ…!」 クラゲの中で
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14.俺のものにしたい

―夕也視点― さすがに、嫌がるだろうか。 独り占めしたいなんて、まるであさひを「物」みたいな言い方したのは、まずかったな。 けれどそう思ってしまうほどに、俺はあさひが大好きなのだ。 男のように振る舞うけれど、時々女の子らしい一面を見せるあさひ。 弱いところを見られまいと、常に笑顔でいるあさひ。 俺はあさひの笑顔が好きだ。 まぶしくて、太陽のように明るい笑顔。 その笑顔の向こう側に、どんな痛みを抱えていたのか。 卒業式の後、愛華に言われるまで知らなかったのが情けない。 自分が間違った選択をしたことで、あさひをどんなに傷つけたか。 もし、あさひに嫌われたら、どうしよう。 「夕也?」 あさひが指で俺の目元を拭う。 「なんで、泣いてるんだ?」 「え?」 どうやら俺は無意識に涙を流していたようだった。 彼女の前でこんなみっともない姿を晒すなんて… 「…夕也?こっちを見て?」 あさひの目を見る。 「私は、夕也が大好きだからな?これからも、ずっと。」 俺は思わずあさひを抱きしめた。 人目もはばからず、強く、抱きしめた。 俺の抱擁を素直に受け入れ、そっと抱きしめ返してきたあさひ。 「ありがとう。俺の事好きになってくれて。」 ―あさひ視点― 水族館デートが終わり、夕也を自宅まで連れてきた。 というのも… ギュルルルル… 最寄り駅に降りた時、夕也の腹から音が鳴ったからだ。 「うちで食べていきなよ。」 「ごめん…ありがとう…」 恥ずかしそうにしている夕也を見て、可愛いなと思いながら歩いた。 もし夕也と結婚したら、毎日どんなおかずを作るか考えるのかな、とか思いながら。 夕也をソファに座らせて、料理ができあがるまでテレビを見てもらうことにした。 俺も手伝うと言われたけれど、デートに連れて行ってもらって、グッズだって買ってもらったのに、料理を手伝うまでされたら、さすがに申し訳ない。 夕也もその気持ちを察して、素直に座ってくれた。 「ハンバーグ作ろう。」 私は朝早く起きるのが苦手だ。 そのためいつも一週間分の食材を週末に買って、作り置きをしている。 挽肉をいっぱい買っていたから、ちょうど大人2人分のハンバーグが作れそうだ。 そういえば、夕也はデミグラスソースがかかっているハンバーグが好きだった。 デミグラスソー
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15.あなたのことなら

夕也が入社して3ヶ月ほど経った頃、フォークマンの栗原さんが入院することになり、しばらく倉庫での仕事をすることになった。 「風間さーん!」 主任に呼ばれて工場に入る。 「どうかしましたか?」 「ごめんね、この材料なんだけど、準備表には古いロット番号しか載ってないのよ。で、さっき確認してたら新しいロットもあったの。多分事務方との連絡の行き違いで古いロットだけ記入されてる状態だと思うんだけど、念のため古いロットのが残ってないか確認してもらえる?」 「はい、分かりました。すぐ戻るので少し待ってもらえますか。」 「うん、お願いね。」 私は足早に倉庫へ向かった。 指定された材料が積まれた区画に行き、古いロットが残ってないか探し始めた。 ゴロゴロゴロ… 今日はとても天気が悪い。 「んー、無いな…よし、主任に報告っと…」 倉庫を出ようとした時、ピシャーン!という音がしたと同時に、倉庫内の全ての明かりが消えた。 どうやら近くに雷が落ちたようだ。 「え、うそっ…」 何も見えず、パニックになり始める。 「どうしよう…どうしよう…」 私は昔から雷が怖かった。 小さい頃、目の前に雷が落ちたことがあって、それ以来ゴロゴロと音が鳴るだけで恐怖を感じるようになってしまった。 雷だけではない。 体育館の倉庫に閉じ込められたあの日のトラウマで、光が全く無い空間も怖く感じるようになってしまった。 「はあっ…はあっ…ひゅっ…」 2つの恐怖に襲われ、私は過呼吸を起こしていた。 「はっ…はあっ…そうだ…ひ…非常口…」 非常口を探していると、ガラガラッ、と扉の開く音がして、誰かが入ってきた。 「…あさひ!?いるか!?」 「ゆっ…ゆう、や…?」 スマホのライトをつけた夕也が来て、私を落ち着かせようと抱きしめてくれた。 「大丈夫だ、俺がいる。まずは息を整えろ。ほら、吸って…吐いて…吸って…吐いて…」 夕也が背中をさすってくれたおかげでなんとか落ち着くことができた。 「ごめん、ありがとう…」 「外に出ようか。」 夕也に支えられながら倉庫を出ると、フォークマンのおじちゃん達が心配してくれていた。 「おーい、風間ちゃーん!」 「怪我してねぇかーい!」 「はーい、大丈夫ですー!」 結局その日は仕事が終わってからも、雷は鳴り続けていた。 「あさひ、今
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16.あなたにあげる

「んっ…ちゅ…んあ…」 どういうわけか、私の発言で夕也を興奮させるスイッチを押してしまい、いつも以上に激しいキスを食らっている。 夕也の唇は、私に「待って」と言わせる隙すら与えてくれない。 そのせいか、私まで興奮してきているように感じる。 「んっ…んん…ゆう、やっ…」 ようやく解放されて、私は肩で呼吸をした。 「悪い…」 少し冷静になった夕也が謝る。 別に嫌な気分ではなかったから謝らなくていいのだが。 ただ…夕也に抱いて欲しいという思いが芽生えてしまった。 今度は私の方から唇を重ねた。 「っ!あさひ…」 「夕也に、私の全部、あげるから。だからお願い…」 夕也の顔を両手で包んで言った。 「私を…抱いてほしい。」 私と同じくらいの世代のカップル達が体を重ねても、そこまで抵抗はないだろう。 だが私にはそういう経験が無い。 人生で大きな決断をしたのだ。 「…あさひ、自分が何を言ってるか、ちゃんと理解できてるか?あさひの初めてを貰うってことだぞ。」 「分かってる…いつかこうなる日が来るってちゃんと分かってた…私は、夕也のものだから。」 静かになったと思いきや、夕也が突然私を抱きかかえて歩き出した。 夕也の寝室へ。 私をそっと下ろし、真っ直ぐな目で私を見つめる。 「本当にいい?後悔しないか?」 「しない。私は夕也に抱いてほしい。」 「…っ、優しくするつもりだけど、途中で歯止め効かなくなったら、ごめん…」 そう言うと、私の首筋に唇を這わせ始めた。 「んっ…」 息がかかってるせいか、くすぐったい。 なんだかゾワゾワする。 夕也が私のシャツを捲りあげ、不敵な笑みを浮かべる。 「あさひってこんなエロい下着つけてるんだ。いや、それとも誘うためにわざとこれにしたの?」 「ちがっ…」 「まあ、どっちでもいいけど。」 私の体を少し起こし、片手で器用にホックを外して、露わになった私の胸を円を描くようにまさぐり始める。 「っ…はあっ…あっ…」 「あさひの胸、思ってたより大きいし柔らかいな…それに美味しそう。」 私の胸に顔を近づけ、先端をペロッとひと舐めして口に咥えた。 「ああっ…!」 ひとしきり味わった後、ちゅっ、ちゅっ、と音を立てて、徐々に下へ下げながらキスを落としていく。 「…脱がすぞ。」 私が身に付けていたも
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17.あなたと私

「あっ…ああーっ!」 これで何度目の絶頂だろうか。 指でずっと中を掻き回されて、何度も迎える絶頂を途中から数えることを忘れてしまった。 「うーん、だいぶ解せたけど…まだ少し狭そう…?」 「ゆっ、夕也っ…」 「うん?なあに、あさひ。」 なんだか切ない。 「もうそれやだっ…夕也のが、欲しいっ…」 「だーめ、もう少し慣らしておかないと、あさひが痛い思いするから。あさひが痛いのは俺は嫌だ。」 ぐちょぐちょになった私のそこに、再び入れられる3本の指。 早く繋がりたいのに、慣らさなきゃいけないって、どういうことだろう。 そんなことをしばらく考えていると、再び私は絶頂を迎えた。 「うん。多分もう入りそう。」 ベッドサイドの引き出しから個包装の何かを取り出し、その袋を切って中身を出した。 そしてそれを夕也の反り勃つそれに被せた。 ぶかぶかのズボンだったから気付かなかったが、どうやら私が夕也のスイッチを入れた時から大きくなっていたらしい。 初めて見るその大きさに、戸惑いを隠せない。 昔、間違えて脱衣所に入って兄の裸体を見てしまった時と比べ物にならないくらい大きい。 その時は勃ってなどいなかったのだろうから差があるのは当たり前なのだが。 「そ、それ…は、入るのか…?」 ここまで来たら挿れるしかないのだが、そんな疑問を抱かずにはいられなかった。 「挿れてみないと分からないけど…だいぶ解したから痛みは少ないと思う。怖いか?」 怖くないと言えば嘘になる。 けれどそんな不安よりも、夕也と繋がりたいという願望の方が大きかった。 「怖い、けど…けどやっぱり、夕也に挿れてほしい。夕也に、私の初めてを貰ってほしい。」 一瞬驚いた顔をして、唇を重ねてきた。 「…じゃあ、挿れるぞ。」 蜜でトロトロになった私のそこに、クチュ…と音を立てて夕也が入ってくる。 これでもかというほど解されたはずなのに、少し痛みと強い圧迫感があった。 「あ…く…ふぅっ…」 みちみちと広げながら、私の中を押し進んでいく夕也。 指なんかよりもずっと大きくて太いそれは、まだ気持ちいいとは言えなかった。 「とりあえずここまでは入ったか。」 夕也がそう言ったのを聞いて下を見てみると、夕也のそれはまだ半分くらいしか入っていなかった。 「えっ…うそっ…」 「とりあえず、ゆっ
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18.独占欲

―夕也視点― 「夕也っ、もうやだっ、もう寝かせてっ…」 可愛い声で喘ぎながら懇願するあさひ。 それがより一層俺の中にいる獣を狂暴にさせるだなんて、思ってもいないだろう。 キスだけで終わらせようと思ってたのに、まさかあさひの方から抱かれたいなんて言われるとは。 「ああっ、や、ああーっ!」 「くっ…出るっ…」 あさひを抱きしめながら、4回目の絶頂を迎えた。 初めて見るあさひの乱れた姿に興奮を抑えられず、あさひを抱き続けた。 俺しか知らない、素の姿のあさひ。 こんな姿のあさひは、俺だけが知っていればいい。 他の野郎に、こんな姿を見せたくない。 残り1つになった避妊具を手に取り、使い終わったものと付け替えて再びあさひの中に入ろうとした。 「なっ…もうやだっ!」 「どうして?俺に抱いて欲しいんじゃなかったの?」 「それはっ、そうだけど…何回もするなんてっ…」 「ごめんな。これで最後にするから。」 「はっ…!?もうやだっ…」 ベッドから這って出ようとするあさひを捕まえ、今度は後ろから挿れる。 「待って、だめ…あっ、ああっ!」 きゅうっと締め付けてくるあさひの中は、すぐにでも俺を絶頂へ導こうとする。 「ごめん…これで本当に終わりにするから…っ。」 優しくするなんて言っておきながら、結局理性を保てずにあさひを何度も犯してしまった。 罪悪感を抱きつつ、あさひの腰を掴んで突き続けた。 肌が当たり合う音と、あさひの喘ぎ声が部屋に響く。 防音性のある物件に住んでてよかったと思った。 「ああっ、あんっ、夕也ぁっ…私っ、もうっ…」 「っ、はあっ…俺ももうイきそう…」 更に動きを激しくすると、あっという間に俺たちは果てた。 自身をあさひの中から引き抜き、そのまま隣に横たわってあさひを抱きしめた。 こっちを向いたかと思えば、あさひはムスッとした顔をした。 「ごめん…羽目外しすぎた。」 「もうやだって言ったのに。」 「本当にごめん。」 「むぅ…」 子供のように拗ねるあさひが可愛くて、更に強く抱き締めて、そのままあさひと共に目を閉じた。 ―あさひ目線― 「ん…」 窓からさす光で目を覚まし、目の前ですやすやと眠る夕也の顔を見つめる。 2人とも裸のまま眠ったことを思い出し、顔が熱くなる。 せめて服は着たいと思い、夕也を起こさ
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19.会いたくなかった人

朝食を食べ終わる頃には脚の力も戻ってきたので、普通に出勤することになった。 会社に着いて車を降りると、私たちに気付いた他の社員さん達が冷やかしに来た。 「おっ、仲良しだな~。」 「風間さん顔真っ赤よ~。」 いつも2人一緒に食べているから、私達が付き合っていることを大抵の人は知っていた。 「風間さんの車壊れちゃったの?」 「あ、いえ、昨日桐山さんの家に泊まったんです。私、真っ暗な所と雷が駄目で。それで泊めてくれたんです。」 他の社員の前では、お互いの事を苗字で呼び合っている。 なるべく公私混同は避けたいからだ。 「へえ~、優しい彼氏さんだね、桐山くん。」 「ええ、本当に。」 まあ、昨日の行為は優しくなかったが。 「あ、そういえば聞いた?今日から事務の方に新しい人が入るんですって。」 「へえ、そうなんですか。挨拶しないと。」 「工場長が直々に工場案内するらしいからその時に会えるかもしれないわね。」 「どんな方なんでしょうね。」 「若い子って聞いたわよ。名前は…しおなんとかって言ってた。」 仕事が始まり、フォークリフトで作業をしていると、新人を引き連れた工場長が出てきた。 「お疲れ様です、工場長。」 「お疲れ様。聞いていると思うが、新しい事務員が入ってね。今から工場案内をするところだ。こちら、新人の塩谷くん。塩谷くん、こちらは第二製造係の風間くんだ。」 声が出せなかった。 工場長の後ろにいたのは… 「塩谷美奈です。よろしくお願いします。」 あの美奈だったのだ。 「風間あさひ、です…よろしくお願いします。」 「えっ、あさひちゃん?」 「やっぱり…美奈だ。」 「あれ、ふたりとも知り合いか?」 「え、ええ、中学の同級生で…」 気まずいなぁと思っていると、後ろから夕也の声が聞こえた。 「え…美奈?」 「えっ、桐山くん?久しぶり!」 あからさまに声色が変わっていた。 「あー、うん…久しぶり…」 「まあ、そういう事で、これから事務関係で関わる機会も多くなると思うから、塩谷くんをよろしくな。」 「は、はい。」 そうして工場長と美奈はどこかへ行った。 「マジかよ…」 あからさまに嫌な顔をする夕也。 「ま、まあ、もう昔の事なんだし、私の事は気にしなくていいから、な?ちゃんと社員としてコミュニケーションは取るんだ
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20.私の方が

「風間さん、桐山さんと塩谷さんが昔付き合ってたの知ってた?」 この事務員もデリカシーのない人だ。 「ええ、まあ…美奈とは同じクラスだったんで。」 「え~、じゃあ桐山くん気まずいね。元カノの塩谷さんと今カノの風間さんが同じ会社にいるなんて。」 「え?あさひちゃん、桐山くんと付き合ってるの?」 最悪だ。 いずれバレるとは思っていたけれど、こんな早くにバラされるなんて。 「…うん。もう3ヶ月経ったかな。」 「へえ~、まだ3ヶ月なんだ。じゃあまだ美奈の方が長いね。」 「そう、だね…」 モヤモヤする。 確かに、美奈の方が夕也と付き合っていた期間は長い。 「美奈と付き合ってた時より、あさひを好きだった期間の方が断然長いけどな。」 後ろに夕也が立っていた。 「なっ、なんでここに…」 「風間さんが戻ってこないから。早く荷降ろししよう。」 「あ、ちょっ…」 夕也に手を引かれてトラックの元へ戻り、荷降ろしをした。 夕也が、怒っているように見えた。 その日の仕事を終えて、私達は駐車場に向かった。 夕也は機嫌が悪いままだった。 「夕也、昨日は泊めてくれてありがとうな。気をつけて帰っ…」 言い終える前に、夕也が抱きしめてきた。 強く、長く、抱きしめられた。 「ゆ、夕也、そろそろ離してくれっ…」 誰かに見られたらまずいと思って、押し離そうとする。 ようやく離してくれたかと思ったら、今度は腰を抱き寄せられ、頭を押さえつけられてそのまま唇を塞がれた。 「んっ!?んんーっ!」 夕也の肩をバンバンと叩く。 こんな所で、なんてことを。 もし他の人に見られたら… 視界の隅に、美奈がいるのが見えた。 「ぷはっ…ちょっ…何すんだ…」 「ここまですればちょっかいかけてくることないだろ。」 顔を真っ赤にしてわなわなと震えている美奈は、そのまま車に乗って帰っていった。 「うわー、修羅場見た気がした~。」 「アツかったわね~。」 後ろから今朝話していた社員達が出てきた。 「えっ、あ、あの、いつからそこに…」 「ん?桐山くんが風間さんをハグした所からだぜ?」 最悪だ。 最初から見られているではないか。 「それにしても、怖い顔してたわね、あの子。桐山くんに未練でもあるのかしら。」 「あってもなくても俺が今付き合ってるのは風間さんなんで
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