また一日が始まる。 昨日は泣き疲れて、そのまま寝てしまっていた。 リィーンは、洗濯物を取り込むのを忘れたことを思い出し、取り込む為に外に出る。 洗濯物といっても、タオルや下着と替えの服くらいなので、あっという間に取り終える。 「干したままだったから、湿気てるかも」 バサバサと洗濯物を揺らし、埃を払う。何となく門の方向に視線を向ける。 「っ!」 「元気そうだな」 門の前には、カインが立っていた。 「カイン様?」 夢でも見ているのだろうか。カイン様が立っている。 リィーンはカインがいることが信じられないので、何度も瞬きを繰り返し二度見する。 「今日も暑くなりそうだな。リィーン、食事はすんだか?」 「カイン様……?」 突然の訪問者に驚き、現実を受け入れられないでいた。立ち尽くすリィーンに、気さくに声をかけながらカインは近づいてくる。 「もしまだなら、良ければ一緒に食べないか?」 「え?」 「ん?朝食を一緒に」 む…無理です。人様にお出しできるものなんてありませんっ。なんて言える訳ない。 そもそも、自分でさえ食いつなぐので精一杯なのに。どうしよう……。倒れた時に助けていただいたし、お礼はしたい。でも、何もないし……何て答えよう。 こうしてカイン様が、訪れてくれたことがたまらなく嬉しい。一人過ごしている日々が、たまらなく寂しく感じていたから━━それは、たぶん、カイン様と出会ってしまったから。 指で自分の腕をそっとつねると、痛みを感じる。これは、夢ではない。 リィーンは、動揺している気持ちを悟られないように、必死に無難な返答を考えた。 「あ、あいにく食材がなくて」 「心配ない。私もまだなので買ってきた。 リィーンが良ければ、一緒にいいだろうか?」 カインは、手に持っていたカゴを掲げる。 「中に入ってもいいか?」 カゴからは、ふんわりと美味しそうな匂いが漂ってくる。 思わずお腹が鳴りそうになる。リィーンは、鳴りませんように、と必死に心の中で唱える。 自分のことを、覚えていてくれたカイン様。その優しさが嬉しい。素直に甘えていいのかな。 リィーンは、返答に困っていた。 「今日も、日差しが強くなりそうだ。また倒れられても困る。良ければ中で話そう」 カインは、リィーンの返答を待つことなく玄関のドアを開ける。扉を支えてリィ
Dernière mise à jour : 2026-08-06 Read More