部屋に戻ると、透子はすでに皆に囲まれ、写真撮影の中心になっていた。胸元にはピンクダイヤモンドのネックレスが輝いている。まるで、誰かの想いを閉じ込めた一粒の涙のようだった。誰かが面白半分に声を上げた。「隼人、このシークレット賞は豪華すぎない?何も知らない人が見たら、今日プロポーズする相手って透子ちゃんだって勘違いされるぞ」その言葉に、透子はすぐに目を潤ませた。「やめてよ……南さんが嫌な気分になっちゃうわ」彼女がそう言った瞬間、周囲の視線が一斉に私へ向いた。隼人は私が戻ってきたことに気づくと、ほんの少し眉を動かした。「そんなところで何してるんだ?知らない人が見たら、まるで俺たちにいじめられたみたいじゃないか」私は彼を見つめ、なぜか、急におかしくなってしまった。傷ついているのは、私のほうなのに、ただ黙っているだけで、まるで私がわがままを言っているみたいに扱われている。だから、私はその場から動かなかった。隼人は眉間にわずかに皺を寄せた。すると哲が先に立ち上がり、私の前まで歩いてきた。彼は穏やかな顔立ちで、いつも優しく笑っているように見える。18歳になるまで、哲だけは、絶対に私を傷つけたり、恥をかかせたりしない人だと思っていた。でも今、彼は私を見下ろしながら、声を落として言った。「南、こんな時に隼人を困らせるなよ」私は彼を見る。「私、何か言った?」哲は一瞬、言葉に詰まった。すると透子はネックレスを握りしめ、さらに涙をこぼした。「南さん……だったら、このネックレス返すね。私、本当は受け取っちゃいけなかったんだよね」彼女が首元のネックレスに手を伸ばした瞬間、隼人が口を開いた。「そのままでいい」そして隼人は私を見た。「引いた人のものだろ」私は小さく笑った。その瞬間、部屋が静まり返った。隼人の表情も少しずつ冷たくなっている。哲が眉をひそめた。「南、ただのゲームだろ。わざわざこんな空気にする必要あるのか?」そして彼は透子の前に立った。声は相変わらず優しい、でも、その言葉はまるで私の胸を深くえぐるようだった。「透子は昔から不安になりやすいんだ。やっと楽しそうにしてるのに、少しくらい譲ってやれないのか?」また、その言葉だ。私は思
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