Todos os capítulos de 僕達のマザーランド: Capítulo 31 - Capítulo 33

33 Capítulos

#31『小さな事から』

※「さぁ、みんな! 手を合わせて!」 ローズマリーの号令に、子供達だけでなく職員達も一斉に「いただきます」と声を揃える。 『チャーチグリム』の船員達も続いて手を合わせ、この二日間で食事の挨拶に慣れてきたクミンも一緒に頭を下げた。 今日のメニューは、訪問日恒例の『特製カレーライス』だ。 お腹が空いた子供達は、まるで飲むようにカレーライスを口に掻き込んでいく。「おかわり行ってこよー」「テメェは遠慮しろアホ」 真っ先に立ち上がったリンデンに、向かいに座るフェンネルが小声で野次を飛ばす。 そんな二人に子供達もクスクスと笑いながら、彼に続いて『おかわり』を所望する子達が順番に鍋の前に並び始めた。 ふと、クミンは目の前のグラスが空になっているのに気付く。 子供向けの味付けではあるが、意外と辛さが強かったのか知らぬ間に手が進んでいたらしい。 隣のユズリハに飲み物を頼もうかとも思ったが、麦茶の入ったピッチャーは自分の右側、左側に座る彼とは反対側にある。 ピッチャーに一番近いのは……。 「行くなら早く行けよ、鬱陶しい」 子供達に先を越されて尻込みし出すリンデンの腿を裏から引っ叩き、叩かれた本人は「やぁん」と気色悪い声を出して子供に笑われている。 フェンネルが手を伸ばしてくれれば簡単に届く距離だが。「!」 その時、あまりに見つめてくるクミンの眼差しに、フェンネルが気付いた。 再び視線がかち合い、やはり、クミンは戸惑ったように視線を泳がせてしまう。「…………」 しかし、現役で討伐隊として働く彼の洞察力は並大抵のものではない。 フェンネルは空になった彼女のグラスや、皿に残るカレー、本人の反応から、瞬時にクミンが何を望んでいるのかを察知した。 欲しいのは『これ』か。 フェンネルは自分の斜め前にある麦茶のピッチャーを見て、小さく溜め息を吐いた。 手を伸ばして、ピッチャーを手に取る。 瞬間、「あっ」と困った様なクミンの声を聞いたが、彼は無表情を貫きつつ、自分のグラスに麦茶を注ぎ足した。 しかし、彼はピッチャーを元あった場所の反対方向へ置くと、更にその先へと押しやる。「!」 突然手元にやって来たピッチャー。 クミンは目を輝かせ、次にわたわたと焦り、そっと立ち上がって両手でピッチャーを持ち上げた。 クミンはフェンネルを見る。 相変わら
last updateÚltima atualização : 2026-11-06
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#32『憧れの人』

※ 午後四時を回った頃。 子供達は、涙ながらに『久々に会った友達』を引き止めていた。 リンデンに至っては子供達と一緒に抱き合い、「また会おうねぇ」と目を潤ませている。「大袈裟だな、来週も会うだろう?」「ユズさん酷い! 来週は『カマリア』じゃん、『マーガレット』と『ガーベラ』は次行く時、来月になってるんだよ!?」「はっはっ、そうだったな。悪かった」 最初はユズリハを怖がって泣いていた子供達も、今は別れを惜しんでしゃくり上げる子もいる。 そんな彼等に、ユズリハも苦笑しながら頭を撫でて回った。 フェンネルが今日の記録を事務室に提出している間、ローズマリーはクミンを連れて『マーガレット学習院』の副院長に挨拶を述べる。 副院長はローズマリーと同じ緑色の瞳を細め、優しく微笑んで「今日はありがとうございました」と感謝を述べた。「こちらこそだよ、パキラ」「院長様のお陰で、皆が健やかで優しい子達に育っていますよ」「次に来る時は、小学部や中学部の子達とも会いたいなぁ」「もちろん、いつでもいらして下さい。ここにいる皆が、貴女の『子供達』なのですから」 ニコッと笑った室長に、ローズマリーも嬉しそうに微笑み返した。 その様子を不思議そうに見ていたクミンは、ローズマリーを見る副院長の表情に、リンデンやフェンネルと近いものを感じ取る。「……副院長も、ローズマリーの『子供』なのか?」 その言葉に、二人は静かに微笑んだ。「クミン、実はパキラも『独りぼっち』だったんだ」「!」「……もう何年も前になります。革命戦争で家族を失い、院長様が保護してくださったんです。私は学習院の前身である施設で暮らし、今はこの『マーガレット』を任せて頂いているんですよ」 皆に今日があるのは全て、院長であるローズマリー様のお陰です。 そう言い切った副院長に、ローズマリーも照れた様子で「んもー」とはにかんでいる。 ローズマリーが孤児院の院長であり、一番権力を持っている事はユズリハから聞いていた。 しかし、それよりもクミンは、副院長が放つ清らかさに眩しさを感じ、思わず目を瞬かせた。 ユズリハやローズマリーに対しするような、『信頼』や『敬愛』とは少し違う。 強い『羨望』や『憧れ』という、本人も知らぬ感情が彼女の心を掴んで離さなかった。「……なれるだろうか?」「ん?」「私も
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#33『ありがとう』

※ 帰り道。 傾き始めた陽を浴びるリンデンが、鼻を啜りながら「今日も楽しかったな」と呟いた。「ちっちゃい子の可愛さは無限大だよね。赤ちゃん、もっと抱っこしたかったなぁ」「テメェが昼寝時に真っ先に寝なけりゃ、触るぐらいは出来ただろうよ」「やだぁ、言わないでぇ?」 年長者達と共に先を行くクミンが、後ろから付いてくる二人に時折振り返る。 手を繋いで一緒に歩いてくれるユズリハと、彼とは反対側の隣を歩くローズマリーは、自分を挟んで明日の予定を話し合っている。「………………」 クミンは、先程に見た副院長の笑顔を思い出した。 彼女の様な清らかさは己に無くとも、彼女の『真似事』なら自分にも出来る筈だ。 貰った『愛』を、『愛』で返す。彼女は決意に視線を上げ、ユズリハの手をすり抜けて後ろへ走った。「クミンさんっ?」 驚いて振り返ったユズリハの声に、ローズマリーもクミンを視線で追う。 駆け出した彼女が行き着いた先に、二人は思わず目を見張る。「っ!」 誰よりも驚いたのは、フェンネルだった。「お、どしたの?」 リンデンはフェンネルの前で立ち止まったクミンに声を掛ける。 しかし同時に、隣に並ぶフェンネルが自分のシャツを掴んだ事に気付いた。 脇腹から背中の布をしっかりと握り締めるその手は、緊張で固くなっているが、やはり何処か小さく震えているように思う。 彼の見開かれた瞳は、一歩先の位置から見上げてくるクミンを緊張した様子で凝視している。「………………っ」「……フェン、ネル」 クミンが名を呼べば、服を掴む手がグッと強くなる。 俯くクミンは自分のスカートの裾を掴み、真っ直ぐな眼差しでフェンネルを見上げた。「……朝ご飯を、ありがとう。すごく美味しかった」 彼女の赤い瞳に、他意は感じない。 だがフェンネルは戸惑った目をゆっくりとクミンから逸らし、隣に立つリンデンへ視線で助けを求める。 目が合ったリンデンは、微笑んで頷いた。「…………っ」 眉を下げ、ぐっと唇を噛んだフェンネルは、リンデンの服を掴んだまま、反対側の手でウエストポーチの中から何かを取り出した。 その様子に嬉しそうな笑顔を浮かべたリンデンが、クミンに声を掛ける。「クミン、手ぇ広げて」「……?」 言われるまま、クミンは両手を広げてリンデンに見せる。 すると、その小さな掌に、
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