第21話 逃亡した王と殺人容疑者ですが、「極秘捜査でした」で王宮へ戻れるでしょうか 三年前の月鏡に、まだ出会ってもいない私とカエルが夫婦として映っていた。 そんなものを見せられた翌朝、人間が最初にすることは何だろう。 祈る。 泣く。 運命について考える。 おそらく普通なら、そのあたりではないかと思う。 私は違った。「王宮へ戻ります」 朝食のパンを齧りながら言うと、向かいに座っていたカエルが露骨に嫌そうな顔をした。「嫌だ」「子供ですか」「今の王宮は敵と味方の区別がつかない」「だから戻るんです」「理屈が逆だ」「逆じゃありません。私たち、現在の公的記録上ではどうなってます?」 ローデンを見る。 彼は飲みかけの茶を置き、非常に答えたくなさそうに口を開いた。「リア監査官は、殺人事件の重要容疑者として拘束中に逃亡」「はい」「殿下は、その逃亡を王権を使って幇助した疑い」「はい」「さらに王位継承手続き自体が停止中で、暫定王権についても七群側から異議申し立て」「はい」「加えて」「まだあるんです?」「王家唯一の月璽を紛失」 カエルがパンを食べる。「紛失ではない」「投げましたね」「必要だった」「報告書には何と書けばいいんです!」 ローデン。 また。 これ。 昨日から何度目だろう。「『緊急人命救助のため、一時的に所有状態を喪失
Last Updated : 2026-08-27 Read more