エリオットが顔を上げる。 「それなら、札自体は一枚で済みます」 「ただし、札が失われた場合が怖いですね」 セリアが言う。 「札番号を帳簿にも写します」 ミレーヌが続けた。 「札がなくなっても、帳簿の番号と梱包番号で追えるように」 クラリスは頷いた。 「よいです」 イリスが小さく札をしまった。 「今回は減りましたね」 「少しだけ」 「少しでも大切です」 その日の夕方、港湾会計担当官ボルクも呼ばれることになった。 彼は顧問室に入ってくるなり、机上の資料を見て渋い顔をした。 「用途札ですか」 「はい」 「港湾作業が増えます」 予想通りの第一声だった。
Last Updated : 2026-10-16 Read more