頭の奥がじんと鳴り、その場から動けなくなった。「パパ、ママ。さっき助けてくれたの、このおばさんだよ」悠真に手を引かれて、直人と美緒がやってくる。私を見るなり、2人の笑顔が消えた。「紗季……」直人は明らかに動揺し、とっさに悠真を自分の後ろへ隠そうとした。涙がこみ上げた。「隠さないでよ、直人。説明してくれないの?」彼は大きく息を吸った。「知られたからには、もう隠さない。そうだよ。悠真は君が産んだ子だ。あのとき、僕が嘘をついた」美緒は唇を真っ白にして、悠真の手を握り締めていた。「紗季、直人を責めないで。全部、私が悪いの」そう言うなり、美緒は悠真の背中を押した。「悠真、行って。あっちが本当のママなの」悠真がわっと泣きだした。「やだ!あのおばさんはやだ!ママだけが好きなの!ママ、悠真を捨てないで!」悠真は美緒の手を離さず、美緒も彼を抱き締めて泣きじゃくっていた。両親には、私が2人を無理やり引き離そうとしているように見えたらしい。「紗季!」母が駆け寄り、美緒をかばうように前に立った。「この2人を引き離すなんて許さないわよ。お父さんも私も、これでいいって決めたんだから!」声が震えた。「じゃあ、みんな知ってたの?」母は気まずそうにせきをして、視線をそらした。「もとはといえば、あなたのせいでしょう。スキーで事故に遭ったあなたを助けて、美緒は体を冷やしてしまったの。そのせいで、もう一生子供を産めないのよ。あなたの子を育てるくらい、当然じゃない?」当然?でも、美緒が子供を産めなくなったのは、大学時代の中絶が原因だったはずなのに。美緒は後ろめたそうに唇をかみ、私を見ようとしない。私が黙っているのを、母は納得したのだと受け取った。「もう3年もたつんだから、今さら言わないの。あなたと直人は、また子供を作ればいいでしょう。この3年、私たちは毎週悠真に会いに来てたのよ。美緒は優しいし、よく気がつくわ。泣いてばかりのあなたより、ずっと上手に育ててくれてる」父も満足げにうなずいた。「美緒は私たちにもよくしてくれる。もう娘だと思っているんだ。紗季も妹ができたと思えばいい。悠真のことは、どうしても諦められないなら、甥っ子としてかわいがればいいだろう」幸せそうにまとまる家族を前に、体の
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