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第3話

مؤلف: 灰野
直人は頬を押さえたまま、離婚、とつぶやいた。それから、鼻で笑った。

「腹立ちまぎれにそんなこと言うなよ。美緒と僕は、本当に君が思ってるような関係じゃない」

話しだしたところで、直人の携帯がけたたましく鳴った。

「高瀬さんのお電話でしょうか。汐丘総合病院ですが、藤代美緒さんが今、こちらに……」

最後まで聞きもせず、直人は家を飛び出した。

その背中を、冷めた目で見送った。

システムが反応する。

(離脱まで、残り48時間です)

……

夜になっても、直人は帰ってこなかった。

うとうとしていた私は、夜中、煙にむせて目を覚ました。部屋中に火が回っている。

「助けて――!」

ドアに飛びついたが、ノブを回しても開かない。必死に扉をたたいた。

「お父さん!お母さん!悠真!みんな無事なの?」

不意に、扉の向こうから悠真の声がした。

「なんで僕を連れていこうとするんだよ!なんでママを悲しませるの!悪い女なんか、燃えて死んじゃえ!ママの仕返しだ!」

ドアの隙間から、悠真が見えた。外に立ち、憎しみを込めた目でこちらを見ている。

「火をつけたの、悠真なの?」

目を見開いた。

悠真は得意げだった。

「どうせ、おばさんなんか誰も好きじゃないもん。燃えて死んじゃえばいい!おばさんが悪いんだから!」

煙が喉の奥まで入り込む。私は床に膝をつき、激しくせき込んだ。

システムが激しく点滅した。

(ユーザー様、もう少し耐えてください。直人様が戻ってきました!)

間もなく、ドアが蹴破られた。直人が飛び込んできて、消火器が床に転がる。私を抱き締める腕が震えていた。

再び目を開けると、白一色の景色が広がっていた。

ベッドのそばで、直人が眉間をもんでいる。ひどく疲れた顔をしていた。

「気がついた?医者に診てもらったけど、大したことはないって」

彼が水の入ったコップを差し出した。

「悠真のことは責めないでやってくれ。わざとじゃないんだ。君に連れていかれるのが怖かっただけだよ」

かすれた声を絞り出した。

「わざとじゃない?私を焼き殺そうとしたのよ。こんな子に育てた美緒には、責任がないとでも言うの?」

直人の顔がさっと険しくなった。

「もういい!結局、美緒の育て方が悪いって言いたいんだろう?」

彼は勢いよく立ち上がった。

「今日、君が一緒に来るかなんて聞かなきゃ、悠真だってあんなことはしなかった!」

彼を見つめるうち、言い返す気力さえなくなった。何を言っても、直人は聞こうとしない。

「帰って。もう疲れたの」

目を閉じて拒んだのに、直人はいつまでも動かなかった。

突然、彼が私の手首をつかんだ。

「美緒が急性白血病だって分かったんだ」

すがるように私を見つめ、かすれた声で続けた。

「君が意識を失っている間に、医者に適合検査を頼んだ。君なら、美緒のドナーになれる可能性が高いそうだ。紗季、彼女を助けてくれないか?」

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