先生への慕情以外、心臓移植の手術のことも、夢のこともすべて打ち明けると、瑞希くんは再び私を抱きしめた。「話してくれて、ありがとう」 瑞希くんは私から離れて水の入ったグラスを差し出す。私はそれに甘えた。 外は明るくなり始めていて、瑞希くんの顔が良く見える。 彼は考え事をしているようにも見えたし、どこかへ思いを馳せているようにも見えた。 もう、泣いていた瑞希くんはどこにもいない。憂いも涙の痕もなく、いつも通りの端正な顔だ。爽やかで、裏表がなくて、どこまでもまっすぐ。 やがて、外から差し込んだ朝日が瑞希くんの精悍な顔を照らした。 瑞希くんは私のほうへ向き直り、寝台に腰かける私の手を握る。「みぃは、まだ実習を続けるつもりか?」「……瑞希くんが、お許しくださるのであれば」「でも、もう心臓移植のことはこれ以上わからないかもしれないんだろう?」「それは、そうですが……。元々、それが目的ではありませんから。偶然、調べる機会があっただけですもの。私が看護婦になりたいと思う気持ちに変わりはありませんわ」 心臓移植の手術についてわかったのは、本当に偶然だ。そこで知り得たことも、先生の過去もすべて。 看護婦になりたいと思う気持ちとはまったくの無関係。 私が瑞希くんの手を握り返すと、瑞希くんは決断したのか苦悩の色を隠した。「……わかった。実習は続けても良い」 瑞希くんは私を安心させるためか笑みを浮かべる。手のかかる子供に向けた諦念や脱帽
Last Updated : 2026-09-27 Read more