アークウェル・アドバイザリーと榊原俊之の会社との関係は、翌朝にはもう少し詳しく分かった。四年前、榊原が九条ホールディングスを退職してから約三週間後。彼が設立した小規模法人は、アークウェルと半年間の経営支援契約を結んでいた。期間は、九条の関連会社から榊原の会社へ業務委託費が支払われていた時期と、ほぼ重なっている。澪は二つの契約期間を画面上で並べた。「九条からお金を受け取りながら、同時にアークウェルから経営支援を受けていた……」「それ自体は不自然ではありません」隣で資料を確認していた怜司が答えた。「独立直後の会社なら、外部のコンサルタントを使うことはあります。むしろ、九条からまとまった業務を受託していたなら、事業基盤を整えるために支援を求めたとしても説明できます」「でも、どちらも半年ほどで終わってる」「そこは気になります」九条からの委託契約は、更新も終了理由も残されないまま途切れている。アークウェルとの契約も、それから一か月と経たずに終了していた。その後、榊原の会社は目立った事業活動を残さなくなり、数年後には清算されている。まるで、ある時期だけ存在する必要があった会社のようにも見えた。だが、それも今の段階では印象にすぎない。「アークウェル側の担当者は分かりますか?」澪が尋ねると、怜司は一つのファイルを開いた。「当時の対外資料が残っていました。榊原氏の会社を担当していたのは、この人物です」表示された名前を、澪は初めて見た。久我山慶介。当時四十代前半。アークウェル・アドバイザリーの事業再生部門に所属し、その後、執行役員まで務めている。三年前に退社。現在は自ら立ち上げた投資会社の代表だった。「投資会社……」澪はその肩書きに目を留めた。「今度はずいぶん近くなりましたね」怜司が別の資料を表示する。久我山の会社は、企業再
Terakhir Diperbarui : 2026-10-04 Baca selengkapnya