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『Nocturne』という短編が忘れられない。Malice Mizer時代のTetsuがYu〜kiのギターケースにこっそり楽譜を入れていくエピソードで、ヴィジュアル系バンドの裏側にある等身大の青春を感じた。『NARUTO -ナルト-』の忍具みたいに、楽器や小物が感情のメタファーになってる点がいい。特に最終章で、雨水に滲んだ譜面のインクが二人の影と混ざり合う描写は、一切のセリフなしに関係性の変化を伝えていてプロ級。ファンフィクションって原作の隙間を埋める作業だと思ってたけど、この作品は逆に隙間を広げて新たな解釈を生んでいた。
最近読んだ『Dahlia Noir』では、Yu〜kiが壊した弦をTetsuが直すくだりから始まる。Malice Mizerの世界観を活かしつつ、音楽制作の現場にある具体的なディテール(アンプの熱さとかスタジオのコーヒーの味)が感情描写の土台になってる。『ハリー・ポッター』の杖術みたいに、楽器の扱い方でキャラクターの心情がわかる構成が斬新。特に、二人で共有するヘッドホンから漏れるメロディが、次第に心拍のように同期していくラストは、静かな感動を呼ぶ。ヴィジュアル系の派手なイメージを逆手にとった、繊細な人間ドラマだ。
Malice MizerのファンフィクションでYu〜kiとTetsuの静かな感情の変化を描いた作品なら、『Silent Strings』が圧倒的におすすめだ。ギタリストとベーシストという立場から生まれる微妙な距離感が、練習室の埃や夜の街灯を背景に溶けていく描写がたまらない。特に二人が共有する無言の時間の積み重ねが、最終的に言葉を超えた理解へと繋がる展開は、読んでいて胸が締め付けられるほど美しい。作者は楽器を扱う手の動きや音のニュアンスまで細かく書き込み、音楽そのものが二人の媒介になっている点が秀逸。
『NARUTO -ナルト-』のサスケとナルトの関係性にも通じる、対立と協調の狭間で揺れる感情が、Malice Mizerの世界観で再構築されている。ヴィジュアル系バンドという枠を超え、芸術家同士の葛藤と共鳴を描くこの作品は、ファンフィクションの可能性を感じさせる。ラストシーンの、朝もやの中揺れるカーテンの描写が二人の未来を暗示していて、何度読み返しても新たな発見がある。
Malice Mizerの二次創作で思い出深いのは『Moonlight Theatre』だ。Yu〜kiがステージで落としたピックをTetsuが拾うシーンから始まって、毎公演ごとに小さな変化が積み上がっていく。バンド仲間だからこそ見える本音と建前の層が、リハーサルでのミスをきっかけに剥がれ落ちる過程がリアル。『ハリー・ポッター』のスネイプみたいに、
一見冷たいキャラの心情を少しずつ露わにする筆致に引き込まれた。楽曲『ベル・エア~黒の劇場~』の歌詞と作中の台詞が重なる演出も計算されていて、音楽と物語の融合を感じる。
『Gothic Lolita』という作品でYu〜kiの黒いネイルとTetsuの銀の指輪が触れそうで触れない距離感に悶えた。Malice Mizerの衣装って演出上の役割も大きいけど、このファンフィクションではそれが心理的バリアになってるんだ。ライブ後の楽屋で、厚化粧が崩れるまで待つ二人の時間の流れ方とか、普通の人間関係じゃ絶対ありえない緊張感があってこそ。ヴィジュアル系ならではの『見せる』行為と『隠す』感情のズレが、最終ページでやっと同期する瞬間は鳥肌もの。