一方英語の'please'は、丁寧なリクエストのマーカーとして機能するが、日本語の'onegai'ほど感情的な重みはない。英語圏ではCould you pass me the pen, please?とフォーマルに言うこともあれば、Pass me the pen, pleaseとカジュアルに言うこともある。'onegai'の方がより相手との関係性を意識した、人間味のある表現だと言えるかもしれない。
ゲームのやり取りを見ていると、'onegai'の独特な使い方がよくわかる。日本のオンラインゲームでは『ヘルプお願いします!』とチャットで打つことがあるけど、これが英語圏のプレイヤーだと『Need help please!』と簡潔に済ませる。日本語版の方が、どこか助けを求める人間味が滲み出ている気がする。
漫画『ONE PIECE』でルフィが仲間に『お前ら、俺を海賊王にしろよ、お願い!』と言うシーンがある。このセリフを英語版では『Make me the Pirate King, please!』と訳しているが、原作の熱量が少し薄まっている印象を受けた。'onegai'には、友情や信頼関係を前提とした、心からの頼みごとという要素が含まれているからだ。