義妹のために売られた妊婦結婚式で、義妹を救うため、夫・高橋翔太(たかはし しょうた)は妊娠三ヶ月の私・井上春奈 (いうえはるな )を詫びとして宿敵に突き出した。
「これが俺の誠意だ。どう扱っても構わない」
私は泣きも喚きもせず、おとなしく宿敵について行った。
前世で、私は自由と引き換えに全財産を差し出し、念願叶って翔太のそばへ戻った。
なのに無理やり中絶薬を飲まされ、三日三晩苦しんだ。
「お兄ちゃん、あの宿敵は全部あなたが雇った偽物だし、義姉さんは何もされてないのに、どうしてこの子を絶対に堕ろさせるの?」
翔太が鼻で笑った。
「芝居はな、徹底的に本物らしくやるものだ」
私は怨みを抱いたまま息絶え、再び目を覚ましたとき、わざと連中に捕まるほうを選んだ。
ところが三年後、新しい恋人の腕を取ってパーティーに現れると、翔太が狂ったように詰め寄ってきた。
「春奈、俺たちの子はどこだ?」