自分のために生きる私と桐島蓮(きりしま れん)は幼馴染で、結婚して八年、息子が一人いる。彼は骨の髄まで私を愛してくれていると思っていた。
彼が帰国したばかりの初恋の人のために、何度も約束を破るまでは。
私が急いで駆けつけると、彼が友人たちと談笑しているのが聞こえた。
「琴音なんて、昔から俺の後ろを追い回していただけの女だ。恩着せがましく迫ってこなければ、誰が結婚なんてするかよ」
息子までもが調子を合わせて言った。
「ママなんてただの専業主婦だよ。薇奈さんの方がずっといい」
私はついに諦めた。桐島蓮も、息子も、すべていらない。
再会した時、立場は逆転していた。桐島蓮は血走った目で、生涯愛しているのは私だけだと言った。