フェニックスの新生病院で倒れ、末期の癌だと宣告されたその日は、私と双子の姉、鳴海希(なるみ のぞみ)の22歳の誕生日だった。
私は医師の入院勧告を振り切り、病院を後にした。最後にもう一度だけ、家族と何の憂いもない誕生日を過ごしたかったからだ。
しかし、誕生パーティーの会場に駆けつけると、ボーイに入り口で止められた。会場は鳴海家の令嬢の誕生日のために貸し切られており、部外者は立ち入り禁止だという。
ガラス窓の向こうでは、兄がケーキを持ち、父が希にバースデーハットを被せている。そして私の恋人でさえも、満面の笑みで願い事をする希を見つめていた。
外で30分ほど立ち尽くした後、ようやく恋人が電話に出た。
「さっき病院に行ったんだけど、今……」
彼は私の言葉を遮った。
「霧、お前は昔から体が丈夫だろう。今日は希の誕生日なんだ。用があるなら後にしてくれ」
今日は、私の誕生日でもあるのではないか?
母が出産の際の大量出血で亡くなったから。
そして医師が、私が腹の中で希の栄養を奪ったせいで、希は生まれつき体が弱いと言ったから。
だから誰もが、5分早く生まれた姉に、私がすべてを譲るべきだと考えている。
私はくしゃくしゃになった癌の診断書をゴミ箱に捨てた。もう彼らの偏愛に心を痛めるのはやめよう。
一度も愛されたことがないのなら、永遠に去ることを選ぶだけだ。