潮騒に消えた愛の言葉7歳の時、私は竹内豪(たけうち ごう)に拾われた。それからずっと、彼の影として生きてきた。
8歳で暗殺術を学び、15歳で豪の敵を潰した。大学入学共通テストの日には、犯人のアジトに一人で乗り込んで彼を救い出し、全身に17か所もの傷を負った。
その日から、豪は私をまるで宝物のように、大事にしてくれるようになった。
私が結婚できる年になると、彼はすぐに結婚式を挙げた。そして、耳元でこう誓ってくれたんだ。「美希(みき)、永遠に君を愛するよ」って。
体中に残る醜い傷跡ごと、私は毎晩豪に抱きしめられた。彼は温かい唇で一つ一つの傷をなぞり、強く抱きしめながら、ささやいた。
「美希、君は誰よりも純粋だ。絶対に、俺のそばを離れないでくれ」
私はその言葉を、ずっと信じていた。
彼が外に囲っていた、「清らかな恋人」の存在を知ってしまうまでは。
豪は完璧に隠せていると思っていたみたい。でも、私が彼に内緒で大学に受かっていたなんて、夢にも思わなかったんだろう。
そして、豪が宝物のように大切にしているその女は、私のいちばんの親友だったんだ。