永遠の一瞬、刹那の永遠 ~夕暮れは永遠に沈まない~ 森の奥で五百六十年を生きるエルフの魔導師・セレイン。彼は決めていた——もう誰とも深く関わらないと。長命ゆえに繰り返す別れに疲れ、感情を封印して生きてきた。
だがある日、遺跡で出会った人間の少女・ミラが、その決意を揺るがす。一年間の護衛契約で始まった旅。セレインにとっては「瞬き」ほどの時間が、ミラにとっては「人生の大冒険」だった。
契約が終わっても、二人は離れられなかった。数年に一度の再会が、やがて日常になる。ミラは冒険者として成長し、やがて老いていく。白髪が混じり、傷が増え、歩みが遅くなる——その変化の一つ一つを、セレインは胸に刻んだ。
これは一人のエルフと一人の少女の、深い魂の交流の物語。