股切断された私、正気を失った夫夫の初恋の相手である夏目凛音(なつめ りんね)は、飲酒運転で人を轢き殺し、さらに逃走した。弁護士である私、安井絵夢(やすい えむ)はその弁護を断った。
それが理由で、その夜、夫は人を差し向け、トラックで私を轢かせて数十キロも引きずらせた。
全身は血だらけで、両脚はタイヤに擦り潰されて肉が裂け、激痛に私は悲鳴を上げ続けた。
だが、夫の江崎恒一(えざき こういち)は冷酷にもスマホを取り出し、私の写真を撮って凛音へ送りつけた。
「凛音、見たか?君に逆らったやつの末路はこうなるんだ」
私が痛みに耐えながら理由を問い詰めると、彼は嫌悪を浮かべた顔で言い放った。
「凛音はか弱い。刑務所に入ったら命を失うようなものだ。君は口を動かすだけで助けられるのに、あえて彼女の人生を壊そうとした。こうなったのは自業自得だ!
殺しはしない。ただ凛音のために罪を償わせるだけだ。せいぜい味わえ」
体の痛みが全身を飲み込むが、それでも心の痛みには及ばなかった。
その後、夫が財産の半分を費やして凛音を無罪にした。
一方、私は両脚の粉砕骨折により切断を余儀なくされた。
ようやく彼が路上に捨てられた私のことを思い出した時、部下から電話が入った。
「社長、奥様は一か月前にはすでに海外へ渡っています。謎の人物によりプライベートジェットに乗せられたとのことです……」