色褪せた愛の行方結婚して十年。夫と息子の世話に専念するため、私は仕事を辞めて専業主婦になった。
時が経つにつれ、夫は家に帰らなくなり、私の地味な服装やノーメイクを露骨に嫌がるようになった。
夫の変貌を、私は肌で感じていた。
探偵から夫の浮気動画が送られてきた時、私の心は冷え切った。もう彼を愛さない。この結婚を終わらせる、そう決意した。
財産を水面下で整理し、あの不倫カップルへの復讐劇の幕を上げることにした。
その愛人の誕生日パーティーで、私は彼女に平手打ちを食らわせ、夫には離婚届を突きつけ、さらに多額の借金を押し付けた。
私が颯爽と立ち去ろうとした時、夫は後悔の念に駆られ、泣きながら許しを乞うてきた。
でも、私は微動だにしなかった。振り返らずに飛行機に乗り、永遠に彼のもとを去ったのだ。