耳を突き刺すようなイントロ、急激に展開する構成、これらの要素を噛み砕いて自分の音にしている人たちを、'abnormalize'のリリース以降よく見かけるようになった。アニメ主題歌としての成功が、同ジャンルの表現幅を広げた影響を個人的に強く感じる。
僕の知る限り、
アニメソング系の歌手やその制作陣は、作品の世界観を短時間で提示するために攻めたコード進行や独特のフレージングを採用することが増えた。特に若い作曲家たちは、テンションの高い転調や瞬間的な静寂を巧みに使ってストーリー性を際立たせる手法を学んでいる。自分も曲作りをする時、サビ前の緊張感を高めるアイディアを'目に見える形'で提示してくれたこの曲からヒントを得ることが多い。
また、海外のリスナーやクリエイターもこの種のダイナミックな構成に注目していて、アニメ関連の楽曲制作に携わる若手が国際的な潮流を取り入れるきっかけになっている点も見逃せないポイントだ。