言語学オタク的に言うと、前置詞はレゴブロックの『突起』みたいなもの。英語では『The book on the table』の『on』が、モノ同士を機械的に接続する。対して助詞は『接着剤』というより『指さし』に近い。『本が机の上にある』の『が』は、主語をポンと指すことで、後続の叙述と緩やかにつなぐ。
この違いは翻訳で顕著に現れる。『I dream of you』を『君を夢見る』と訳す時、『of』と『を』が一対一対応しない。前置詞は多義的だが固定的、助詞は少ない種類で文脈に溶け込む。助詞の『に』なんて、方向・対象・変化結果までカバーする万能選手だ。この適応力の高さが、日本語の曖昧さと豊かさの源になってる。