「推して知るべし」の歴史を調べると、仏教思想との関わりも見えてきます。慈悲の精神を説く仏教では、他人の立場に立って考えることを重視します。この考えが「推して知る」という表現に影響を与えた可能性があります。
鎌倉時代の説話集『宇治拾遺物語』にも似たような表現が見られます。他人の心中を推測するという行為は、昔から人間の重要な能力と考えられていたようです。能や狂言の演目でも、このテーマを扱ったものがいくつかあります。
最近読んだ『
葬送のフリーレン』では、長命なエルフの主人公が人間の短い寿命とどう向き合うかが描かれています。登場人物たちが互いの立場を理解しようとする様子は、まさに「推して知る」ことの現代的な表現と言えるでしょう。