『ゴッドファーザー PART III』の終盤で、マイケル・コルレオーネが娘メアリーを庇って銃弾に倒れるシーンは胸に迫るものがあります。表向きはビジネスの敵対勢力による襲撃ですが、実はマイケルの過去の浮気がきっかけで生まれた複雑な人間関係が遠因となっています。
あのシーンの悲劇性は、マイケルがようやく家族との和解を果たした直後に訪れる点です。アル・パチーノの演技も素晴らしく、絶望と後悔に満ちた表情が忘れられません。マフィア映画でありながら、人間の弱さと代償を描いた普遍的なドラマとしても成立しています。
特に印象的なのは、教会の階段で血の池に沈んでいくメアリーを抱きしめるマイケルの姿。宗教的イメージと父娘の関係性が重なり、浮気という個人の過ちがどれほど大きな代償を払うことになるかを考えさせられます。