やっかみやすい人の心理を考える時、『スパイ・ファミリー』のヨルが任務中に見せる「完璧な主婦」への嫉妬が参考になる。あれは単なる性格の問題ではなく、自分に不足しているものへの過敏な反応だ。現実でも、他人の持つものが自分に欠けていると強く意識した時、それを正当化するために「あの人の成功は運がいいから」「特別なコネがあるに違いない」と
穿った見方をしてしまう。
面白いことに、この傾向は意外に能力の高い人にも見られる。自分なりの努力を重ねてきた分、他者の評価が自分と
同等かそれ以上だと認めたくない心理が働く。『チェンソーマン』のデンジが最初に感じたアキへの複雑な感情のように、認めたくない敬意が歪んだ形で表出するケースもある。
根本的には、自己評価の基準を他人に依存していることが問題で、誰かと比べなくても自分の価値を認められるようになることが大切だと感じる。