興味深いことに、
エスパーダの造形を見るとスペイン語やイベリア文化の匂いが強く感じられる。僕はまず名前や用語に注目する派で、エスパーダ(espada=剣)や“セロ”“エスパーダ”といったスペイン語由来の語が世界観そのものに色をつけていると思う。外見面でも、マントや革、装飾のライン、時に
闘牛士を思わせるシルエットなどが意図的に使われていて、「外套」と「舞台衣装」を混ぜたような派手さがある。
さらに肌の色味や瞳の処理、欠片の残し方(殻や仮面の破片)には“死”と“貴族的な冷たさ”というテーマがあると感じる。僕はファッション誌やロックのヴィジュアル系からの影響も見て取れると思っていて、鋭いラインと高いコントラストがキャラに即座に個性を与えている。こうした要素が組み合わさって、スペイン語的ネーミング+ゴシックな装飾+モード系の造形という“混成”が、エスパーダ独特の美学を作っていると考える。
総括すると、言語的モチーフ(スペイン語)を基盤に、衣装や体のパーツで西洋的な貴族性や闘争性を表現し、さらに現代ファッションの鋭さで仕上げているのが元ネタの集合体だと僕は捉えている。