ギアの耐久性について語るとき、
五徳の素材選びは本当に核心に触れる部分だと感じる。自分の経験を交えて言えば、総合的に見て最も信頼できるのは厚手のステンレス(特にSUS304やSUS316相当)だ。表面が腐食に強く、火や灰の繰り返しに耐えるだけでなく、多少の叩きや曲げにも復元しやすい。継ぎ手が溶接されているものや、足や支点がガッチリした作りならなお安心だ。
ただ、ステンレスにも弱点はある。薄板の打ち抜き品だと熱で波打ったり、脚のピンが摩耗してぐらついたりするから、肉厚と仕上げを必ずチェックしてほしい。携帯性を優先するならチタンの五徳も候補に入るが、コストが高く、接合部の作りは確認が必要だ。鋳鉄製は極端に頑丈で熱保持性に優れるが重く、落下や衝撃で欠けることがある。
最後に、自分がフィールドで気をつけているのはメンテナンスのしやすさだ。錆びやすい素材なら食塩や水分を落として油膜を作る、可動部はグリスやオイルで保護する。単純に『頑丈そう』な見た目だけで選ばず、肉厚・接合・可動部の作り・素材特性のバランスで決めると長く使える。