並べて眺めたときにまず目を奪われたのは、Papoの
ギガノトサウルスだった。筋肉の流れや皮膚のシワの彫り込みがとても生き生きしていて、頭部のプロポーションも破綻がない。色味はやや自然寄りで、グラデーションとドライブラシの効果で骨格の凹凸が強調されているように見える。可動箇所はないけれど、それを補って余りある造形の完成度がある。
実物を手に取ると分かるのは、首周りと大腿部のボリューム感の表現力だ。目の周りや歯の細工も細かく、近くで覗き込むとフィギュアとしての魅力がどんどん伝わってくる。展示用として安定したポーズなのもありがたい点で、撮影やジオラマに組み込みやすい。
欠点を挙げるなら、可動性や遊び心を求める人には向かないこと。だが私のように「彫刻としての恐竜フィギュア」が好きな人間にはPapoが真っ先におすすめできる。