考えてみると、
ギガノトサウルスとティラノサウルスの対決は単純な強さ比べじゃ済まない興味深い問題になる。骨格のバランスを眺めれば、ギガノトは全長でやや長めに見えることが多く、細長い頭部と鋸状の大きな歯で肉をえぐるタイプだ。一方、ティラノは頭ががっしりしていて咬合力に優れ、骨を砕く力がある。サイズだけで勝敗を決めるのは危険で、体重や頭部の厚み、筋肉の付き方が重要になる。
骨格の保存状態の差も大きい。ティラノサウルスは比較的完全な標本が多く、力学的評価がしやすいのに対し、ギガノトサウルスは標本が部分的で復元に幅がある。そのため「どの個体同士か」「年齢や健康状態はどうか」「地形や状況はどうだったか」といった条件次第で勝敗の可能性は大きく変わる。僕は単純な一対一の決着なら、堅牢な頭骨と強力な咬合力を持つティラノが有利だと感じるが、ギガノトのスラッシング能力や機敏さが活きれば勝負は互角にもなる。最終的には証拠の不足と多数の変数があって、どちらが絶対的に強いとは断言できないと締めくくるのが現実的だ。