開発現場でよく問題になるのは、どの線を『成人向け』として引くかという現実的な判断だ。
私の経験上、
エログロ(性的表現と暴力表現が絡む内容)を含む作品に関しては、まず世界的な最低基準として18歳未満に販売・提供しないことを徹底すべきだ。多くの法域やレーティング機関(たとえばESRBのAdults Only相当やPEGI 18、日本のCERO Zなど)は、性的描写と強い暴力が同居する作品を成人向けとして扱うからだ。未成年者の保護、法的責任、プラットフォーム規約遵守という観点で、18歳以上の線は現実的であり安全策になる。
さらに私は具体的な運用として、明確なコンテンツラベルと年齢確認の導入、販売プラットフォームごとの出荷制限や地域別の法規確認を強く勧める。例えば欧州や一部の国では表現規制が厳しく、販売自粛や販売禁止になるケースもあるので、地域ごとに法的助言を得て対応するのが賢明だ。
最後に、表現の倫理面も無視できない。作品内で未成年が関わる、明確な同意が無い性的シーン、性的暴力を美化するような演出はたとえ成人向け扱いでも避けるか慎重に扱うべきだ。ジャンル的に近い例としては作品 'Ichi the Killer' の扱い方が議論を呼んだが、開発側は年齢制限と警告表示を徹底し、販売チャネルを限定してリスクを管理するのが現実的な対応だと考える。